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🤍🌙:つき
🩵:てん
てん目線:
🩵『つき、元気?』
送信ボタンを押した瞬間、後悔した。何を聞いているんだろう。元気に決まってる。でも、この一言しか浮かばなかった。あれから一週間、つきからの連絡はなかった。俺からも送れなかった。送ろうとするたびに、あの夜のつきの寂しそうな顔が浮かんで、指が止まる。『これっきりにしよう』。その言葉が頭から離れない。でも、忘れられなかった。忘れたくなかった。
既読がつくまでスマホを握りしめて待った。何分経っただろう。いつもならすぐに返ってくるのに、今日は遅い。もしかして無視されたんだろうか。そう思った瞬間、通知が来た。
🤍🌙『うん、元気だよ。てんは?』
その一言で、全身の力が抜けた。返事をくれた。それだけで、涙が出そうになった。俺はすぐに返信を打つ。でも、何を送ればいいのかわからない。『元気だよ』だけじゃ足りない。『会いたい』って送ったら、また拒まれるだろうか。でも伝えなきゃいけないことがある。ちゃんと、自分の口で。
🩵『俺も元気。あのさ、話したいことがあるんだけど』
送ってから、心臓がうるさく鳴った。つきはどう思うだろう。迷惑かもしれない。でも、もう逃げたくない。今度こそちゃんと向き合いたい。
🤍🌙『うん、なに?』
🩵『会えないかな。ちゃんと顔を見て話したい』
つきからの返事は、少しだけ間があった。
🤍🌙『わかった。いつにする?』
🩵『明日空いてる?』
🤍🌙『空いてるよ』
🩵『じゃあ前のカフェで』
🤍🌙『うん』
決まった。明日つきに会う。何を話すか、ちゃんと考えなきゃいけない。でも、頭の中はぐちゃぐちゃでまとまらなかった。ただ一つだけわかっているのは、俺はつきのことが好きだということ。友達じゃない。あの夜、つきが『友達じゃないと思ってる』と言った意味が、今ならわかる。俺も同じだ。つきは、友達じゃない。もっと大切でもっと特別で、もっと手放したくない人だ。
その夜は、ほとんど眠れなかった。ベッドに横になっても、つきの顔ばかり浮かぶ。キスした時の感触。『てんが可愛いからだよ』という声。『これっきりにしよう』と言った時の、あの寂しそうな表情。全部が頭の中でぐるぐる回る。俺は、つきに何を伝えたいんだろう。つきと、どうなりたいんだろう。考えれば考えるほど、わからなくなる。でも一つだけ確かなことがある。つきに会いたい。その気持ちだけは、揺るがなかった。
翌日、待ち合わせの時間より早く目が覚めた。何度も服を着替えて、髪を整えてそれでも落ち着かなくて、結局約束の三十分前に家を出た。カフェに着くと、まだつきはいなかった。窓際の席に座って、ぼんやりと外を眺める。ガラスに映る自分の顔は、少しやつれているように見えた。この一週間、ろくに食べていなかったからだろう。でも、そんなことはどうでもよかった。つきに、会いたい。それだけだった。
十分後、つきが現れた。私服でいつもより少しだけ大人っぽく見えた。俺に気づいて、少しだけ笑ってこっちに歩いてくる。その笑顔を見た瞬間、あの夜のことが全部蘇って胸が締め付けられた。でも、逃げちゃいけない。今日はちゃんと話すんだ。
🤍🌙「お待たせ」
🩵「ううん、俺も今来たとこ」
嘘だった。本当は三十分も待っていた。でも、そんなこと言えるわけがない。つきは向かいの席に座って、メニューを開いた。でもすぐに閉じて、俺の顔を見た。
🤍🌙「で、話したいことって?」
単刀直入に聞かれて、俺は一瞬言葉に詰まった。でも、ここで逃げたらまた同じことの繰り返しだ。俺は深呼吸して、口を開いた。
🩵「あのさ、つきが言ったことちゃんと考えた」
🤍🌙「うん」
61
らすく
55
🩵「つきは、俺の立場とかグループのこととか、そういうのを考えてああ言ったんだよね」
🤍🌙「うん」
🩵「でも、俺は」
一度言葉を切ってつきの目をまっすぐ見た。つきの目は、静かででもどこか揺れているように見えた。
🩵「俺は、つきと一緒にいたい。立場とか、グループとかそんなの関係ない。つきが元メンバーでも、俺が現役でもそんなの、俺たちの間には関係ないことだと思う」
