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⚠︎︎つかあま 生前設定 共依存 バットエンド
今回はつかさくん視点です
(時系列的には1話からちょっと時間経ってます)
「あまね、あそぼ」
いつも通りその言葉を口にする。
返事はない。でもその沈黙の時間は肯定を意味している。
ゆっくりと此方を振り向いたあまねの顔を見て、おもわず口角が緩む。
体は震え、怯えているのに、 瞳には慈愛の光が灯っている。
恐怖を押し殺している訳でもないんだろう。
そっとあまねの首元に手を回し、指を絡ませ押し倒す。
あまねは俺の全てを受け入れてくれる。
たとえそれが醜く育った歪んだ愛情でも。
あまねの傍に居ていいのは俺だけなんだから。
抑えきれずに甘い悲鳴が溢れ出す。
それでもあまねは必死に口元を手で塞ぐ。
そんなことしても意味無いのに。
もっと啼いて、もっと激しく啼いて。
その可愛い声をもっと聞かせて。
俺が動く度に、触れる度に、身体は反応し、蕩けていく。
身体中に残る痣も傷も全部、俺があまねだけを愛した証。
乱れた顔も、あまねのナカも、あまねの心も、全部全部俺だけが知っていればいい。俺だけのものになればいい。
この愛おしさを独り占めしたい。
誰にも渡さない。
もし他の誰かがあまねのことを想い、考えていたとしたら。
恋心だろうと何だろうと俺が笑顔で踏み潰してみせる。
俺はあまねじゃなきゃ駄目なんだ。
そして、あまねも同じであってほしい。
だから俺はあまねからの好意を受け取らない。
そんな無責任に好きなんて言わせない。
その想いはあまねの中に深く根を張って、
真っ直ぐ育つことも出来なくて、
曲がって歪んで捻れて絡まって、
俺じゃないと救ってあげられないような身体になってほしい。
ねぇあまね、大好きだよ。
「あ、起きた」
あまねはあそんだ後は疲れて寝てしまう。
だから、いつも起きるのをじーっと眺めて待っている。
足の傷が痛むのか、起き上がる時ちょっと痛そうにしていた。
「…お風呂入ってくる」
「んー」
… そうだ、あまねの制服脱がしてそのままにしてた。
シワができるってまた怒られる。
適当に畳んでおこうと思い、制服を手に取る。
ふと、ある違和感に気づいた。
制服のポケットに手を突っ込み中を探る。
“そこにあるべきモノ”が無かった。
あまねがいつも肌身離さず持ち歩いているはずの【月の石】である。
月の石はあまねの宝物であり、俺たち2人の大切な想い出でもあった。
失くした?捨てた?誰かにあげた?
いや、失くしたならすぐに気づくはずだ。
そして、必ず俺にも言うはずだ。
なら捨てた?
いやでも理由がわからない。
まさか俺のことをキライになった?
誰かにあげたとしても一体誰に?
あまねには友達もいないしあげる相手なんていないはずだ。
…いや、一人いる。
あまねの担任の先生。
ツチゴモリ先生だっけ。
あの人はいつも何かとあまねに気を掛けていた。
前から目障りだとは思っていたけど、まさかあの人にあげた?
どちらにしろ、俺への裏切り行為という点では間違いない。
あまねに何があったのかわからないが、心境の変化があったのには間違いない。
もし俺から気持ちが離れたのであれば今すぐにでも引き戻さなきゃ。
俺はあまねじゃなきゃ駄目なのに
あまねは俺じゃなくていいなんて、
なんて無責任でずるい人なんだろう。
そんなこと絶対に許さない。
ちゃんと話聞かなくちゃね。
少々足を引きずりながらあまねが部屋に入ってくる。
「あ、布団引いてくれたんだ、ありがと」
返事の代わりに俺は笑顔であまねに問いかける。
「月の石どうしたの?」
あまねの動きが止まり、小さく目が見開かれる。
「なんで急にそんなこ、と…」
途中で言葉が消える。
先程までは乱雑に投げ捨てられていた制服が部屋の隅で畳まれている姿を見て察しがついたのだろう。
今にも消えてしまいそうな声で無理やり言葉を繋げる。
「…急にどうしたの?」
答えなんてあまね自身もわかってるくせに。
「そんなの言わなくてもわかるでしょ?」
あまねの顔が引きつる。
無言のまま笑顔であまねを見つめる。
震える声で紡がれたのは、俺が想像した通りの最悪のシナリオだった。
「…あげたんだ。土籠先生に。」
あぁ、やっぱり。
それならまだ捨ててくれてた方がよっぽど良かった。
俺から離れるだけじゃなくて、他の人のところへ行ってしまうなんて。
「もう…何処にも行かないって決めたから」
…なにそれ
俺からは離れようとするくせに”何処にも行かない”って?
もう俺だけのあまねじゃなくなるなんてそんなの耐えられない。
「俺のこと…嫌いになっちゃった、?」
思ってたより自分の声は掠れていた。
「ッ…!違う、そんなんじゃない!」
「俺は、ただ…、つかさを守りたくて…」
今にも泣き出しそうな声で必死に話すあまねの言葉はどれも言い訳にしか聞こえなかった。
俺を守りたくて俺から離れる?
俺のことを嫌いになった訳じゃないとしても、
離れるのには変わりない。
月の石を手放した時点であまねの心はもう決まっている。
もうあまねの中の愛情は俺が望んでいた形になっていたはずだ。
捨てようにも捨てられない、深く根を張った歪んで捻れた愛情。
でも、それが裏目に出た。
捨てられないからこそ自分ごといなくなろうなんて考えたんだろう。
そんなこと許さない。
そんな簡単に死なせない。
痛みと快楽だけじゃ足りないなら、もう手段は選ばない。
あまねの心を独り占めできるならたとえどんな形でも構わない。
「…そっか」
「俺のこと嫌いになった訳じゃないんだね」
「ならさ、」
最後に俺のお願い聞いてよ
「俺を壊してよ」