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玲沙が入院した。
原因は間違いなく俺で、見舞いに行くべきと判ってはいるが、足は病院へと向かない。
責任は感じている。俺がもう少ししっかりしていたら、あいつを守れたかもしれねぇのに。だからこそ、顔を合わせる事が出来ない。会って、何といえば善いのか。
好きな女を守れねぇとか、情けない。
そう云う思いで悶々としていた時、奴に遭った。
「やぁ、中也じゃあないか!最近玲沙とは如何?」
「·····如何もこうもねぇよ。相変わらず、手前が、好きだと、云ってやがる」
如何してこいつは、一々人の怒りの核心を突いてくるのか。腹立たしい。
「ええっ!!嘘っ!未だそんな事を云っているのかい?で、中也は其れに振り回されているのかい?」
「如何云う事だ?」
「いやぁ、其れがねぇ·····」
「と云う訳なのだよ!」
「詰り、全部手前の所為って事かよ!」
「そうそう。だから、彼女が好きなのは私では無く、君と云う訳だ」
何だ其れ。
今までの俺の苦労は何だったんだ。
何だ其れ。
何だ。
何だ。
なんだ。
「中也?何処へ行くんだい?」
後ろで太宰が何か云っていたが、まるで耳に入って来なかった。
なんだ、そう云う事だったのか。
「·····指輪買いに行くか」