言い切った。つきは少しだけ目を見開いて、それからゆっくりと首を振った。
🤍🌙「てん、それはわがままだよ」
🩵「わがままでもいい。俺は、つきが好きだから」
好き。その言葉を口にした瞬間、胸の奥が熱くなった。ずっと言いたかった。ずっと伝えたかった。つきは、息を呑んだ。そして少しだけ目を伏せて、それからまた俺を見た。
🤍🌙「てん、俺もてんのことが好きだよ」
その言葉に、俺の心臓は止まりそうになった。嬉しかった。本当に嬉しかった。でも、つきの顔はどこか悲しそうで。
🤍🌙「でも、だからこそ、今は一緒にはいられない」
🩵「なんで」
🤍🌙「てんがあのグループでこれからもやっていくって決めたなら、俺が近くにいるのはてんの足枷になる」
🩵「そんなことない」
🤍🌙「あるよ。俺は元メンバーで、グループを抜けた人間だから。俺がてんの相手になったら、周りはなんて言うかわからない。てんが今まで積み上げてきたものを壊してしまうかもしれない」
🩵「俺はそんなの気にしない」
🤍🌙「俺が気にするの」
つきの声は、静かで、でも強い意思を感じた。俺は黙った。唇を噛んで、俯いた。つきは続けた。
🤍🌙「てんが、グループを辞めてでも俺と一緒にいたいって言うなら、俺は嬉しいよ。でもてんはそういう人じゃないでしょ。グループのことを大事にしているてんを、俺は知ってるから」
その言葉が、胸に刺さった。図星だった。俺は、グループを辞めるつもりはない。メンバーも、ファンも大切だ。でも、つきも大切で。どっちも選べない自分が、情けなかった。
🩵「つきはずるいよ」
🤍🌙「うん、ずるいね」
🩵「俺、つきのこと忘れられないよ」
🤍🌙「俺もだよ」
🩵「じゃあ、なんで」
🤍🌙「てんのためだから」
🩵「そんなの、俺は望んでない」
🤍🌙「わかってる。でも、俺がそうしたいの」
つきの目が、少しだけ赤くなっていた。泣くのを我慢しているんだろう。俺も、涙が出そうだった。でも泣いたら負けだと思った。つきは、俺のためにこんなに苦しんでくれている。だったら、俺もちゃんとしなきゃいけない。
🩵「わかった。つきがそこまで言うなら、俺、頑張るよ。グループでちゃんと自分の場所を見つける。だから、」
つきの目をまっすぐ見て、言った。
🩵「その時は、また会ってくれる?」
つきは、少しだけ笑った。いつもの優しい笑顔だった。
🤍🌙「うん。その時は、ちゃんと迎えに行くよ」
🩵「約束だよ」
🤍🌙「うん、約束」
指切りをした。つきの指は少し冷たかった。でも、その冷たさがなぜか心地よかった。店を出て、駅まで歩く。途中つきが言った。
🤍🌙「てん、ありがとう」
🩵「なにが」
🤍🌙「ちゃんと、自分の気持ちを伝えてくれて」
🩵「当たり前でしょ」
🤍🌙「うん。だから、俺もちゃんとしなきゃね」
🩵「つきは、十分ちゃんとしてるよ」
🤍🌙「そうかな」
🩵「うん。俺、つきに助けられてばっかりだよ」
🤍🌙「ふふ、お互いさま」
駅に着いて、別れた。改札を入って一度振り返る。つきは、まだそこに立って手を振っていた。俺も手を振り返した。つきの姿が見えなくなるまで、何度も振り返った。家に帰る電車の中で、俺は何度もつきの言葉を思い出していた。『その時は、ちゃんと迎えに行くよ』。その約束が、今の俺の支えだった。いつかその時が来るまで。俺は、頑張らなきゃいけない。自分の場所を、ちゃんと見つけるために。
家に着いて、ベッドに倒れ込む。スマホを開いて、つきにLINEを送った。
🩵『今日はありがとう。約束、忘れないでね』
すぐに返事が来た。
🤍🌙『忘れないよ。てんも、頑張ってね』
🩵『うん。おやすみ』
🤍🌙『おやすみ』
スマホを閉じて、天井を見つめる。つきの顔が浮かぶ。泣きそうだった顔。でも、最後には笑ってくれた。それだけで、俺は十分だった。いつかちゃんと迎えに行くと言ってくれた。その言葉を信じて、俺は頑張ろうと思う。つきに負けないくらい、自分の道を歩こう。そう思って、俺はゆっくりと目を閉じた。今夜は、よく眠れそうな気がした。
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つづく
リクエストなどあったらコメントしてみてください〜😊(ペア名書いて!)