テラーノベル
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((春の昼下がり。校庭の端。卒業を控えた穏やかな午後))
((🐶が🐰の制服の袖をつかんで、小さく笑う))
🐶「なんかさ、こんなに穏やかな時間、信じられないよ」
🐰「何が?」
🐶「ちょっと前まで、不安と嫉妬で、毎日ぐちゃぐちゃだったじゃん」
🐰「まあな。俺も、あの頃のおまえにはよく泣かれた」
🐶「ヒョンがあんなにも優しい顔してくれるって、思ってなかった」
🐰「それは……おまえが根気強かったからだよ」
🐶「でも、もう泣かないよ。ヒョンの隣にいるこの場所は、俺のもんだから」
🐰「……独占欲、強すぎ」
🐶「ヒョンも、俺だけ見ててね」
🐰「見てるよ。ずっと、ちゃんと」
((ふたりが目を合わせる。そこにもう、不安はなかった))
((数メートル離れた木陰で、🐿️ハンがひとりで空を見上げている))
🐿️「……よかった、ちゃんと“終わらせて”くれて」
((手元の卒業アルバムをパタンと閉じる))
🐿️「俺の恋は終わった。でも、あいつらの恋は、これからだ」
((ハンは静かに歩き出す。春の風が、そっと彼の髪を揺らした))
((再び校庭。🐶と🐰が並んで歩きながら))
🐰「なあ、卒業しても、ちゃんと隣にいてくれるか?」
🐶「うん。ヒョンが迷わないように、俺が手、ずっと握ってる」
🐰「……頼もしいな」
🐶「それが俺の仕事だもん。ヒョンの“となり”が、俺の居場所」
🐰「……ありがとう」
🐶「こっちこそ」
((ふたりの手が、やさしく重なり、春の陽に照らされる))
🌸**― end ―**🌸
「きみの隣にいられたなら」完結
ここまで読んでくれてほんとにありがとうございました 💐
希望があれば、「ハンのその後の番外編」や「数年後の再会」「社会人編」なども書きます