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unreachable love

4 - 第4話

♥

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2022年09月02日

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jkside


次の日、僕はいつもよりずっと早い時間に家を出た


あいにくの雨で、いつもだったら行きたくなくてだらだらするけれど、


今日は一瞬で支度をして、家を飛び出した


朝からヒョンと話せるなんて、夢のような話だったし、

あまり人がいない時間に正門を通りたかったからだ


待ちきれなくてバスからヒョンの姿を探すと、

バス停の屋根の下に1人、柱にもたれかかって待っている彼が見えて、


バスが止まるなりかけ降りた


🐣「おはよ、グク」


僕の姿を見ると、ふわっと微笑み、


触っていたスマホをしまって、手を差し出してきたヒョンにドキドキする


🐰「ん、おはよっ、、//」


遠慮がちにその手を握ると、きゅっと引っ張って強く握り返してきて思わず頬が緩んだ


🐣「まだ時間あるし、図書室でも行って一緒に勉強する?」


なにそれ、、最高、、、


🐰「そうするっっ」


🐣「よし、行こっ」


自分の傘をさそうとしたら、手を押さえられた。はてな顔で見ると、


🐣「1個で十分でしょ?」


そう言って、ヒョンは自分の傘を開き、

横に入るように促した


🐰「わああ、好き//」


🐣「心の声漏れてない?ㅋ」


嬉しくって、僕はヒョンが傘を持ってる腕に、自分の腕を絡めてぎゅっとくっついた


雨の壁が2人だけの空間を作ってくれているようで、周りの目は少しも気にならない


ずっとこのまま2人で雨に紛れていたいと思うほどに気持ちが楽で、幸せだった





図書室には、司書さん一人しかいなかった。


ペコッと2人で挨拶して、窓に沿って並んだカウンター席に、1番奥のふたつを選んで座る


少し腰を浮かせて覗くと、傘を指した生徒が正門から入ってくるのが見える





🐣「グクは何の教科が得意なの?」


🐰「んー体育、、」


🐣「ㅋㅋㅋ

そっかそっかㅋ」


ヒョンと囁き声で話すのが楽しくて、ニコニコが止まらない


🐰「だってテストとか難しいから、、」


🐣「ㅎㅎ

じゃあこれから毎日朝ここに来ようか?

