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前回と同じような感じで進めていきます。


6月


蒸し暑い、梅雨の季節がやってきた。あまり好きではない雨を見ながらため息をつく。

どうしても気分が上がらない。

水「もー…まにき!シャキッとしなよ!」

紫「雨あんま好きじゃねぇ、」

水「なんでやねん!雨最高やねんで⁉︎体育の持久走なくなるし!」

紫「それだけだろw」

水「なんだとぉ〜!w」

どんな時期でもテンションが高い水を見ると、なんとなく気分も上がる。

赤「はざーす……お、水いんじゃんw」

水「あー!赤くん!久しぶりー!!」

赤「お前テンション高ーなw」

水「あ、まさか赤くんもまにきと同じタイプかぁ〜w?」

赤「あ、バレた?w」

赤も元から雨はそれほど好きではないが、体育も嫌いなため、持久走が潰れるのは嬉しいらしい。

今日の雨は強かったし、傘をさしていても濡れたのだろう、赤のシャツが少し透けていた。

なんかエロッッ………と思ったのはここだけの話。その後ちゃんと全力で隠し、赤のシャツの透け具合は引いた。



赤「紫ー食堂行こーぜ!」

いつも通りの笑顔で俺の方に寄ってくる赤。

紫「おけー、何食べる?」

赤「えー、ハンバーガー、??」

紫「なんで疑問系なんだよw」


紫「結局ハンバーガーにしたん?w」

赤「悪いかよw」

紫「別にw」

大きなハンバーガーを小さな口で一生懸命食べる赤。やはりハムスターだ。

赤「………紫はサンドイッチ?」

紫「そうそう。ミックスサンド」

赤「…………一口ちょうだい」

紫「いいよ。どれにする?」

俺はサンドイッチのトレーを赤の方に向けた。さて、何を選ぶんだろうかと考えていると、赤が気まずそうに俺の方を見る。

紫「ん?決めた?」

赤「…………それがいい、」

そう言いながら俺の半分食べているたまごサンドを指さす。不思議に思いながらも、いいよと食べかけを差し出す。

赤「ッッ!ありがとうニコッ」

そこで疑問に思ったことを言ってみる。

紫「たまごサンドならトレーの中にもあっただろ?なんで食べかけ?」

赤「ッッ⁉︎⁉︎//…………なんとなく、」

最初びっくりしたような顔をして曖昧な答えを返す。不思議な性格だなぁ、と思いながらトレーからハムとトマトのサンドイッチを引っ張り出した。

赤「………紫も人のこと言えないじゃん、」

などという赤の言葉も気にせずに。


7月


もう直ぐ終業式である。

外はもう蒸し暑くて、セミの鳴き声が止まない。夏。

赤「あちー………」

紫「おつかれ」

体育の授業で溶けそうになっている赤にスポーツドリンクを当てると体がビクッと跳ねた。

赤「うわっ、ちょ、冷たっw」

紫「ごめんってw死にそうじゃねーかw」

赤「日の光浴びたら溶ける病なんだよ」

紫「名前長っw」

ちょっと不機嫌そうにそう言う赤が少し幼い子供のように見える。

実際、今日は結構暑い。全員汗だくだ。

赤「あ、タオル忘れた…」

紫「え?貸そっか?」

赤「いや、いいわ」

そう言いながら服の胸元あたりを掴み顔の汗を拭く…と同時に赤の腹筋がチラリと見えた。

俺は思わず赤の腕を掴み、タオルを顔面に押し当てる。

紫「…………バカかお前は」

赤「あ??あんあお⁉︎(あ??なんだと⁉︎)」

紫「あー、はいはい大人しく拭かれてましょうねーw」

そうやって赤の汗を自分のタオルで拭く瞬間もすごく嬉しくて、赤を独り占めしてるみたいで、少しだけ暑さに感謝したのはまた別の話。


終業式、相変わらず外は暑いまま。俺たちはクーラーの効いた教室で自由に喋っていた。

夏休みの話とか、1学期までの話とか、さっきの校長の話を茶化したりだとか。

赤「紫ー、夏休みどっか行かね?」

紫「いいけど、暑くね?」

赤「じゃあ紫の家なw俺も正直どっか行くのめんどいw」

紫「なら俺が赤の家行こうか?外出んのしんどいだろ?」

本心は赤の家に行ってみたいだけだけど、

赤「……………紫の家…行きたい、」

家がよほど汚いのだろうか。それとも暑いのか。言葉を濁しながらそう告げた赤の顔はいつもよりも少し赤く見えた。

紫「__________いいよニコッ」


1学期が終わった。あと6ヶ月_____。


8月


外はもう20°後半を超える暑さになった。

ミンミンと休みを入れず鳴くセミの声が、より暑く感じさせる。

今日は約束していた、俺の家に赤が来る日。両親は出張で明日帰ってくるらしい。正直張り切りすぎた。

朝6時起床、そこから部屋、廊下、トイレなどあらゆるところを掃除し、買い物にも行ってきた。

昼過ぎに赤が来る予定なのにも関わらず、全ての準備が整ったのは午前10時。

紫「楽しみにしすぎだろ、」

少し調子に乗っている自分に呆れつつ、ふと赤の様子が気になった。

