ワーワー
キャハハッ
小学校の頃…俺は1人しか友達が居なかった
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「な〜に読んでんの?」
『灯音…』
灯音「ん?」
そう、この子が…唯一の友達だ
『…いや、何でもない』
灯音「うわっ…また難しそうな本読んでる…」
『何か悪い?』
灯音「いやいや!凄いな〜って!」
『ふ〜ん…』
灯音「○○はさ!外で遊ばないの?」
『…遊んじゃダメなんだってさ…』
灯音「へぇ〜」
『灯音は?遊ばなくていいの?』
灯音「アタシは〜…○○が寂しがると思ってさ!(笑)」
『余計なお世話…』
灯音「あははっ!」
「にしても〜図書室すずし〜ね〜」
『…そうだね』
ここは…明かりがほぼ日光と言っていい図書室だ
明かりを付けないの?とか言われそうだが…
ここは田舎、古くなった学校の修理なんか誰1人来ない
辛うじてクーラーは設置されたが…
『(目が悪くなりそう…)』
灯音「…ねぇねぇ、○○?」
『ん?』
灯音「将来の夢ってある?」
『将来の夢?』
灯音「そう!アタシは勿論ヒーロー!」
『ヒーローって…アニメの世界の話じゃないんだし…』
灯音「いいじゃん!!夢なんだから!」
『はぁ…』
灯音「それでそれで?○○は?」
『…お前がヒーローなら俺は悪役になろうかな』
灯音「え?」
『それで…お前に倒されてハッピーエンド』
灯音「な…なんでそんな事言うの!」
「一緒にヒーローやろうよ!」
バンッッ
『俺はそんな立場じゃないんだよッ!!』
灯音「○…○○…??」
『…あっ…ご、ごめんッ…』
パタパタ
灯音「○○!○○!」
これが…灯音との最後の会話だった…
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数年後
世界に異変が起きた
怪獣が現れ
俺達にも能力が与えられた
まるでアニメの世界の様に
『彼奴…ヒーローになってそうだな…』
俺はそう考えながら準備をしていた
あの日…家庭環境のせいで俺はヒーローになる事を断ったが今では一丁前にヒーローを目指している
『はぁぁ…能力は良くても実力がなぁ…』
ビーッビーッ
『うげ…また敵かよ…』
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バタバタ
『はぁ…またひでぇな…』
「○○…??」
『…は?』
この…声は…??
「やっぱり!○○じゃん!」
「久しぶりだね!覚えてる?」
『あ…灯音…??』
灯音「あの日以来だね…○○は…」
灯音はそう言い俺の姿をじっくり上から下まで見た
灯音「ヒーロー…になったんだね」
『な…なぁっ』
灯音「凄いや!やっぱり○○は凄いな〜!」
『あ、灯音…!』
灯音「能力はどんなの!?気になる!」
『灯音ッッ!!!』
灯音「ん?なに?」
『こ…腰にある…”頭”って…』
灯音「ん?此奴?」
「な〜んか襲ってきたから殺しちゃった!」
『…え…』
灯音が持っている頭には見覚えがあった…
先日から行方不明になった俺の先輩だ…
灯音が殺してたなんて…
灯音「そうだ!○○!」
『なっ…何…??』
灯音「アタシとさ、一緒に堕ちよ?」
『へ…??』
灯音「アタシね〜一時期ヒーロー目指してたんだけど」
「虐め…にあっちゃってさ」
『虐め…』
灯音「そう、小学校の頃みたいに 」
灯音は小学校の頃…虐められていた
女の子みたいな名前や見た目、喋り方という理由で
灯音「それでね、アタシ、考えたんだよ!」
『な…にを?』
灯音「悪役になったらその虐めたヒーローも殺せるんじゃないかなって!!」
『…!』
灯音「○○もさ…殺したい相手…居るでしょ?」
『…ッ』
灯音「殺したい相手、全員殺せたら一緒にヒーローになろ?」
『…』
俺は迷ってた…
もちろん俺にも殺したい相手がいる
今も生きてるし…ヒーローに守られながら生きてる
…俺は、俺がヒーローになったら殺したい相手を”事故”として殺せるんじゃないかなって
でもそう簡単には行かなかった
先輩達が邪魔をする
先輩達にも殺意が沸いた
邪魔をするなって
灯音「…返事は決まった?」
『…おう』
灯音「そっか、じゃあどうする?こっち側に来る?」
『……俺は_
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やばしんど…