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その日の放課後。
吉田「さっきの話だが」
山中「はい?」
吉田「なんであんなこと聞いたんだよ」
山中「別に」
吉田「別にじゃないだろ」
山中「気になっただけです」
吉田は少しだけ考えるように黙った。
吉田「……山中」
山中「はい」
吉田「お前、好きなやついるのか」
心臓が跳ねた。
山中「……いたらどうします?」
吉田「いや、別にどうもしないけど」
山中「じゃあいいじゃないですか」
吉田「気になるだろ」
山中「先生も人のこと言えないですよ」
吉田「何がだよ」
山中「鈍いって話」
吉田「だから何にだよ」
俺は小さく笑った。
山中(ほんとに気づかないんだな)
季節は少しずつ進み、夏が近づいていた。
放課後の教室は、少しだけ暑い。
生徒「先生、エアコンつけていいですか」
吉田「まだ早い」
山中「死にますって」
吉田「大げさだな」
山中「ほんとに無理」
吉田「仕方ないな….」
リモコンを手に取る吉田。
山中「やった」
吉田「その代わり集中しろよ」
山中「善処します」
吉田「しろ」
山中「ここ違いますよ」
吉田「どれ」
山中「この計算」
吉田「 …….あ」
珍しく吉田が間違えた。
山中「先生でもミスするんですね」
吉田「人間だからな」
山中「完璧かと思ってました」
吉田「そんなわけあるか」
山中「ちょっと安心しました」
吉田「何がだ」
山中「先生も普通なんだなって」
ふと、目が合う。
吉田「……」
山中「……」
逸らせなかった。
時間が止まったみたいに、見つめ合う。
先に動いたのは吉田だった。
吉田「…..続きやるぞ」
山中「……はい」
山中(今の、やばい)
心臓がうるさい。
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