──────めめさん視点──────
私達3人の空気は急激に冷える。長年、生きてきたもの──────茶子さんや、レイラーさんが簡単に死ぬなんて、到底、到底信じられたものでは無いからだ。しかし、実際にはテレパシーでも伝えられたし、…何より帰ってきてないのだからそれは現実だろう。八幡さんは信じられないものを見たかのような目で、顔で訴える。…どうやら、私が直接口にするまで嫌な予感程度ですますつもりのようだった。ならば、私ははっきりと言う。ここで冗談だと言っても、1時の甘い夢に過ぎないのだから。それに、私たちは数え切れないほどの別れと出会いを繰り返している。もう、慣れっこのはずだ。
「レイラーさんも…ッ茶子さんも…ッッ…ぁ”…ッ」
死んでしまいました。そう言おうとしただけなのに、喉が、声が、その単語を、言葉を、否定する。…心が強がっても、体は正直なようで、私は足に力が入らなくなり、そのまま床にへなりと座り込む。声が、上手く出ない。喋り方を忘れてしまったかのように、言葉が喉を通らない。体中から汗が吹き出し、暑いような、寒いような、摩訶不思議な感覚が私を襲う。こんな感覚、初めてだった。人の死には、仲の良い人の死でさえ、見たことがあった。それでも、こうなったことは無かった。ことばが、わからなくなる。なにをいえばいいかも、どういえばいいかも。わからない。ほんとうにわからなくなってしまう。のうからげんごということばがうしなわれたかのようなかんかく。ひどく、こわくて。でも、わけもわからず。のどをとおるのはことばになれなかったなれはてで。なんでか、わからない。こわい。こわい。
「めめさん、落ち着いて。ひとまず深呼吸しよ?やり方分かる?私も一緒にやるから。」
八幡さんがすぐに私に駆け寄り、私と視線を合わせるために、八幡さんは膝立ちをする。そして、パニックになってしまった私を見かねて、深呼吸を私と共に行ってくれる。…こういう時の行動力は私も学びたいものだ。
「大きく吸って…スゥぅぅッ大きく吐くハアァァァァ」
「スゥッ…ッぅ”…ッス…ウ…ッ ハ ッ ア “ ッ」
上手く、息が吸えない。八幡さんのおかげで取り戻せた冷静が、パニックに逆戻りする。迷惑をかけたくないのに、その意志に反して呼吸が上手くできない。なんでか分からない。怖い、ひたすらにこわくて──────
「めめんともり様。こちら、死神です。茶川イエ様が魔族を滅ぼしました。しかし、滅ぼした後気絶してしまったようです。想定通りに転送しますか?ご回答お願いします。」
人間の声では無い何かの声が部屋内に響く。私の魂のランタンから響いたのを感じ、ピンとくる。いえもんさんに魂という名の死神が報告を行っているようだ。しかし、それに対する返事の仕方がわからない。何をいえばいいのか、どう言葉を発すればいいのか、そう思い悩んでいると、ラテさんが私の懐から魂のランタンを取り出し、返答する。
「こちら、地獄の猟犬ブラック・ドッグだ。私自ら、直々に命令を下す。その人間を我が元へ運び出せ。めめんともり様は今、大変忙しいのだ。私が一時的に預からせてもらう。」
そうラテさんが返答を返す。当のラテさんの顔は、焦りと緊張で滲んでおり、汗が、頬を何回もなでる。瞳は小刻みに動き、これが突発的な行動であることを裏付ける。…私のためにここまでやってくれるなんて、と正直喜んでしまった私がいた。しかし、死神から返ってきた返答は意外なものだった。
「ブラック・ドッグ様!?今までどこにいたのですか…!?…いえ、お詳しい話は後で聞かせてもらいます。ひとまず、ラテ様の場所まで運ばせてもらいますね。それでは、後ほど。」
プツッとその死神からの声が途切れる。ラテさんは安堵した表情を浮かべた後、自身がかいた汗をハンカチで拭う。──────ブラック・ドッグ。聞いたことがある。確か、地獄で番犬ケロベロスと共に地獄の門番を1億年以上していた者だ。しかし、ある日、行方不明になったと言う。私が天界から抜け出す前に水神から聞いたことがある。美しい水色髪の長髪で、元々ウーパールーパーだったらしく、その名残として触覚が生えていたような気がする。上品なお嬢様だった記憶。と、言うのはよくて。問題は、その正体がラテさんである可能性だ。私は、出せない声のせいで言葉では問えないが目で問う。それはラテさんなのか、と。しかし、ラテさんは困ったかのような、怒ったような顔をしつつ
「その猟犬って奴と私が似てるんだってさ。でも、その肩書きがあると色々と楽で…だから嘘ついてた。ごめん。この耳はシンプルに獣人だから。犬と人間のハーフらしい。詳しいことは…私にも分からないけど。」
「…ぅ”……ッあ”」
なぜ、そんな大事な事を言わなかったのか、そう言いたいのに、言い方が分からない。もどかしい。けれどどうしようもできない。
「…とりあえず死神がここに来るかもだからめめさんは隠れよ。弱ってるところを襲撃されたら溜まったもんじゃないから。」
そう八幡さんが言って、軽々と私を運んでくれる。死神が襲撃をすると思えないが?と言いたかったが、喋れない私にはどうすることも出来ない。体に力が回らないし、抵抗することも出来ない。諦めてこの状況に身を任せる。
ここで切ります!!めめさんのSAN値が…!!不定ってやつですかね?知らんけど。めめさん的にはみんなのことを見殺しにしたような感覚が頭をよぎってるんでしょうね。可哀想に。…ぶっちゃけ最後まで死に対してなんも思わないサイコにしようか、今回みたいに仲間の死を強く受け止める…のどちらか迷ったんですけど、前者の方が人外味が高くてよかったかもな、けどめめさんに人の心があってよかった…ていう複雑な気持ちで書いてます。…嘘です。メチャ楽しいです。戦闘と違った良さがありますよね!
今日この後もう寝る予定です。実は日帰りでおばあちゃんの家に行ったので疲れました。休みまーす。
おつはる!
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短期一時的狂気の3、肉体的ヒステリーですねぇ…それも大泣きですね… 精神分析振りましょう!
SAN値削れ方えっっっっぐぅ...