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「愛のカタチ」
私はこの子がだーいすき。
ふわふわしてて、おめめが丸くて、とっても
あったかい! それにね!みんなとは違う
大きなお耳と、ぽんぽんがついてる!
むかしお母さんにきいたら私の声をよく
きこえるようにするためなんだって!
でもね、こーんなに素敵なのにみんなから
嫌って言われちゃった。
この子の可愛さを分かるのはきっと私だけ!
きっと!きっと、きっと…..
「奇妙な子ね」 「変なやつー!」
「どんな教育をしたのかしたら」
「ばっかじゃないの〜?」「引くわ〜w」
「お前今何歳だよw」
『そんな事無い!』 『うるさい!』
『お母さんは悪くない!』
『馬鹿でも良い!』 『放ってほいて!』
『何歳でも良いじゃない!』
『ッ、!…..なんで?なんで、私は”この子”
を愛しているだけなのに、どうして
こんなにも酷い言葉を言うの?』
『私が誰を愛そうが、誰を好きになろう
が、私の勝手じゃない…!
こんな醜い世界わたし、耐えられない』
アナウンサー (今日のニュースです。
昨晩マンションの屋上から
17歳ほどの少女が転落し、
死亡が確認されました。
死因は自殺とみられています。
そして落ちてきた少女の腕の中には
_______。
昔からぬいぐるみや人形が好きだった。
その中でも小さい頃お母さんがくれた
“クマのぬいぐるみ”が好きだった
お母さんは小さい頃亡くなっちゃったけど、
“この子”が 居たから寂しくはなかった。
小さい時は皆合わせてくれていたけど、
大きくなるにつれて、
批判の声が増えて行った。
お前は今いくつなんだーとか、
頭おかしいとか、散々言われた。
悲しかったけどこの子が傷を癒してくれた
高校に入ってからはぬいぐるみの事は
隠しておいた、馬鹿にされるから。
でもある日、クラスの男の子に
見つかっちゃった。数日でほぼ学校全体に
広まった。
それからは予想通り罵倒や陰口が続いた。
あの子が居ても満たされない。
あれ、なんでだろう前まではこれで我慢
出来たのに。あれ…….?
心にぽっかり穴が空いたみたい
それからは覚えてない。上を見たら綺麗な
夜空、下を見たらとっても高い場所に居た。
けど、怖くない。ただの屋上
誰かがこっちにおいでって、幻聴かな?
あの子が私を見ていた。抱き締めてた。
怖いのかな?そう思ったから私もぎゅっと
抱き締めた。
聞こえるはずもない悪魔の幻聴に
誘われて、私は大好きなあの子と一緒に
) 見て〜!ヤバくない?!高校生の女の子が
屋上から自殺だって!
) え、やば!…見せて
)….なんでくまのぬいぐるみ?
)さぁ、大切…だったんじゃない?
)そうかもね、誰だって1つは大事なもの
あるもんね!
)ねー!
〔どんな君でも愛してるよ、大好き〕