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沈黙を破ったのは、北朝鮮の震える声だった。
🇰🇵「ち、ちょっと……冗談じゃ、ないだろ……っ。こ、こんなの……」
北朝鮮は汗を滴らせながら、無意識に隣の中国の袖にすがりつく。
中国は北朝鮮を落ち着かせる為に優しく言った。
🇨🇳「落ち着け。我らが動揺してどうする。……今は考える時アル」
ロシアが冷たく言い放つ。
🇷🇺「考える…?どうやって首輪を外すかなんか、考えたって無駄だ。どうせ仕掛けられた時点で詰みだ」
その鋭い言葉に、再び空気が重く沈む。
視線を交わすことすら、互いを疑っているようで誰もできなかった。
――そんな中、ふいに軽やかな笑い声が響いた。
🇫🇷「……フッ。ねぇ、そんな顔しないでよ」
フランスだった。
フランスはわざと肩をすくめ、白いマネキンの破片を蹴り飛ばす。
🇫🇷「僕ら、まだ生きてるでしょ? だったら……せめて笑っとかなきゃ、やってられないじゃなん」
その軽薄な声音には、しかしどこか無理に張った響きが混じっていた。
フランスは誰の返事も待たず、ゆっくりとイギリスに近寄る。
🇫🇷「イギリス。君はどう思う?」
間近で囁くように言いながら、イギリスは不自然に距離を詰めた。
腕が触れそうなほど、顔を傾けて覗き込む。
イギリスは一瞬だけ眉をひそめたが、すぐに無表情を装った。
🇬🇧「……どうもこうもありません。生き残る為手がかりを探す、それだけです」
🇫🇷「そっか。でもさ……イギリスとなら、僕……」
フランスは唇に笑みを浮かべる。
🇫🇷「ううん、なんでもない。……とにかく、組まないか? 二人なら、きっと……」
その声音は甘く、震えを必死に隠しているようだった。
イギリスは沈黙したまま、フランスを見返す。
わずかに開いた唇が――ほんの一瞬、冷たく歪んだ。
🇬🇧「貴方と、組んでもいいですよ」
フランスとイギリスがわずかに距離を詰め合うのと対照的に、残りの三人は自然と輪をつくっていた。
北朝鮮は落ち着かず、袖を握ったまま中国に縋る。
🇰🇵「なぁ、中国さん……どうする? 俺、こんなの耐えられない……」
🇨🇳「…大丈夫アルよ」
中国は優しく北朝鮮を諭す。
🇨🇳「声を荒げれば、余計に狙われるだけアル」
ロシアが鼻で笑った。
🇷🇺「冷静ねぇ……。お前は、冷静に人を切り捨てる顔をしてるな」
その声音は低く、氷のように硬い。
中国は目を細め、短く言い返す。
🇨🇳「何が言いたいアルか?」
🇷🇺「……別に」
ロシアは視線をそらし、壁に背を預けた。
緊張を察して、北朝鮮は慌てて声を挟む。
🇰🇵「ち、違う! 中国さんを疑うとか、そういうのじゃない! 俺は……俺は中国さんと一緒なら……」
🇨🇳「……」
中国は何も答えず、ただ黙って北朝鮮を見下ろす。その沈黙が、かえって彼の胸を締めつけた。
少し、ギクシャクした瞬間――
「フッ……」
軽い笑いが背後から混ざった。
振り返れば、フランスがイギリスの隣で、何かを囁き合っている。
なぜだか、2人の距離は不自然なほど近かった。
🇰🇵「……何を話してるんだ?」
北朝鮮が小声で呟く。
ロシアは無表情のまま二人を見据えた。
🇷🇺「さあな。だが、あいつらは最初から気安すぎる」
中国は目を細め、視線を逸らす。
🇨🇳「……信用できんアル」
三人の疑念をよそに――イギリスとフランスは、誰にも聞こえないほど小さな声で言葉を交わしていた。
🇫🇷『……ねぇ、もしもここから出られなかったら……』
フランスの声には、冗談めかした響きがなかった。
🇫🇷『……僕は、イギリスのそばにいたい』
イギリスは一瞬だけ眉を動かした。だけど、すぐに感情を消し去ったように淡々と返す。
🇬🇧『……何を言ってるんですか…貴方にそんな弱々しい態度は似合いませんよ』
ほんの一瞬、フランスの目が揺れた。
だが次の瞬間には、他の三人から見える位置に顔を向け、いつもの軽薄な笑みを浮かべる。
夏休みの宿題多すぎて病むんだけど。
ではまた!