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先輩の身体がじわじわと覆い被さってくる。
いやだ…。
この張り詰めた時間を動かすきっかけがあればと思うけど、辺りが静かすぎる。
先輩の息遣いが段々と早くなってるのが分かる。
先輩「へぇ…近くで見るともっと可愛い…」
K「…っ……」
キスをされないように顔を逸らす。けど、先輩の熱い息が首筋にかかって。
K「ッ…ん…ハァッ…っ」
朝からすでに熱くなっていた身体がどうしても反応してしまう。
先輩「湯本ってエロいんだな…」
いよいよ唇が首筋に下りてきてしまう。
K「ッぅあ…やだ…っ」
シャッ…
ベッド周りのカーテンが勢いよく開く音がする。
R「嫌がってますけど」
聞き馴染みのある声に視線を移すと、そこにるいくんがいた。
次の瞬間、先輩の首根っこを掴み、そのままベッドから引きずり下ろす。
先輩「っうわ…!」
バランスを崩しながらも体勢を立て直した先輩はるいくんに鋭い視線を向ける。すでに臨戦態勢だ。
俺は手も足も出ないから、できるだけ穏やかに、事が終わるようひたすら祈るしかない。
R「すいません、こいつ俺のなんで」
あの冷たい目が向けられる。
2人の行方を見ながらも、「こいつ俺の…」と所有物のように言われたことに何故かドキドキしてしまう。
先輩「はぁ?誘ってきたの湯本なんだけど」
違うと言いかけたけど、否定は出来ない。誘ったと思われても仕方のない声だったから…。
るいくんがこっちを一瞥したあと、馬鹿にしたような笑み先輩に向ける。
R「先輩、ずっとかのんの事狙ってたでしょ」
先輩「は?」
え?
俺も何のことか分かっていない。
R「部活の時、こいつの事ジロジロ見てたの知ってるんで」
先輩「っ…!」
先輩の方に視線を移すと、顔を真っ赤にして、いかにも図星ですという様子だ。
それを見てるいくんは満足そうに笑うと俺の方に近付いてくる。
何か企んでいるような表情のるいくんがいつの間にか目の前にいて、
K「ッん…ッ…」
後ろ頭を片手で固定されて、唇が重なる。
ギシッ…
今度はるいくんの身体が覆い被さって来て、身体が熱くなっていく。
ッ…チュッ…ッ…
K「ッあ…るいくん…まだ…ッ」
先輩がいるのに…。
でも、求めていた感覚がやっと降りてきて、それを逃すまいとるいくんの両腕をギュッと握ってしまう。
ヌル…ッ
るいくんの熱い舌が首筋を這う。
K「ッハァ…んんッ…ぁッ…」
声、我慢出来ない…。
R「…ねぇ、いつまで見てるの?…」
イライラした低い声と顔が先輩に向けられる。
先輩「…っ…」
棒立ちになっていた先輩はハッとすると、舌打ちをして去っていく。
R「あ!俺らのことバラしたら、殺すから」
怒っている背中に低い声で脅しをかけると、 先輩の肩が一瞬ビクッと震えた。
殺すって…。るいくんが言うから冗談に聞こえない。
ドアが勢いよく閉まって2人だけになると、 身体の緊張が一気に解ける。
結局相手を怒らせてしまったけど…とりあえず助かった…?
るいくんの身体が離れる。そして、ベッドに腰掛けて深く溜め息をついた。
R「お前何やってんの?」
俯いたままこっちを見てくれない。
… 怒ってる…。
K「な、なりゆきで…」
R「ならねーだろ、こんなことっ」
K「ごめんなさ…」
るいくんが声を荒げるからつい謝ってしまう。
R「ガード低すぎるんだよ…かのんは…」
困り果てたような顔で頭を抱えてしまう。
るいくんのこんな姿は初めてだ。
K「気を…つけます…」
R「本当に気をつけられる?こんな顔して」
るいくんの手が頬を包む。
K「ッ…///」
R「顔赤いし目ぇ潤んでるんたけど…」
K「これは…」
これは…るいくんとの、あの時間のせい。
R「…他のやつに見せんなよ、そういう顔…」
そう言いながら、唇を噛む。
怒って押し倒されるのかと思ってたのに。いつものるいくんじゃない。
チュッ…
唇が静かに下りてくる。優しいキス。
もっと…。
自分からるいくんに近づく、
R「ごめん…」
だけど、包み込むように抱きしめられてしまう。 るいくんのサラサラの髪の毛から花のような良い匂いがする。
激しく来られると構えていた身体は、るいくんの胸の中で居心地が悪そうだ。
K「るいくん?」
R side
怖くてキスから先に進めない。身体は欲しがっているのに心が次の行動を引き留める。
また、かのんを汚してしまいそうだから。
名残惜しい。でも、衝動的になってしまう前にさっさと身体を離す。
R「先生たち戻って来るから」
K「そ、そうだよね…」
かのんは身体を引きずるようにベッドからゆっくり下りる。
R「今日はもう部活休めよ」
K「…うん…」
まだ目を潤ませているかのんが小さく頷く。
このまま返すのが心配だ。
R「途中まで送る」
K「…大丈夫…」
R「いいから」
K「っ…ほんとに大丈夫っ!」
かのんが半分怒ったような声で言う。
K「あ…ごめん…っ、……もう先に行って…」
自分の出した声に驚き、狼狽えているかのんを見て、 これ以上踏み込まない方がいいと判断する。
R「わかった」
不本意だが、かのんを置いて立ち去る。
かのんへの思いに気付いてから、どう立ち振る舞えばいいか、考え過ぎてしまう。
かのんが何を考えているのか、何を思っているのか、見ようとすればするほど濃い霧がかかったように見えなくなってしまう。
ねぇ、かのん。こうなってしまった関係から、前に進めるのかな。
Kside
熱く疼く身体を誤魔化しながらなんとか家に帰って来られた。その後は熱さを吐き出すための作業。
K「…はぁ…疲れた…」
ベッドに倒れ込む。
保健室での、るいくんの「ごめん」は何だったのだろう。
るいくんを求めた瞬間だった。
ごめん、もう飽きた。
ごめん、もう抱けない。
ごめん、もう興味ない。
ごめん、もう………
マイナスな言葉ばかりが頭に浮かぶ。
やっぱり、女の子がいいとかそうゆう理由だよね。 元々怖かったんだから、嫌だったんだから、それでいい。
なのに、るいくんにあれ以上触れてもらえなかった事が苦しくて仕方がなかった。
コメント
6件
めちゃくちゃ見るの遅くってしまったすみません🙇♀️マジで最高でするいがかのん助けるところめちゃ好き❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤
ほんとに1週間頑張ってよかったです😭るいくんがいい子すぎるしかのんくんも惹かれ始めてるしほんとにめちゃくちゃ読んでて面白くて通知が来る度さちこさんかな!?ってなります笑ずっと応援してます!続編待ってます︎︎!👍
うわわわわわ🥹🤍🤍🤍🤍 いい意味で予想してない展開が来て大横転です🕺🏻⭐️ 次も楽しみにしてますっ🤍