テラーノベル
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家までの道のり。
並んで歩く足音が、夕暮れの静けさに溶けていく。
会話は少なかったけれど、沈黙が嫌ではなかった。
むしろ、その沈黙の中で――隣にいることを強く意識してしまう。
「……妹ちゃん」
呼ばれて顔を向けると、悠真は少し照れたように目を逸らした。
「重くないか? 袋」
「あ、大丈夫です」
そう答えながらも、胸の鼓動が速くなる。
――ほんの些細なやり取りなのに。
昨日までと違う空気が、確かにここにはあった。
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