紫「………電話かけてみるか、」

俺は文字を打つよりも電話で直接話す方が好きだったため赤に電話をかけた。

赤の声も聞けるし。

赤「………もしもし、?」

思ったよりもすぐに電話に出た赤に驚きながらも会話を続ける。

紫「あ、ごめん。今忙しかった?」

赤「いや、大丈夫だけど……え?もう集合だっけ?」

紫「あー、まだなんだけど…俺が気合い入りすぎて早く準備終わったから、いつでもいいよ」

赤「………そっか、じゃあ今から押すわ」

紫「ん?押す、?」

ピーンポーン

俺が疑問に思う間もなく部屋中にインターホンの音が響く。

まさかと思いつつスマホを片手にドアを開けると案の定、汗だくで申し訳なさそうにしている赤がいた。

紫「…………お前いつからいたん?」

赤「…………20分前くらい…?」

紫「熱中症って知ってる?」(圧)

赤「ハイ、スミマセンデシタ、」



赤「あぁ〜……涼しいぃ〜、」

紫「あんな暑い中20分も外いたからなw」

赤「いや、ごめんって、」

そう言ってまた申し訳なさそうに謝る赤。

赤「思ったより準備早く終わって家出たんだけど……紫の家の前まで来て急に不安になって…」

「だからと言って電話かけるのも緊張して………」

紫「そんなこと早く言ってくれれば入れたのにw」

そう言いながら俺は冷凍庫を開ける。

そういう変なとこ心配するの相変わらずだなぁwほんとかわいっ、

紫「何味がいい?アイス」

赤「カップ?スティック?」

紫「スティック」

赤「じゃあバニラ。あざーす」

俺は中からバニラとチョコ味のアイスを取り出し冷凍庫を閉める。

片方のバニラの方を赤に渡し、自分用のチョコアイスの袋に手をかけた。

ヒヤッとする感覚と濃厚なチョコクリームの味でいわゆる天国にきた気分になる。

紫「うまぁ………」

ついつい声が漏れてしまうほどの美味しさだった。

赤「やっぱ夏のアイスは格別だよなぁ………」

クーラーの効いた部屋で冷たいアイスを食べるのは夏の楽しみの一つである。

赤「てか、紫、早く準備終わるってどれだけ楽しみだったん?w」

突然赤がニヤニヤしながら質問してきた。その顔面にお互い様だろ、と言ってやりたい。

紫「…………赤がいたらどこでも楽しみだけど、///?」

答えてから質問の答えになってないことに気づく。これじゃまるで赤と一緒ならどこでも楽しいと言いたかっただけだ。

赤「ッッ⁉︎、………そっか、//、ありがと、//」

少し照れながらそう返す赤は耳まで茹でたように真っ赤で、少し…いや、だいぶ可愛いと思ってしまった。


日も傾いてきて夜に近づく今。

紫「赤………あのさッ、」

赤「ッッ………だから何?って、」

かれこれ10分間この会話を続けている俺は、今すごく頑張っていると思う。

赤に『今日泊まっていく?』と聞きたい………が聞けない。

下心丸見えだし、赤の都合悪かったら気まずすぎる………という自分と、

赤と一晩過ごすチャンスだぞ、誘うだけ誘えッッ!という自分が頭の中で大戦争を起こしているわけだ。

紫「うッッ………」

赤「はっ⁉︎え、ちょ紫どしたん、?」

紫「赤………俺がめっちゃキモイこと言っても引かない、?」

赤「え、いきなり何?もうキモイ」

紫「で、引かない?」

赤「フル無視……えー、キモさにもよるんじゃね?」

だよなぁ………キモすぎたら引かれるよなぁ、

赤「…wなわけっw大丈夫、俺紫のことは何があっても引かん自信あるよw」

紫「ッッ、!………じゃあ絶対引くなよ?」

赤「はいはい、wで?なんなの?」

紫「………ッッ、今日さ、家泊まってかね、?」

あぁ、言っちまった、と黙っている赤を恐る恐る見る。

赤「………え?そんだけ?」

紫「え、うん」

赤「泊まるけど……え?ほんとに?w」

紫「なんで笑うんだよっ、」

赤「wwwんーんwなんか可愛いw」

紫「うるせーうるせーw」

赤にそう言われるとなんだか小さいことで悩んでた自分がバカらしく思えてきて2人で一緒に笑ってしまった。


紫「…w寝てるしw」

あの後赤は泊まるための荷物を取りに行った。その間に俺は、今日もともとするはずだったタコパの準備。

その後赤が帰ってきて一緒にたこ焼きやらお菓子やらを食べまくって……結局深夜までやっていたので急いで風呂に入ってきたところだった。

予想通り、先に入った赤は疲れたのかソファーで気持ちよさそうに寝息を立てていた。

赤「スゥー…スゥー…」

紫「気持ちよさそうに寝んなぁ、可愛い、w」

そう言いながらそっとブランケットを掛ける。そして言葉を漏らす。

届いてくれればいいのにと願いながら

紫「………赤…好きだよ、」

不用心な君に向かって、俺の”新心”を____。

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