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「 こんにちは 担当します 若井です。」
丁度1週間前 電車に乗るのが怖くなった。
とある高校の教師として1年前 転職をした。
週5の12時間勤務 土日は生徒のテストの丸つけや行事準備で休む暇も無く働いてきた。
受け持つ生徒は皆素直でやりがいも感じてた
でも数日前、出勤している道中で息を荒らげて倒れてしまった。幸い近くに居た男性がスマホから救急車を呼んでもらい病院に運ばれた。
「 先生 、 一体 なんだったんですか?」
すると先生は首を傾げて 『異常が何も無い』 と 困った顔でレントゲンを見つめる。
何も無いわけがない。あの息の上がりようは
今までにないほど苦しかったのを鮮明に覚えている。助けて とすら声が出せないあの症状は
なにか悪い所が無いとおかしいはず。
『とりあえずまた苦しくなった時の為に鎮静剤と 、 安定剤を出しておきますね。』
薬を受け取り ひとまず有給を取って家に帰ると生徒のテスト用紙が大量に机に置かれていた。
「 採点終わらしてから少し仮眠を取るか」
と処方された薬を飲み テスト用紙に赤ペンで点数を付けていく。
すると異様な眠気に襲われてつい眠ってしまう
「ん、、?」
鳥のさえずりで目が覚めると日付が変わって翌日の朝方だった
急いで最低限の身支度を済ませ学校に向かう
通勤の時は毎日 満員電車に20分揺られなければいけない。だがまた息が上がって来てしまい
すぐさまカバンに入れてある処方された薬を飲むと意識が遠くなり気を失ったように駅のホームで眠ってしまった。
「あの 、すいません 」
遠い誰かの声が段々近づいてくると共に目が覚めた。そこは駅のホームの休憩室だった
「え、 もしかして私って…」
「はい、急に倒れたんでここまで駅員さんと運ばせてもらいました。大丈夫ですか?」
自販機で買ってきたであろうペットボトルの水を片手に不安そうな男性が横に座って居た。
「 すみません ご迷惑をおかけしました。 」
「いえいえ 。あの、お水 買ってきたんでこれ飲んでください 」
水を私に渡してその男性は去っていった
優しい方に助けられたな。お礼がしたい
そう思いながらタクシーで職場に向かった。
【 大丈夫ですか? 電話があってから心配だったんですよ。】
いつも優しそうな性格の藤沢先生が心配そうな顔でデスクまで来てくれた。
「心配かけちゃってすみません、寝不足なんですかね?」
と軽めにあしらうと
【 でもこんな短期間で2回も倒れるなんて
本当に心配ですよ。病院はなんて?】
「それがこれといった悪い所は無くて、、」
【僕もそういう知識は無いけれども、寝不足で息が上がるなんて聞いた事無いな〜】
「最近寝れてないのもあるし、ストレスとかですかね? 薬ももらったし とりあえず飲み続けて様子見て見ます。」
【 本当にしんどかったらいつでも言ってください!僕の知り合いに医者が居るんですけど気になれば紹介します !】
「ありがとうございます」
藤沢先生は生徒からの人気も高く、音楽の超有名な名門の大学卒で私がこの学校に入った時から仲良くしてもらっている。
その日はなんとなく無事に過ごせてそのまま何事もなく1週間が経った
「先生 最近顔色悪くない?食べてる?」
馴れ馴れしく喋りかけてくるのは クラスでトップにモテている私の受け持っているクラスの生徒 大森元貴くん。
「食べてるよ。大森くんこそ 前回のテスト 点数悪かったけどどうしたの〜?」
「いいとこ突いてくるね 先生って独身? 」
「はいはい。授業戻って」
生意気な大森くんをあしらい授業を続けていると急に胸が苦しくなりしゃがみこんでしまった
そんな私の姿を見て生徒が驚いている中
「 先生 ゆっくり息吸って。薬とかある?どこ? 」
いつもチャラい大森くんが冷静に私の荒い息をなだめて 私のカバンから薬を取り飲ませてくれ 、ようやく落ち着いた
「皆びっくりしたよね ごめんね この後自習にするので自由に勉強してていいからね。
大森くんありがとう 先生ちょっと抜けるね」
と保健室へ向かいベッドを借りて少しの間
仮眠を取った
2時間後 そろそろ行かなきゃ と重い腰を上げ職員室に向かうと
【 大森くんから聞いたよ !また症状出ちゃったんだって?? 】
「うん。大森くんが居て本当に助かったよ。」
【そんなに突発的になると困るよね、原因は本当になんなんだろう。】
「ねぇ この前 友人がお医者さんって言ってたよね? 紹介してもらえないかな?」
【 これ住所と病院名 !精神科医なんだけど
話すだけでも少しなら解決出来ると思うんだよね、1度行ってみるといいよ】
藤沢先生に住所の紙を貰い 仕事終わりに行ってみる事にした。あまり精神科には信頼を置いてないので不安のまま足を運んだ。
( 5番の方 診察室へお入りください )
アナウンスで呼ばれ診察室に入り椅子に腰をかける。
「こんにちは 担当します 若井です。」
見上げるとそこには白衣を着た 駅のホームで助けてくれた男性だった。