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【プロポーズ】内緒のピアス 様
⚠︎︎つかあま 生前設定 共依存
バットエンドです
「あまね、あそぼ」
あぁ、まただ。
その言葉でどれだけ俺を傷つけるんだろう。
痛みと快楽を伴う恐ろしいほど暴力的な愛情を一方的に俺にぶつけるだけの時間。
俺がどれだけ泣いて叫んで喘いでもつかさの耳には届きやしない。
指を絡ませ自然な流れで押し倒される。
カチカチとカッターの刃が押し出される。
痛いのは好きじゃない。
でもつかさはきっとこの方法でしか愛を伝えられない。
それならせめて優しく抱いてほしい、と願ってしまうのは我儘なんだろうか。
今日はいつまで続く?
夜まで?朝まで?
いいよ、気が済むまで全部全部受け止めて あげる。
つかさの傍にいられるのは俺だけなんだから。
見返りを求めない永遠の愛って聞こえはいいけどそんな美しいものじゃない。
つかさの欲は俺を傷つけることでしか満たされない。
日に日に増えていく身体中に広がる傷と痣。
兄弟同士でこんなことをするのは普通じゃない。
自分もそんなこと言える立場じゃないんだろうけど。
俺の抱えてる感情だって大概だ。
見返りなんて求められなくたってつかさにならいくらでも返してあげられる。
でもつかさは見返りを求めない。
それを許してはくれない。
自分は俺にめちゃくちゃするくせに、俺には 好きの一言も言わせてくれない。
見返りを許さないあまりに重すぎる愛。
俺を壊すにはたったそれだけのことで十分だった。
不器用に笑う顔も、自分勝手なところも、
抱き合う時だけ甘くなる声も、
全部全部俺だけが知っていればいい。
…なんて、無理な話だ。
そんなのとっくにわかってる。
わかってるからこそこんなに苦しいんだ。
全てを諦めて投げ出した俺にはぴったりの罰 だろう。
俺はこのままつかさに綺麗だと言われながら 腐って壊れていくしかないんだ。
本当に自分勝手でずるい人だ。
「ねぇ、あまね」
「俺、明日死ぬんだって」
「もぉ〜、あまねってほんと泣き虫だね」
「俺がいなくなっちゃうの寂しいの?」
「そっか、俺も寂しいなぁ」
「…でもさ、あまね」
「もう嘘つかなくてもいいんじゃない?」
「ほんとは嬉しいんでしょ」
「…なんでって、それ俺に聞く?」
「もう怪我が増えることもないし、俺に犯されることもない」
「全部元通りだよ!」
「それに…」
「あまね俺のこと嫌いでしょ?」
体の芯が冷たい。
息が上手く吸えず呼吸が浅くなる。
「違う、嘘なんかっ…」
嫌いな訳ない…
俺は、俺はただ…
「あまね?」
隣から声を掛けられようやく気がついた。
暗い天井、冷たい空気、静かな呼吸音、
あぁ、夢だったんだ。
「…ごめんつかさ、起こした?」
震える声を無理やり押し出し、出来損ないの 笑顔を向け、なんとか取り繕った。
「怖い夢見たの?」
夢の中のつかさとは違って、小さい子供をあやすみたいに頭を撫でてくる。
「もう大丈夫だよ〜怖くない怖くない」
…ほんとに子供だと思われてる。
そのままつかさは俺を抱き枕みたいに抱きしめながら寝てしまった。
どっちが子供なんだか。
目を閉じれば先程の夢が瞼の裏に浮かび上がる。
考えれば考えるほどなんて最悪な夢なんだろうと思う。
つかさが死ぬなんて、そんな事実俺には耐えられない。
もしもつかさが明日死ぬのなら…
今この瞬間に俺がつかさの目の前で死ぬ。
つかさを失う瞬間を見たくない。
つかさの心に俺の存在を刻みつけたい。
つかさの心にいるのは最後まで俺だけでいい。
なんにもないからっぽの俺に全てを与えてくれた、たった一人の大切な弟。
つかさが俺の生きる意味だ。
そんなつかさがいなくなったら俺はどうすればいい?
つかさという名の月が消えてしまったら、誰が俺を照らして導いてくれる?
夢も希望も生きる意味も全て失って、
最後に残るのは、独りぼっちの醜い劣等星だ。
つかさがいない世界なんて価値がない。
つかさのためなら笑顔で死へ飛び込める。
躊躇いなんて一切ない。
こんなこと考えるなんておかしいって自分でもわかってる 。
この想いはいつまで抑えていられるんだろう。
今まで必死に取り繕ってきたけど、それもきっと時間の問題だ。
いつまで我慢できるかな。