そしたら僕が分からないとこ全部教えてあげる」


それを聞いて、僕はこの人が、なんでもできる秀才であることを思い出す


🐰「そんな、、いいの?」


🐣「うん、僕も受験だしいい復習になるし。

てかまずグクと居れる時間増えるなら何でもするㅎ」


🐰「やったあ、ヒョン大好きっ」


🐰「じゃあ今日は数学教えてよ、」


🐣「どれどれ、どこやってんの今、、


ああこれ、難しいよね、わからんとこ言える?」


🐰「ここがこうなるのが、、、」


🐣「あ、結構いいとこまで分かってるじゃん、

えっとね、、」


ヒョンはとっても教え上手だった


沢山褒めてくれるし、分からないとこは分かるまで嫌な顔1つしないで教えてくれた





🐣「頑張ったね、1年生でここまでできてたら十分だよ


もうちょっとやってたいけど、そろそろ行かないと、」


🐰「ほんとだ、なんか時間が早かった、」


図書館から出てお別れかと思ったら、ヒョンは教室まで着いてきてくれた


並んで歩くと、廊下に出ている同級生にまじまじと見られて顔が火照る


🐣「じゃあ、ここまでね、

部活終わったら、また一緒に図書室行く?」


🐰「行きたいっ、終わるの待ってるね」


🐣「うん、じゃあね、」


ぽんぽんっと僕の肩を叩いて、ヒョンは去っていった


ヒョンが見えなくなった瞬間、親友が寄ってくる


🙍‍♂️「お前、あの後何があった?」


🐰「付き合っちゃった、、//」


何を言われるかと伺うと、親友はぱーっと笑顔になった


🙍‍♂️「すごいじゃんっっおめでとっ

付き合ってくれるかなぁって待ってたんだよ、、すごいなあグクっ」


🐰「あ、ありがと、嬉しい」


どうやらその親友が教えてくれた話では


僕とヒョンはお互い、元々、あの可愛い1年生、あの完璧な3年、ってなかなかの有名人だったらしく、


その2人が付き合ったかもしれない、という噂は、昨日と今日の朝だけで、ものすごい早さで学校中を駆け巡ったらしい


図書室にいたから分からなかったけれど、このクラスにも、ヒョンの友達らしい人とかが僕を覗きに来ていたとか、、


嬉しいと言うよりなんだか怖かった。

ヒョンは人気者だ。ヒョンのことを好きだった女の子を全て敵に回してしまったような


事実、朝入った時から、ダンス部の女の子はこちらを睨みつけるような視線を絶えず送ってきている





恐れていたことは、少しずつ起こっていった


その日の昼休み


親友がトイレに行くと言って教室を出た途端、


僕の前に、例の女の子が立った


🙎‍♀️「ねえ、本当にジミン先輩と付き合ったの?」


🐰「う、うん、、」


🙎‍♀️「なんで、なんで男同士なのに、、、そんなのただのおふざけでしょう?冗談やめてよっっ」


急に胸ぐらを掴まれて、僕は血の気が引いた


教室中の視線が僕らに集まる


🐰「ご、ごめん。でも、、」


🙎‍♀️「気持ち悪いっっ謝るくらいならさっさと別れなよっ

私が好きなジミン先輩を汚さないでっ」


🙍‍♂️「お、おいっ、何言ってんのお前、」


トイレから戻ってきた親友が、駆け寄ってきて、女の子の手を取った


パッと手が離れて解放される


🙎‍♀️「触らないで!グクくんといるあんたも同じなんでしょっっ」


泣き出したその子は、教室から飛び出した

数人の女の子が彼女を追いかけたが、ほとんどの子は呆気にとられていた


男女が恋のライバルとして揉める


そんな話聞いたことも無いし、僕が周りの立場だとしても固まってしまうだろう


親友以外は、興味が無いのか、それとも関わりたくないのか、、多分おおよそ後者の方だが、その後一切その事に触れては来なかった


親友だけが、俺はお前の味方だ、と言ってくれたのが救いだった


でも、僕がこのクラスの雰囲気を冷やしきってしまったのが分かって、すぐにでも帰りたいくらいになっていたのが本音。


午後の授業も、いまいち盛り上がりがなく、

元気なのが取り柄だった僕らのクラスは先生たちに心配されてしまった


その元気の源だった例の女の子は、ぶすっとして、なにもありません、と冷たく答えるから周りもどうしていいか分からなくなっていた



やっと教室から出れる時間になった時、

僕は気持ちが張り詰めすぎていて、机に突っ伏した


🐰「やっぱ、、だめなのかな、、」


🙍‍♂️「何言ってんの、ここまで来て諦めるとか

意味わかんなすぎて俺が許さないから」


ボソボソ言っていたら、前の席の親友に、ペシっとノートで頭をはたかれた


🐰「だって、、僕みたいのが恋しちゃだめなんだよ、見てるだけにすればよかった、、」


🙍‍♂️「あーもうっ、、あとで先輩に慰めてもらいな、そしたら気分変わるって。ほら、とりあえず部室行くぞ。」


顔をあげようとした時、横を彼女が通ってガンっとわざと僕の机を蹴った


僕は飛び起きて、恐る恐る彼女を見つめる


🙎‍♀️「それが分かってんなら早く別れなよ。」


一瞬ピキっと教室の空気が固まったが、その子は何事も無かったかのように去った


🙍‍♂️「お前、やっぱ、危ないかもな、、」


ぼそっと呟いた親友の言葉の意味は、僕にも分かっていた




沈んだ気持ちでやっとのことで部活が終わる


何人かの部活の先輩たちにも、ヒョンとのことを聞かれたが、ほとんどの人が受け入れてくれてるみたいで、


さっきまでの気持ちは少しマシになっていた


なにより、前からヒョンが好きだったということを、意外とたくさんの人に気づかれていたのが驚きだった


優しい人達もいるし、ヒョンもいるから大丈夫だ、と言い聞かせて、ダンス部の方をちらっと振り返る


ヒョンは昨日までと同じように、華麗に踊っていて、胸が高鳴った


🙍‍♂️「グク、今日はジミンさんと?」


親友は、少しヒョンに親近感を覚えたのか、ジミン先輩、からジミンさんに呼び名に変わっていた


それだけ応援してくれてるのだと思うと、この子ならなんでも話せる、と僕は心の中で安堵する


🐰「うん、勉強教えてくれるって言うから、//」


🙍‍♂️「いいなぁ、あの天才に教えて貰えるなんて、、じゃあおつかれ!」


🐰「おつかれ〜」


暇だった僕は昨日までと同じように、ステージの隅に座ってヒョンを眺めた


昨日までと違うのは、、


しばらくして、活動が終わったらしいヒョンが、”こちらを向いて手を振ってきたこと”



