新しい2人-完

渡辺は、それから少し目黒の家に行かなかった。友達と焼肉行ったりサウナ行ったりしてる。目黒は渡辺のブログで、それを知る。

目黒ー楽しんでるじゃん。

インドア派で自分で料理するから、外食はほとんどしない。

渡辺もインドア派だと思っていたが違ったのか？

頻繁にサウナに行き、外食している。目黒は少し寂しかった。

練習日。

渡辺ーめめ、晩ご飯食べさせて？

ラウーあっ、俺も！

目黒ーしょっぴー、仕事の話ある？

渡辺ー・・ん。

目黒ーラウ、食べたら帰るなら、来ていい。

ラウーまたぁ？ゆっくりしたい。

目黒ー・・。

ラウー分かりました！食べたら帰ります！

渡辺ーごめんな。

ラウーしょっぴーが謝らないで。

晩ご飯を食べて、ラウールはまだ話したかったし、2人と一緒にいたかった。だが、渡辺がごめんと言う。目黒を見ると、同じく、ごめんと言う。渡辺は、少し思い詰めた顔をしている。ラウールは、大人しく帰ることにした。

自分とは違うジャンルで仕事をしている2人。邪魔は良くない。

目黒ー帰っちゃったよ？

渡辺ーん、何だろうなぁ、2人がいいんだ。

目黒ー俺は期待していいところ？

渡辺ーいや、分かんないんだ。友達とサウナ行ったり食事したり、楽しいんだ。でも目黒といるときと違うんだ。

目黒ーコーヒー淹れるよ。

渡辺ー俺、何かが変わったのかなぁ。

目黒ーそれは何？

渡辺ーん〜、一緒にいると、ドキドキすることもあるけど、抱きしめられて腕の中で落ち着くし、この間みたいに、お水もらっても、嫌だと思わないし。帰るとき、時々寂しいし。

目黒ー俺、凄い告白されてる気分になるけど。

渡辺ーいや！違う。いや、でも、目黒といる時間は、大事なんだと思う。

目黒ーそれ、恋って言わない？

渡辺ーそうなの？

目黒ー俺が特別？

渡辺ーん〜多分。

目黒ーそれだけでも恋だと思わない？

渡辺ーじゃあ、俺は目黒に恋してるの？

目黒ー自覚なしか。

渡辺ーだって、だって、ん〜恋かなぁ。

目黒ーゆっくり教えてあげる。

渡辺ー何か怖いんだけど。

それでも、目黒に抱きしめられたら、背中に手を回す。

頬に唇を当てても、笑ってる。

目黒をじっと見つめてくる。目黒はゆっくりキスをする。

渡辺ー俺を変えちゃったな。

目黒ーそう？

渡辺ーゆっくり変わっていく自分が分かってた。

目黒ー嫌じゃなかった？

渡辺ー分からなかった、この気持ちが何なのか。

目黒ーキスしかしないから、今日泊まってく？

渡辺ーいや、帰る。

目黒ー明日、練習日だよ？

渡辺ー着替えないし。

目黒ー翔太くん用に買ってる。

渡辺ー時々、重いわ。

目黒ーだから・・

渡辺ーでも、帰る。まだ勇気ない。

目黒ー何の？

渡辺ー目黒の家に泊まる勇気。

目黒ー何言ってるの、今まで何度も泊まってるじゃない。

渡辺ー友達としてな、今は友達だけじゃないだろ？

帰るとき、「やっぱり寂しいな」と言いながら帰る。

引き止めたかったけど、ゆっくり変わっていく渡辺を見ていたい。

自分から、泊まると言うのを待とう。

1か月経って、渡辺が小さな声で「帰りたくない」と言う。

目黒は、思わず抱き上げた。

腰に足を絡ませてしがみつき、笑う。

目黒ーそろそろ言ってくれるって思ってた。

渡辺ー何で？

目黒ーこの間、帰るとき、ちょっと涙が滲んでたし、引っ付くのが多くなった。

渡辺ーよく、見てるし考えてるな。

目黒ー大好きだもん。

渡辺ーいつの間にか大が付いてる。

目黒ー初めて言ったときから、俺の恋も育つの。

2人は笑いながら軽くキスをする。

渡辺も抵抗しない。深いキスはたまに。頭痛薬を飲むときは、目黒が口移しで水を飲ませる。それが嫌じゃない。

その日の夜、寝る前に渡辺が、聞こえないくらい小さな声で、「好きになったかも」と言う。

目黒は背中から抱きしめて、うなじにキスする。渡辺は小さく震えた。ちょっと泣いて目黒の腕を抱きしめて眠る。

目黒が最初に「好きかも」って言ってから、3か月が経った。

完