テラーノベル
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〜side 星導〜
ドアベルが鳴り、玄関を開ける
「‥‥どこ?」
入ってくるなりぶっきらぼうに呟く
「寝室です」
「‥‥ハァ、そうですか」
同じ作りのマンションに住むとあって、スタスタと寝室へ向かう
ガチャ
「‥‥‥どこ?」
「さっきまで右奥の壁に張り付いてたけど」
「‥‥居なくね?」
「じゃあ居ないかも」
「はぁ?お前‥‥」
小柳君は呆れた顔で俺を見る
「あんなに蜘蛛がいるって騒いでて、何なんだよ!」
「でも居なくなっちゃったし」
「‥‥帰るわ」
「え、待って」
「俺配信終わったばっかで疲れてんだから、帰ってサッサと風呂入って寝るわ。俺も虫嫌いだってのに、ったく」
寝室の出口を塞ぐように立っている俺をどかそうと肩に手をかけられた
その腕を取って部屋の中に引き戻す
「っオイ!何だよ‼︎」
「良いじゃん。少し話そうよ」
「‥‥やだよ。‥‥こんなところで」
寝室でって事だよな
でもこれから話すのはそう言う話しだから
俺は無理矢理ベッドのサイドに座らせ、隣同士並ぶ形で座った
「‥‥‥気にしてるの?」
「床に落ちたのかもな。見つけたらやっとけよ」
「違うよ!虫じゃなくて。虫なんか最初から居ないし」
「おま‥‥また嘘ついたんか」
「気にしてる?俺とカゲツにされた事」
「‥‥‥‥別に」
サッと視線を外されベッドから立ち上がる
「別に?気にしてないの?嘘だ」
「嘘かもな。お前がいつも俺を騙すみたいに」
歩き出そうとする彼の腕を掴み、引き留める
「離せよ!帰る」
「帰らせないよ」
「ホントに何なん?みんな急に‥‥」
「みんなも俺も小柳君の事が好きなんだ」
「いいよ、分かったから」
「聞き流さないで。ホントの事だって」
「あぁ、分かったよ。お前以外はな」
「何でだよ!俺だって真剣に好きだから」
「後からなんだって言えるじゃん。お前はふざけて加担してるって見え見えだ」
日頃騙して遊んでいたツケが、こんな時に回ってくるとは‥‥
「いつもはふざけてても、こんな嘘言っても仕方ないじゃん。ほら、こんなに胸だってドキドキしてるし」
掴まえていた手を俺の胸に当てる
少し速くなる鼓動を感じたのか、困った顔で目を逸らす
「俺だって好きなのに。まだあの感触も忘れてないのに」
「え‥‥」
あの時、カゲツもいた時にしたあのキス
思い出した途端抑えが効かなくなり、目の前の身体を抱きしめた
「星導っ!」
「みんな‥‥みんな小柳君が好きだって言ってる。でも俺もお前の事好きだから‥‥」
「お前、何言って‥‥」
「みんなと同じ好きでもいい。だけど、俺の事も男として見て」
「ほしるっ‥‥んっ‥‥」
片手で顎を持ち上げ、開いた唇へ唇を合わせる
逃げようとする舌を吸い上げ更に深く口付けする
だんだんと力が入らなくなる身体をゆっくりベッドに押し倒す
一度離した唇から速くなる呼吸で吐息が漏れる
少し苦しそうな表情で俺を見上げる
下半身に血流が集まるのを感じる
俺はまだ息が整わない唇へと唇を重ね、早急に2人分の衣類を床へと投げ捨てる
ゆっくり、優しく‥‥
そう思っていても身体が言う事を聞かない
露わになった下半身へ手で追い立て、後ろの孔へと指を入れた
「星導っ、あぁっ!‥‥」
「小柳君の中って奥に誘うように動くから‥」
中指と人差し指で軽く押しながら中へ進んでいく
凄く狭く、まだ湿り気が足りない
ベッドのサイドテーブルの引き出しからローションをとりだし、孔と指へ垂らす
