テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
向日葵@一次創作家
3,436
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
四方のアンチ魔法を解除し通信魔法が再度使えるようになったので現在の状況をルナベルは確認する。
東はミナル、マリン共に無事。北のラルドも同じく無事。西は大妖精様が対応してくれたようで、そこで獣人の奴隷三名を保護した模様。南はエメルが対応し護衛とアンチ魔法を唱えていた術者共に戦線離脱したらしい。それと同時に不穏な情報を手に入れる。どうやら敵側の策が急遽変更されたようで雇い主が南以外の箇所から現れる可能性が高いという事。そして私のいる里にはその雇い主の護衛と思われる人物が来るかもしれないとのこと。
これを聞いてまずはラルドに動物たちと協力し雇い主を探してもらう。各方角にいる人達も一応周辺を警戒をしてもらう予定ではある。ただし先の戦闘でミナルが負傷したとのことなので一度ミナルとマリンには里に戻ってきてもらい治療を施してから戦線に戻ってもらう予定だ。また、西は大妖精様がゴーレムに自身の魂を宿して戦っていたと聞いたので無理のない程度に戦うように伝え操られていた獣人三名を里で保護するように準備と迎えを用意させた。
あとは今回の首謀者の護衛と思わしき人物がこちらに来るかもしれないということで私がことに備える必要がある。これだけ大掛かりなことをしてきたやつだ、自信を守らすために雇った人物もただものではないだろう。相手がどういった人物なのかすら不明であるがゆえにどう警戒したものか……。私と同じく騎士なのか剣士なのか戦士なのか、ともかく似たような系統の敵であれば相性はいいと言えるだろうが、暗部の人間のような人材……例えば狩人なんかや盗賊もその部類になるだろう。そういった人物であった場合私はともかく里のみんなを守れるかどうかは正直不安でしかない。一番最悪なのは魔術師であることだ。遠くから攻撃してそのうえ火力と範囲のでかい魔法なんて撃たれてしまえば皆を守ることができない……。今の私にはそれをどうにかできるほどの力量が足りていないから……。なので後者の二択はできれば考えたくないがそれもひっくるめて策を立てるのが私の今回の役目だ。この事件自体を人との懸け橋にする道具として利用してやる。そのくらいの気持ちで戦わないとだな。
思考している中里の入り口を守っている一人から連絡が飛んでくる。内容は簡潔でフードをした何者か一名がゆっくりとこちらに向かってきているとのこと。敵意がないわけではないがどうやら現在は争う素振りは見せず代表者を一名呼んでほしいと要求しているようだと。罠かもしれないが変に刺激してことが大きくなるもの避けたいので仕方なくルナベルが一人で向かうこととなった。
~妖精の里 入口~
「申し訳ないが妖精族ではなく人間である私が対応することになるがいいか?」
「おっと…。これは驚いた。まさか妖精族ではなく人間が出てくるとはな……。妖精族は鎖国をして人間との関りを絶ったと思っていたがそうではなかったのか。」
「セリフに対して感情が乗ってないところを見ると予想済みの展開みたいだな?」
「まぁ…うちの主が雇った適当な奴がこの近辺で殺されててね。それを調べて行ったら妖精族のほかに明らかに外部の人間が干渉した形跡が見られたのでまさかとは思ってたよ。」
(こいつ……。底知れない何かを感じる。目的は一体なんだ?)
「それで?あんたがここに単独で来たっていうことは何かしら目的があるから来てるんだろ?大方自身を囮にして仲間に里内に侵入してもらおうとか考えてたっていうところか?」
「おいおい…こんな大掛かりなことして最終的にやるのがそんなみみっちいことなわけないだろ?私が一人で来たのは少しお話をしたくてね?そういった意味では妖精族の代表ではなく君でよかったかもしれないな。」
「どういうことだ?」
「いくつか私から質問をさせてくれ。嘘をついてもらっても構わないが君たちの頑張りのおかげで魔法が使えるようになったからね。私も実は魔法を少し嗜んでいてね、嘘を見破るなんて魔法も使えるわけだから嘘だとわかれば問答無用で空から火球の雨を降らせてあげることも可能だ。妖精族全員で上空の魔法を守れても地上からは私の雇い主の捨て駒が湧いて出てくるからジリ貧で里は陥落してしまう……。なので極力嘘はやめておいた方がいいだろう。」
(ハッタリと言い切りたいところだがこいつならそれを可能とするだろう。騎士団に居た頃同期の魔術師に他愛のない質問をしたことがある。一人の魔法使いで村はともかく町は陥落できるのか?と…。回答はYESだった。前提となる条件次第ではあるが相手が多種多様な魔法を覚えているのであれば外的要因でも内的要因でも滅ぼすことが可能だと。
外的要因は単純に魔法による攻撃だろうが、内的要因とは何かを聞いたところ精神支配という魔法もあるらしくこれを使えばその町の中心人物を操り町民から反感を買い勝手に自壊していくように仕向けることも可能だと……。大袈裟なと当時は笑っていたがこいつと対峙して気が付いた。魔力量が妖精族と引けを取らないこいつにはそれをやれるだけの実力も自信、何よりそういった狂気的な思考をも持ち得ている。)
「わかった私にこたえられる範囲でなら答えよう。」
「物わかりのいいねぇさんで助かるよ。それじゃあまず一つ。なぜあんたはこの妖精の里に居れる?」
「偶然怯えた妖精族の子供と会ったんだ。最初こそ警戒されたけど覚悟を見せて事の経緯を知って今に至る。」
「それじゃあ次の質問だ。妖精族の子供は全部で何人くらいいる?」
「正確な人数は知らん。ただざっと見ただけだと多くても五十くらいがいいところだろう。妖精族は長寿生命体だから子をなすこと自体稀だからこれだけいるのはとんでもなく珍しと言ってもいと思う。」
「では次の質問だ…。トカゲのしっぽではあるがうちの下っ端を殺めた妖精族含め子供はみな魔法がすでに使えるのか?」
「それも知らん。全員が全員使えるかは聞いてもないし私も里のやつら全員に信頼されてるわけじゃないから魔法が使えるかどうかも教えてもらってない。ただ言えるのはその下っ端を殺したやつは確かに妖精族の子供で魔法は使えるな。」
「そうか……。それじゃあ次だ。実は俺は前からある人物を追っていてな。そいつについて知りたくて今の雇い主のところにいるのだが、昔奴隷だった少女について何か知ってるか?」
「質問がざっくり過ぎてどうこたえるのが正解かわからない。もっと具体気に教えてもらおう。」
「確かにそいつは悪かったな。そんじゃあ言い方を変えよう……。つい最近奴隷だったやつがファスト周辺の森で脱走し姿を消した。その奴隷少女について聞きたい。そいつの特徴は白く透明感のある肌をしていて黒髪のボブカット。瞳は空のように青く澄んだ瞳をしていると聞いたのだがどうだ知ってるか?」
「……。えぇ、知ってるわ。」
「そいつは今どこに?」
「少しすれば里に帰って来る。今は私のパーティーメンバーだからね。」
「…そうか。ならばそいつが帰って来るまで私もここで待っていよう。同じ条件に合ったただの他人の可能性をあるからな。私がこの目で見てからどうするかを教えよう。」
「なら私もここであなたを監視する必要があるから待たせてもらおう。」
「あぁ構わないさ。むしろ君のような女性がともに待ってくれるなら時間が過ぎるのもあっという間だろう。」
「そう…。それは良かったわ。」