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「ア、アイビー?な、何を言って……」
「一緒に死ねば、あの世でも一緒にいられるんだ。ずっと一緒なんだよ。離れなくていいんだ。スカビオサ、その方がいいでしょ?」
どうしよう、先程まではアイビーがうさぎのように見えたのに。
今は餌を求める狼のようだ。
「なんなら今から心中する?ちょうどスカビオサの後ろにあるしさ」
アイビーがそう言うと、僕の背中は窓の縁に押し付けられ、銀の部分が僕の肉と骨を圧迫した。
どうしようもなくアイビーが怖い、どうしよう、どうもできない。
「アイビー?やめてよ、冗談よそう。こんなの笑えないよ」
「愛してる、スカビオサ。大好きだ。離したくない、離して欲しくない、ずっと私に縋ってほしい。私から離れないで。私だけの私色のスカビオサにしたい。死ぬほど愛してる。死んでもいいよ」
ダメだ、本能的にそう思う。
今、目の前のこいつはアイビーじゃない、違う、絶対に、アイビーはこんな事しない。
やめてくれ、お願いだから。
「やめろよ!!!痛い!!!怖いよ……アイビー……」
「……っ、ご、めん。やりすぎちゃった……怖かったよね??ごめん、ごめんごめんごめん」
「うっうぁぁあ、背中痛いよぉ……寒いよぉ……怖いよぉ……アイビーが怖いぃ……」
「そ、そんな事言わないでよ……悲しいじゃないか」
ダメだな、僕。
アイビーを守りたいとか言いながら、結局アイビーに泣きつくしかないんだ。
男なのに情けない、でもこの涙は停められない。
「アッアイビーが、アイビーじゃなくなるみたいで……こっ、怖くて……」
「……どんな私であろうと、スカビオサは、受け入れてはくれないのかい?」
「怖いアイビーは嫌だよぉ……優しいアイビーがいいよぉ……うぅ」
「……そうか、ごめんね」
アイビーの声色が悲しく聞こえた気がしたが、僕にはそんなこと気にする余裕がなかった。