KAITOの声は驚いてるようだった
『マスター!戻ってきてくれたんだ。おかえりなさい』
「ただいまKAITO」
僕の病気をKAITOに話した。
『なんで今まで無茶したんだ!』
「……ごめん」
初めて怒られてしまった。
でも、すぐにKAITOは許してくれる。
『……マスターと長くいれるなら嬉しい』
「僕も……そう思う」
他愛もない会話や辛くてやめたくなる治療も頑張って生きている。体の調子が良くなって治療方針転換を考えていた頃。
疲れて僕はずっと寝ていた。
『マスター?起きないの?』
僕は重い瞼を開ける。
「KAITO……僕、ずっと眠くてさ、朝になったら起こしてくれる?」
『……分かったマスター。朝になったら起こすね』
次の日の朝
『マスター、起きて』
起きなかった。
『マスター?』
『マスター、起きて!!!』
『マスター!!』
その声を聞いて家族が部屋に来る。
……息をしてない。体が冷たくなっていた。
初めて大切な人の【死】に触れた。
『……マスターは起きないの?』
『マスターにさよならを伝えてない』
あれ、機械なのに心が締め付けられる
これがマスターの教えてくれた【悲しみ】?
マスター、永遠のお別れ……だね。
さよなら。マスター。