そっと手を振り返すと、遠くにいるけれど、ヒョンが笑っているのがわかった


そしてすぐ近くに立つあの女の子がじっとこっちを見ていることも。


それは見ていないふりをして、ヒョンに視線を戻すと、僕に気づいたヒョンの仲間達が、

ヒョンのことをからかうように小突いているのが見えた


嬉しそうにしているヒョンを見て幸せになった僕は、いそいそと、空っぽの部室に戻り、帰り支度をした



どこで待っているか迷って、

連絡しようと座ってスマホをいじっていた時、


🐣「グガ、おつかれ」


声の方を見ると、ヒョンが立っていた


彼は制服ではなく、ダンスしていた時の服装で、かっこよくて思わず見とれた


🐣「どした?グク?」


🐰「かっこいい、こんな近くで見れたの初めて、//」


遠くから見てもかっこよかったけれど、近くで見ると、その着ているもの全てがヒョンに馴染んでいて、なんかもう全部完璧だった


扉を閉めてこちらに来たヒョンが、ぽーっと見とれたまま僕の、顎をくいっと持ちあげた


🐣「人をすぐ褒めてくれるグガにご褒美ね、」


そう言って唇を重ねられ、舌を絡められた


🐰「ン、、ふ、、ンア、、」


ずっと憧れだった格好のヒョンに、こんな気持ちのいいキスをして貰えて、僕は夢見心地だった


🐰「プハ、、、ハァ、、ヒョン、、あんまかっこいいのだめ//」


🐣「ㅋㅋ

キスしてごめんね、可愛かったからㅎ


先に図書室移動しようと思って着替えずにきたんだけど、、落ち着いた?もう行ける?ㅎ」


🐰「うん、、//大丈夫、、//」


言いながら僕は自分の顔が真っ赤なのが分かった



放課後の図書室も、朝と同じくらい静かで、

安心した

端っこの席は他の人から見えにくいから余計に、気持ちが緩む


🐣「じゃあちょっと、トイレで着替えてくるから、待っててね」


🐰「はーい、いってらっしゃい」




しばらく1人で勉強してたところ、


隣に誰かがそっと座った


はっと顔を上げると、綺麗な女の先輩が、こちらを向いて座っていた


🙎「こんにちは、グクくん、だっけ?」


🐰「は、はい、、こんにちは、、」


その人が言うには、どうやらダンス部の女子キャプテンらしかった、


男子キャプテンのヒョンの、ペアだと思うと少し嫉妬が生まれた


彼女はあの例のクラスの女の子から、僕らのことを聞いたらしく、

今も、僕らを着けてきたのだと言う


何が目的なのかわからなくて黙っていると


🙎「あのね、ジミンくんは、私達女子にとってアイドルみたいな存在なの。


お互い話し合いながら、何とか憧れの存在って位置づけで付き合わないように耐えてきたわけ。」


その言葉でわかった。この人も、あの子と同じなんだ


椅子ごと少し後ずさると、手首を掴まれてビクッとする


🙎「それなのに急に付き合ったとか言われて、ましてや、それが男だなんて、、こっちは信じられないのよ


おふざけはやめて、ジミンくんのイメージが崩れてしまう前に早く離れて欲しいの」


🐰「嫌です。僕はヒョンのこと本気で好きだから。」


はあっ、とため息をついた先輩が、キっとこちらを睨んだ


🙎「いい?ダンス部の女子は全部で25人よ。


彼女たちは私の言うことはなんでも聞くの。

覚えときなさい。」


直接的には言わなかったが、脅しだとすぐに分かった


困りきって、彼女の後ろに目をやると、制服姿になったヒョンが、怖い顔をしてこっちに戻ってくるのが見えた


視線に気づいて、彼女も振り向くと、すぐに僕から離れて立ち上がった


耳元に彼女の顔が近づいたと思ったら


🙎「まだ間に合うのよ、ちゃんと考えてね」


彼女は、その冷たく低い声とは似ても似つかない声で、ヒョンに話しかけた


🙎「ジミンくん!おつかれさまっ」


🐣「うん、おつかれ、

僕のグクになにか用でもあった?」


“僕のグク”という心地いい響きに、嬉しさで頬が緩む


🙎「ううん、男子たちが2人のことで騒いでたから気になっちゃって、話しかけただけよ」


