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12月24日。

今日はクリスマスイブです。

颯太くんとクリスマスパーティーをする日。

昨夜から楽しみで眠れませんでした。

私はいつ死ぬのか分からないこの身体がすごく怖くて不安です。

だからこそ今日生きてることに感謝をしています。

「ねぇ颯太くん。そこのトランペット取ってくれない?」

「ん?トランペットね。はい。」

「ありがとう」

久々にトランペットを吹きたくなりました。もう2ヶ月も吹いていないのにいつも通りの丁寧な音色が部屋に響いています。

「やっぱり綺麗だね。」

「メリークリマスマス!」

すごく甘いケーキ。一口食べただけで充分なほど満たされます。

「大丈夫?楽しい?」

「楽しいよ。」

彼には言いませんが少しずつ体温が上がっていくのが分かります。

また発熱。

「ねぇ鈴。雪が降ってるよ。」

「本当だ。綺麗。」

徐々に上がっていく熱に怯えながら私は颯太くんと共にクリスマスを過ごしました。

「鈴ちゃん。お父さんとお母さんが来てくれたよ。」

看護師さんにそう言われて病室のドアを見ると大きな荷物を抱えた父と母がいました。

「あら、?鈴。少し熱があるの?」

母が私の額を触りながら聞きました。

「うん。少しだけ。 」

そう言いましたが38度近く出ている気がします。

「先生を呼んできますね。」

そう看護師さんが病室を出てから5分でもっと熱が上がったのが分かりました。

きっともう40度はあります。

「鈴ちゃん。先生を呼んできましたよ。」

「百瀬さん。こんにちは。少し診察させてね。」

意識が遠のいていくようです。

「これは、まずい。」

「お母さん、お父さん。少し。」

母と父と先生が部屋の隅で話しています。

「鈴。大丈夫だよ。」

颯太くんがそう、声をかけてくれているのが何となく聞き取れます。

「鈴。」

母と父が泣いて私の頬を撫でます。

颯太くんも先生と何やら話をしているのが見えます。

「お母さん、お父さん。大好きよ。」

「私もよ。」

「俺もだ。」

ふたりが私のことを優しく微笑んで見ています。

こんなに愛されていると感じるのはいつぶりでしょうか。

「鈴。やだよ。俺を置いていかないで。 」

顔を涙で濡らした颯太くんが私の頭を撫でてくれています。

「颯太くん。今までありがとう。大好き。」

「俺も。大好き。愛してるよ。」

その言葉を最後に私の意識はなくなりました。

君は愛と読む 僕は恋と書く

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