テラーノベル
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テム、ルジェが主人公です。伝えるの忘れてました。
ある日のいつもの石レンガでできた帰り道を歩いていると、後ろからテムが私の背中に飛び込んできた。
「ルジェーー!!」
聞き慣れた嬉しそうな声に、日常はまだ続いてるんだと、ホッとする。
何でホッとしているかと言うと、少し時間を巻き戻して見てみよう。
この国には、地獄と世界を繋げることができるスイッチがある。大昔に世界の平和を約束する代わりに作られたスイッチだそうだ。
そんなスイッチが、私たちが通う学園にある。そんな噂を信じられず、自分の目で確かめに行ったのだ。
本当は入れるはずもない場所を、テムは軽々と通れるようにできる。魔法だ。
世界の一割の人だけが使えるのだが、テムはそれを使えてしまう。…まあ私もだけど、固有魔法がしょぼいんだよね。
テムが使えるのは、密度変化と、時間停止。私が使えるのが、うん……、透明化。みんなはすごいっていうけど、特に使い道無いよ?
うん、無いよ?本当に。いつ使えと?
まあそんな話は置いておいて、私たちは時間停止と、一応二人で透明化して侵入したんだよね。
そしたら、安っぽいボタンがそこに置かれてた。「noli id tangere」って書かれてたけど、意味はわからない。
「noli id tangere」の文字列を見ながら考え込んでいると、テムが隣で言いはじめた。
「きっとさ、このボタン押すと非日常的なことが起こるよね?楽しそうじゃない?」
そう言い終えると、ポチっと言う可愛らしい効果音と共にボタンが押された。
その後は何も起こらずに授業が始まり、そのまま下校だった。何も起こらないまま今に至る。
これからもそうだといいんだけど…。
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