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元貴視点
もう冬になる。
君の匂いを思い出す。
僕から別れたのに。
今日も、独りで寂しいと思ってしまう。
僕の隣に君はいない。
『元貴〜』
『元貴っ!』
『もときぃ、』
「…」
今日も、ただ
“独りで寂しい”と君の前で思ってしまう。
君のその優しい愛は僕には美しすぎるんだ。
あの日僕は、
「バンド、やめよう。」
『え、』
「あくまでも、僕ら中学生だったし。」
「僕ら高校離れるでしょ。」
『…うん』
「続けるのは難しい、と言うか出来ない。」
「僕はこのままデビューする気はなかったから。」
『そっ、か。元貴がそうしたいなら、いいと思うよ。』
「…うん。それじゃあ、バイバイ。」
『おうっ、高校っ頑張ってね。またな!』
「…ごめん、」
僕を許してくれなくていい。
僕が愚かなままでいい。
でも、ただ心が凍えそうなんだ。
温めてくれるだけでいい。
『え!まじ!?スタジオ連れてってくれんの!』
君の喜ぶ顔も、
『…っ、ごめん。』
泣きそうなその瞳も、
『元貴!』
僕を呼ぶ声も、今も生きているんだ。
君は僕を置いていくんだ。
いや、僕が置いて行ったのかな。
でも、君は進んでいくのに未だに
「っ…あゝ」
僕だけ歳を取らずに、止まってるようだ。
『、元貴?』
今日もただ
“独りで寂しい”と
君の前で思ってしまう。
君のその優しさでも、
僕は傷を負ってしまうんだ。
「若井…」
神様どうか、答えて…
君を愛せていたか解らないんだ。
名誉じゃなくていいい、
お金なんかは後でいい、
君が上手なままがいい、
『!』
『えへへっ、笑』
孤独を分かち合えればいい。
「…」
ぎこちないキスも、
「、っはぁ…」
『んっ…///』
涙した理由も、
「バンドやめる。」
『え、』
『3年間、ありがと。』
『うん…ありがとうっ泣』
僕はサヨナラに
慣れすぎたようだ。
心のハグも、
『ん、ハグしたいの?笑』
プレゼントも、
『これ、元貴に似合うと思ったんだよね!』
何一つ返せていないのに。
今日も、ただ
“独りで寂しい”と
君の前で思ってしまう。
君のその優しさは
余りにも、
僕には美しすぎる。
神様どうか、伝えて…
“君に愛されていた事”に気付いたんだ。
教会の鐘が鳴り響いた。
僕の魂は知って居るんだ。
考える。
本当の愛って、こんなんじゃないんだろうか。
出会った意味をも数えたら
キリがないけど、、
“君はもう居ない”
今日も、ただ
“独りで寂しい”と
ベッドの中で思ってしまう。
誰かのその優しさでも
僕は傷を負ってしまうんだ。
今頃っ…僕は僕は
“君を愛していた事”に気付いたんだ。
あれも、あの事も、
全てが昨日のように感じるんだ。
「…っう、泣」
寒い。そりゃあ冬の夜は寒いか。
もう、高校が終わる。
あれから3年も経っているはずなのに、僕の心は変わっていない。
馬鹿らしい。僕が突き放したも同然なのに。
また、君と…なんて、ね。
期待をしすぎると負けるんだ。
まぁ、今日の今日まで勝った事なんてないんだけどね。
でも、この声が君に届いているのなら
「この声で歌わずに…すむのになぁ、」
『、元…貴?』
「若井…?」
「久しぶりじゃん。背、伸びたね。」
『あっ、うん。』
『まさか、あれから地元の駅で会うなんてね。』
「すげーよな。」
若井はギターを背負っていた。
もしかしたら、、期待をしてしまった。
「…今でもギター、やってんの?」
『ぅん…』
「そっか。」
「僕さ、これから本気のバンドやろうと思ってるんだけど。」
「若井、やらない?」
『っ…泣、やるっ!』
「ふっ、何で泣いてんの笑」
『なっ、泣いてなんかねぇし!』
ぐしぐしと、袖で顔を拭く若井。
あゝ、こうでよかった。
いつのまにか僕の隣には若井がいる事が普通になっていた。
ありがとね。若井。
それから、バンドを結成して。
今、僕は皆んなに「they are」のデモを聞かせた。
皆んな放心状態。
「どうだった?」
山中)…すっごく、いい曲だね!
高野)やべぇ、俺鳥肌たった。
藤澤)うぅ、ずごいねぇ…泣
『涼ちゃん笑、泣いてるじゃん。』
『今回もすげぇ曲だな。』
山中)ねぇ!恋愛の曲じゃない?これ!
高野)確かに…
「これ、俺の実体験だよ。」
皆)まじ?!
藤澤)えぇ〜そうなの!
山中)誰だぁ〜!
高野)すげぇ…
『初耳!誰だろ!』
「ふふ、笑」
若井だ…何て、絶対言わないけどね。
その後、僕と若井が付き合う事になるのはまた別のお話。
終了!読み切りですね。
they are…むちゃくちゃ好き…❤︎
真相やばかった…
天国もやばい…
5月2日が楽しみすぎる!
次回作もお楽しみに!
コメント
3件
はっ … うわ … ッ 😭😭😭 ねぇねぇ!! 絶対 短編集作った方がいい!