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KING
地からそびえ立つビル街の一つのビルの最上階の一室。
その部屋は金色のマグやら悪趣味な皿、やけに高そうな内装の部屋で、中央からやや上に椅子にふんぞり返った中年の男性がいた。
彼は煙草をふかし、窓から見える夜の街を見つめている。
頸筋には入れ墨があり、彼が裏社会に生きる人間だということをはっきりと感じさせていた。
後ろ手の扉が数回ノックされ、やがて開く。
ドシャと音を立てて床に叩きつけられたのはゴミではなく若いチンピラの様な男性だった。
若い男性はうずくまり嗚咽している。
彼はその男性に近づき床についた頭を何度も踏みつけた。
男性がやめてくれと懇願しても泣いてもその行為は繰り返された。
やがて男性の額に血が滲み、声すらも挙げなくなった所で彼は行為をやめ、男性の髪を掴んで扉の前に放り投げた。
男性はすぐさま立ち上がり部屋の外へと出ていった。
彼は再び椅子に座り直すと夜景を見つめていた。
幾重もの時が流れ、
彼は今、かつて自分がいた部屋の中で膝をつき、星座をしていた。
ただ、かつての仲間に怯え、許しを懇願するばかりだった。
彼は頭を掴まれた。そして、引きづられていった。
彼が最後に見たのは自分の椅子という玉座に座る新しい王の菅田だった。