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放課後になった。
後ろの席の子、陽(はる)が委員会で遅くなるけど、一緒に帰ろうと言ってくれたので、僕はまぁ、えらいので、ね、お絵描きをしながら待っているんです。なにか足音が聞こえる、無視して絵を描いてると、「何描いてるの?」そう、聞きなれた声がした。ぼ、僕の絵、見られた?咄嗟に、ペンを持っていなかった左手で絵を隠した、「あ、えっ、と、別に、な、なんでもなく…」机を見ながら呟く、小さな声で。
「上手だね。」
また透(とおる)くんが喋った、あまり話さないので近くでは声を聞くこともない。ゆっくり顔をあげる。い、今、なんて言った?透くんが褒めてくれた?目が合ってしまい、顔に熱が集まった、あ、僕、今顔赤いかな、変じゃないかな、ほ、褒めてくれたのに、返事しなきゃ、目をキョロキョロしながらなにかを話そうとする僕が面白かったのか、透くんはふっと笑った。
怖い、褒めてくれた、認められた?僕なんかに話しかけるなんて、なにか裏があるのかも。
なんて考える自分が嫌いだ、そう言って誰もちゃんと信じられない、信じることこそなんか……幸せに繋がるような気がするのに、確信はできないけど。「ありがとう。透くんは、努力が……すごいと思う。あ…ごめん。」そう言った、最後の方のごめんは声が小さすぎて聞こえてなかったかもしれない、でもいいんだ、僕の自己満だから。傷つけるのも、傷つくのも怖い。言い方はこれでよかったのかな。人と話すたび、そんなことばっか考えてる。透くんはさっき、僕が努力がすごいと思うと言った時、目を逸らしてた。良くなかったかもな。
そろそろ委員会終わるかな、席を立ち、一応?仲良くなりたいし、挨拶しとこうかな、少し強がって言う。
「また明日、友達待たせてるから…明日も話したい。」顔が熱い、真っ赤になっているだろう。僕は緊張しすぎると顔が真っ赤になっちゃうからな、そこから逃げるように陽を待つため下駄箱で靴を履き、待った。僕は陽が来ると早く帰りたくて、帰りたくて、少し早歩きになってしまった。帰ったあとも、陽と帰り道で話したことも思い出せなかった。
その日は、僕の好きな人で僕の頭はいっぱいになった。