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桜の父「この悪魔が…!!」(桜を殴る)
桜「っ…、!いっ…、」
桜の母「…」
(桜に向かって)
桜の父「お前は何で生まれてきたんだ、!!汚らわしい…!!!」
(何回目だよ。もう慣れた。殴られることも、俺が生まれではいけない存在だったってことも。)
桜「……」
桜の父「チッ…もういい、!俺の前から消えろ!!」
桜「…」
(家から出ていく)
桜「……」
(楡井や蘇枋とすれ違う)
楡井「…?」
蘇枋「にれくんどうしたの?」
楡井「いや、あの人あまり見ない顔だなと思いまして…」
蘇枋「たしかに、俺もあまり見たことないなー、」
楡井「…髪の毛に、目の色も初めて見ました、」
桜「っ…」
(歩くのを早める)
柊「蘇枋、楡井見回りの途中だぞ」
楡井「あ、はい、!すみませんっ、!」
蘇枋(あの子、結構怪我してたな……虐待…いや、まさかね…)
(見回りに戻る)
何なんだよ…どいつもこいつも…
………
ほっとけよ。構うなよ。気持ち悪いと思ってんなら。
……………
そろそろ帰らねぇと……また殴られる……
(家に帰る)
桜の母「あら、帰ってきたの。帰ってこなくても良かったのに」
桜「…」
(母を無視して通り過ぎようとする)
(桜の母が桜の頬を叩く)
桜「っ…、」
桜の母「早く消えてくれてもいいのに」
桜「………」
桜の父「また帰って来たのか!?」
(桜を殴る)
桜「ぅっ…」
(桜を殴り続ける)
痛い。辛い。嫌だ。もう逃げたい。
………でも、俺の運命は変わらねぇんだろうな。
桜の父「くそっ…!!!家に入れてやってるだけありがたいと思えよな…!!」
桜「………」
(桜の髪の毛を手で強く掴む)
桜の父「返事さえ言えなくなったのか!?」
桜「ぃっ…………はい………」
(桜の髪の毛から手を離して)
桜の父「チッ………この醜い悪魔が………」
俺は生まれてはいけない奴だった。きっと、この日々は終わらないのだろう。
「人間生きていくのはそんなに甘くない」大人は良くそう言う。
俺がいてはいけない存在だってのは分かってる。誰も助けてくれねぇなんてもう知ってんだよ。
俺がそんなに気持ち悪いなら、そんなに醜くて汚らわしいんならほっとけばいいだろ………
何で俺に構う、何でいちいち来る。
俺にも………
人間として扱われて、
殴られることにも怯えない、そんな運命があったのだろうか………