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松田先生の後ろ姿をぼんやりと見つめている陸斗……。
「……ハッ…!」
陸斗はハッとなり、時計を見る。
「うわっ!!!ホームルーム始まっちゃう!!!!」
陸斗は松田先生に「廊下は歩きなさい」と注意されたことも忘れ、再び早足で教室に向かうのである。
教室では、友達も笑いながら話す桃髪の生徒や、黒板に書いてある日付を書き直す赤いヘアバンドの生徒、
机でゆっくりしている金色の髪の生徒や、いろんな生徒がいる。
松田先生は、教室のドアを開けます。その音は静かでしたが、たしかに教室全体に聞こえました。
その途端、スマホを机のなかにしまい損ねた生徒も、話していた生徒も、
黒板の前にいた赤いヘアバンドの生徒も、全員松田先生に釘付けになります。
「…ホームルームを始めます。席に着きなさい。」
松田先生がそう言うと、生徒達は急いで席に戻り、あっという間に全員着席します。
驚いていたのは、陸斗です。
「(あ、あの先生って…さっきの…!!嘘でしょ…?担任なのか…?)」
少し冷や汗をかいている陸斗が見えているのか見えていないのか、松田先生は言います。
「…今日は転校生がいます。…進藤さん、自己紹介を。」
陸斗は名前を呼ばれ、慌てて返事をして前に出ます。
「え、えっと…進藤陸斗って言います!得意なことは…サッカーです!」
まばらな拍手が聞こえます。
その瞬間、陸斗は「終わった」と感じました。
「…席に戻りなさい」
感想も言うわけでもない松田先生。
陸斗は少ししょんぼりしながら席に戻ります。すると、隣から視線を感じました。
「…?」
隣を見てみると、赤いヘアバンドの生徒が陸斗を見つめていました。
「あっ…ごめんね!えっと、君…陸斗君だよね!私楓って言うの!よろしくね!」
楓は陸斗にニッコリと笑いかけます。
「う、うん!よろしく!」
陸斗はさっきまでの絶望が、楓の笑顔によって希望へと変わったのでした