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もう……
逃げることは、とっくに諦めた。
叫んでも誰も来ない。
暴れれば刃物が深々と肉を抉る。
その変えようのない地獄が終わるのを、僕はただひたすらに大人しく、人形のようになって静かに耐えた。
”早く解放されたい”
それだけが、暗闇のなかで唯一縋れる祈りだった。
遠藤が荒い息を吐きながら自分のベルトを外し、下半身を露出させているのが、ぼやける視界の端に映る。
それは、醜悪で生々しい欲望の塊として、暗がりでもはっきりと主張していた。
遠藤は僕の首のあたりに跨ると、その悍ましいソレを僕の顔へと強引に押し付けてきた。
鼻を突く、特有の饐えた悪臭。
気持ち悪さと吐き気から、僕は思わず本能的に顔を背けた。
パチンっ――!
「……っ、」
また、容赦なく頬を引っ叩かれた。
遠藤は僕の腫れ上がった頬をグイっと大きな手で鷲掴みにし、指を容舎なく口内へと突っ込んで無理矢理に僕の口を開けさせると、ソレを奥深くまでねじ込んできた。
気持ち悪い。
そんな思考を完成させる間もなく、質量を持った欲望が僕の喉元を強く、激しく突く。
「っ!! ん”ぇ、っ……!」
苦しい。
息ができない。
込み上げる嗚咽を必死に我慢しようとするが、遠藤は僕の拒絶などお構いなしに、容赦なく僕の口内を犯し続けた。
苦しくて、気持ち悪くて、頭の芯が痛い。
けれど、ソレは何度も、何度も、僕の喉の奥の一番過敏な場所を乱暴に、容赦なく突き立てる。
「!! う”ごっ……!! ん”ぉ、っ……っっ、!!」
僕の顔は、溢れ出る涙と鼻水、そしてせき止められなくなった涎でひどく汚れ、無惨に濡れそぼっていく。
まともに呼吸もさせてもらえず、脳に酸素が回らなくなって、徐々に意識が朦朧としていく。
口内からはジュポジュポと、耳を塞ぎたくなるような卑猥な水音が路地裏に木霊した。
遠藤の動きはさらに激しさを増し、荒々しく、僕をただの道具のように乱暴に犯していく。
『はぁはぁ……! でるっ、でるっ、!! 柔太朗くんっ……!!///』
その脳の髄まで腐ったような歓声と同時に、ドロっとした熱い塊が、僕の口いっぱいに広がった。
気持ち悪さと悍ましさで今すぐ床に吐き出そうとしたが、僕の口元は遠藤の手によって力任せに塞がれていて、どこにも出す場所がない。
『ほら、ちゃんと飲んで?』
気持ち悪い。
気持ち悪い、
気持ち悪い、
気持ち悪い……。
でもそれ以上に、 早くここから解放されたい。
ただその一心だけで、僕は人間としてのプライドを捨て、喉を鳴らしてソレを無理矢理に飲み込んだ。
「っん……! …はぁ、はぁ、はぁ、……っ」
『はぁ……かわいい、ごっくんできて偉いね、いい子だね……』
やっと終わった。
これで、これで本当に解放される。
そう思った。
だが、そんな淡い期待は、遠藤という怪物によっていとも簡単に、無残に崩れ落とされた。
遠藤は、力なく地面に横たわる僕の心なんて一瞥もくれず、僕の着ていた服を躊躇なくすべて引きちぎるようにして剥ぎ取った。
そのまま僕の両脚をガバッと左右に大きく開いたかと思うと、さらに硬く肥大したソレを、僕の最奥に向けて無理矢理にねじ込んできた。
「っ! あ”っ、!! い”っ… たい、…っ!!」
未だかつて経験したことのない、身体を内側から引き裂かれるような激痛に、僕の身体はカチリと硬直して激しく震えだす。
「、、っ、やめ、て……! や、めて、くださ……い、……っ!」
涙で顔をくしゃくしゃにしながら、僕は必死で首を振って懇願した。
だが、ソレは容赦なく、僕の肉の壁を押し広げて奥へ奥へと喰い込んでくる。
「っ! ご、めん、なさい……ごめん、な、さい……っ」
何度も、何度も、壊れた機械のように謝り続けた。
でも、僕の悲痛な声は虚しく冷たい夜の空気へと消えるだけで、それすらも遠藤の興奮を煽る材料へと変わっていってしまうのだ。
ソレはさらに速度を上げ、激しく、何度も何度も僕の最奥へと打ちつけられる。
――その悍ましい刺激は、時間を経るごとに、徐々に純粋な痛みではない、何かへと変質していった。
乾いた肉のぶつかり合う音も、徐々にぬるい水音へと変わっていく。
バチュン、バチュン――。
汚い。
僕の身体が、汚されていく。
「あ”っ!! んっ//……はぁ、、ん!」
自分の意志とは全く関係なく、身体の最奥の粘膜が快感の電流を脳に送り、汚くはしたない喘ぎ声が、僕の口からだらしなく垂れ流される。
それは、もうすでに自分の身体ではないように思えた。
心が、肉体から完全に乖離していく。
もう、指一本動かす力すらも入らない。
頭もまともに回らない。
逃げる気力なんて、もうずっと前にあの暗闇のなかに消え失せていた。
ゆらゆらと激しく揺れる、地を這う僕の視界の先に、地面にポツンと捨てられた空き缶。
車に踏み潰されてひどく歪み、汚れ、可哀想な空き缶。
僕はぼんやりとその空き缶を見つめながら、この地獄が終わるのをただただ耐えて待つことしか出来なかった。
あの潰れた空き缶は、
あのごみは、僕そのものだ。
どれだけ、時間が経ったのだろう。
意識が朦朧として、世界が遠のいていく。
喉が完全に嗄れてしまって、もう声も出ない。
切り裂かれた脇腹が、殴られた顔が、奥を貫かれる下半身が激しく痛み、全身の血液がドクドクと不快に脈打つのを感じる。
いっその事、
もうこのまま、
……僕を殺してほしい。
心の底から、そう思った――。
to be continued……
コメント
2件
かなしいけどたのしい..(?) 続き楽しみにまってます➰💖