「んあっ⁈冷たっ‥‥」
「ごめん、言えば良かった。少し我慢して」
「何っ‥‥」
「ローション。痛くならない様に」
そう言ってローションと共に指を入れた
入りやすくなった後ろの指を少し速く出し入れする
クプッ‥‥タポッ‥‥
いやらしい音が聞こえる
中指と人差し指を開いて中を覗き見た
「‥‥綺麗なピンク色‥‥」
「‥!何見てっ‥‥やめっ‥‥!」
一気に腰が引けていく
また驚かせてしまったと思い、急いで指を抜いた
そして代わりに‥‥
「もう、入れても大丈夫そう?」
そう聞くと腕で顔を隠して小柳君が言う
「ダメって言ったらやめてくれんの?」
「‥止まれない」
「だったら聞くなよ、バカ‥‥」
この時の顔が見たくて、ゆっくりと中へと俺のものを入れながら彼の両手を顔の脇で押さえる
「おまっ、離せっ!‥‥やっ‥‥」
「だって全部見たいから‥‥」
蛍光灯の明るさで全てが曝け出される
目元を赤く潤ませ、喉をのけ反らせる
その首元に軽く歯を立てながら吸い付く
誰かが付けた消えかけている跡を、俺のキスで上書きしたくて‥‥
そしてゆっくりと動き出す
滑らかに動くとは言え彼の中は狭く、少しづつ一番奥まで沈めていった
「んっ‥‥はぁ、‥‥な、何?っ‥‥」
全てを中に入れたのに一向に何もしない俺を見て口を開いた
「聞いても良い?俺と叶さんとエクスさんとカゲツとローレンさん‥‥誰が1番大きいの?」
「‥‥‼︎何言って‥‥え、ローレンさん?何でお前知って‥‥‥‥」
「俺達みんな知ってるよ。だって小柳君の事いつも見てるんだから。本当はみんな自分のものにしたかった。けど、そんなの無理じゃん。だからみんなのものになってよ」
「いや、そんなの‥‥‥‥」
「みんなが良いならそれでも良くない?小柳君が1人決めた人がいるならみんな話聞くから。あ、そう言えば絶対ライもこの中に入ると思うよ?‥‥あ、本人より先に行っちゃった」
「何でライまでっ‥‥あっ、んんっ!」
身体が揺れると彼の甘い声が漏れる
誰が大きかったかちょっと聞きたかったのに
でもこれ以上は身体が持たなさそう
軽く奥にあたる様に動く
また顔を覆う様に腕を前に持ってこようとするから、 その腕をまた掴まえ押さえつける
「隠さないでって言ったのに」
「あっ、‥恥ずかしっ‥‥だろっ」
「だったらこうしてあげる」
俺は繋がったまま、身体をくるっと回転させ彼の胸をシーツに押し付ける
脚を大きく開かせ、腰を高く上げた
小柳君はシーツを握りしめて振り向こうとする
腰を掴みリズム良く動かし始める
「あぁっ、あんっ‥あっ‥んんっ‥」
「ホント、中の締まりが‥‥奥に誘うみたいに動いてる」
「もう、言うなって‥‥あっ、やんっ!‥‥」
「こんなに可愛くなるなんて、俺の想像が追いつかなくて」
「‥‥変態っ、‥‥あっ‥あ、んんっ‥‥」
「やっぱり無理、こっち向いて‥‥」
「やあんっ‼︎あぁ、‥‥んんっ、星導っ!」
身体を持ち上げ対面にすると、もう理性は無くなり激しく腰を打ちつけた
一層彼の呼吸は荒くなり、縋るように俺の腕にしがみつく
彼の頬に手を添えるとその手を握り返してくる
「も、イく?‥‥俺はイきそうっ‥‥」
きっと言ってくれない
そう思いながらも顔を近づけて聞いてみる
ギュッと手を握りながら囁かれる
「い‥‥いきそ‥‥星導っ‥‥んんっ‼︎やっ、星導っ!」
リアルな小柳ロウに完全に落とされた日だった
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