テラーノベル
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ゆ。
#別の人の彼女になったよ
ゆ。
#今作は友達以上恋人未満じゃ無いです(´>ω∂`)☆
「あれ、なにしてんの?」友人に送るメッセージを撮ると、そう伝えていたはずなのに、彼はニヤつきながら部屋に入ってきた。
「……別に、なにもしてねぇよ」
少し笑いながらそういえば、ステファンは少し困ったように笑った。
「嘘つけ、メッセージ撮ってんだろ?……俺も手伝ってやるから、ほら、どうしたいのか教えてくれよ」
重なる手が、彼の体温を含んでいるかのように温かい空気が、ただでさえ回らぬ頭を壊していく。
「えっと……最後の方はなにも映らないようにする的な感じなのは決まってて……」
俺が口をまごつかせながら言えば、ステファンはゆっくり話していいから、と頭を撫でてきた。別に、俺はこんなことを求めるほど子供ではない。だが、彼の体温を髪の毛越しに感じられることが嬉しくて、彼の手に頭を寄せた。
「ステファン……なぁ、キスしても……」
「取り終わったらご褒美にな。……それ以上のこともしてやるから」
振り向きながらウィンクをする彼は、いつものナルシストのような、それでいて妖艶な雰囲気を纏っていた。
「ご褒美……か、ふふっ」
未だ口付けをしていないのに、俺はキスを終えたあとのように唇を撫でていた。ステファンはそれを見て去ろうとしていたのを辞め、笑いだした。
「はははっ!……まだしてないのに、どんだけ期待してんだよ」
その笑い方は、先程の妖艶な雰囲気を壊すかと思いきや、さらに倍増させていてこの男が恐ろしくなった。
「陸……頑張れよな」
ステファンのことを考えているうちに、もう彼は目の前にいて、俺のことをさらに期待させるかのように頬に口付けをしてきた。
「……おう、もちろん。いちばんおもろい挨拶してご褒美もらうわ」
ふざけて笑いながら言う。
「陸にならできるよ、応援してる」
部屋に温度を残したまま、彼は去っていった。部屋が冷めていくのが恐ろしくて、俺は急いで動画を撮った。しばらくしてステファンが手伝うと言っていたのを思い出し、裏切ったな、という気持ちも出てきたがまあいいとしよう。それで喧嘩になるよりかは、ご褒美を予定より多く貰う方が俺としても嬉しいのだ。
「ステファン、撮り終わったよ」
俺が彼のいるであろう部屋に向かい、そう言えば、ステファンはお疲れ様なんて言いながらお茶を差し出してきた。
「……なあ、ご褒美のこと忘れてないよな?」
ステファンは肩をビクリと震わせて目を逸らす。誤魔化すつもりだったのか? そう聞く気にもなれなかった。彼と近づくと我慢できなくて、余裕がなかったのだ。
「……言わなくても陸からしてくるだろ?」
「……はぁ、まあそうだけどさ。……なあ、キス以上のこともしていいんだろ?」
俺が彼の頬に触れれば、彼は目線を下に落とした。
「……もちろん」
そんな彼の声が響いた頃にはもう、彼はまっすぐこちらを見つめていたが。目をしばらく合わせているうちに熱が体を支配して、どうしようもなくなってきた。それは彼も同じらしく、俺たちはどうしようも無い熱を、この夜に吐き出した。
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