🙎「でも、、付き合ってるだなんてただの噂よね、男同士だし、、ほんとはどんな関係なの?」


彼女は嫌味を言うように言った


🐣「事実だよ。僕があいつらに話したんだから。


もしかして僕らの関係否定してる?それなら余計なお世話だから、早く帰ってくれない?」


有無を言わせない言い方のヒョンは、強かった


気まずそうな顔をして、去っていった彼女を見送り


僕はヒョンがかっこよすぎて、うるうるした目で見あげた


🐣「なに言われた?大丈夫?」


心配そうな顔で僕の頭を撫でながらヒョンは隣に腰掛ける


🐰「ううん、大丈夫。ヒョンが守ってくれたから」


🐣「ほんとに?ちゃんと言ってよ?」


🐰「ほんとだよㅎㅎ

心配しすぎ、ね、ここ教えて、」


あんな素敵に守ってくれたヒョンにこれ以上のことは言いたくなかった


だって本当に、心から、ヒョンが隣に居てくれればそれでいいって思ったから。





jmside🐣


きっと何かを言われたのだろうけど、グクは答えてくれないし、

忘れたいのかなと思うと、僕もそれ以上聞けなかった。




勉強を終え、すっかり薄暗くなった、正門までの道を、手を繋いで歩いた


何人かの人が僕らを追い越したり、先生の目もあったけど、気にしてはいられなかった


なんだかグクが泣きそうな顔をしてる気がしたから


🐣「ねえグク、僕にして欲しいことない?」


🐰「なんで?もういろいろしてもらってるよ」


🐣「いいから、なんかない?」


何かしてあげたかった。なんでもいいからグクのためになることを


また泣きそうな顔をしたグクが、遠慮がちに答えてくれた


🐰「じゃあ、バス一緒に乗ってくれない?

だめ、かな?」


あまりにも可愛くて僕は笑った


🐣「そんなこと、毎日でもしてあげるのにㅋㅋ

いいよ、着いてく」


🐰「毎日はだめ、ヒョンが疲れちゃうㅎㅎ」


でも、嬉しそうにきゅっと手を握ってくれるグクが可愛かった




バスに乗ると、グクは僕に通路側に座って欲しいと言った


元からそのつもりだったけど、頼まれたのが不思議で、怖い人でもいるのかと聞くと、


ヒョンに守って貰えてる感じがするから、と言ってグクは笑う


この子は定期的に、どうしようもなく抱きしめたくなるから困る



聞いてみると、グクは毎日バスだけで1時間くらいかかるらしい。

終点までだから寝たいけど、誰かに物を取られるのが怖くて寝れないんだとか、、


そんな他愛もない話をしながら、しばらくバスに揺られていたら、



グクの頭が傾いて、僕の肩に寄りかかった


🐣「グガ、寝たの?」


返事はなく、微かな寝息が聞こえた


僕はグクがもたれ掛かりやすいように体の位置を少し動かして、頭が落ちないように気をつけた


覗き込むとあどけない顔で寝ているから、

まだこの子は16歳なんだな〜と

思って微笑ましくなる


無防備に落ちたグクの手をそっと握って、終点までの2人だけの時間を楽しんだ




jkside🐰


僕らはずっと幸せだった


朝と放課後は毎日のように図書室に通って、

司書さんに覚えてもらえるほどになったし、


ヒョンは、たまに僕がバスに乗るのに着いてきてくれて、肩を貸して寝かせてくれた


土日にはヒョンの家に泊まったこともあったし、デートもした、

とにかく恋人同士がすることは全部。


先生たちもあれだけ生徒が噂していたからか、流石に僕らのことに気づいたみたいだったけれど、

ここまで何も言わないでいてくれている


きっとヒョンが校内きっての優等生だからだと思う


僕も、ヒョンとのことを受け入れてくれる子が増えて、ヒョンがいない時間も気楽に過ごせるようになっていた



そんな中、事件が起こったのは、

付き合ってから3ヶ月くらいが経った頃


その日は肌寒い秋の日だった。

ヒョンがをインテラエンザにかかって、1週間くらい休んでしまっていた、


その3日目のこと




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