テラーノベル
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病院に着いたのは深夜3時半を回っていた。
陣痛の間隔は2分を切っている頃。
破水した羊水が太ももを伝って、車椅子のシートをびしょびしょに濡らしていた。
「はぁっ……、 」
滉斗は手を握りながら、看護師に叫ぶ。
「間隔1分半! 破水してます! 」
分娩室に運ばれる。
元貴はベッドに押し倒されるように横たわり、足を大きく開かされる。
先生がゴム手袋をはめて内診すると、すぐに顔をしかめた。
「子宮口全開です」
「もう頭が見えてる……自然分娩でいけますが、かなり強い痛みになりますよ」
「麻酔は間に合わないかも」
「自然分娩で、、いいです……っ」
元貴の額は汗でびっしょり。髪が顔に張り付き、唇が震える。
酸素マスクを付けられても、息が苦しい。
「うあああっ…!」
下半身が火事みたいに熱い。
会陰が引き伸ばされ、焼けるような痛み。
「元貴頑張れ!息吸って吐いて!」
看護師が「いきんで!」と叫ぶ。
元貴は歯を食いしばる。
「ふぅぅぅぅっ、…」
鮮血が太ももを伝い、シーツを赤く染まる。
頭が少しずつ出てくるたびに走る激痛。
「頭出ました! 次で肩! もう一回強く!」
先生の声が遠く聞こえる。
元貴は涙と汗で顔をぐちゃぐちゃにしながら、最後の力を振り絞る。
「うわあああああぁぁぁっ」
肩が出て、続いて胴体が滑り落ちる。
大量の羊水と血がドバッと噴き出し、ベッドを濡らす。
そして――。
おぎゃあああっ、おぎゃあああっ!
赤ちゃんの泣き声が、部屋中に響き渡った。
「男の子! 元気ですよ!」
「っ、よかったぁ……」
看護師が血まみれの体をタオルで拭き、すぐに元貴の胸に置く。
元貴は息も絶え絶えに、震える手で赤ちゃんを抱き寄せる。
「…僕の、赤ちゃん……」
血と羊水で汚れた体が、赤ちゃんに触れる。
滉斗は涙で顔をくしゃくしゃになる。
「ほんとにありがとう…元貴……っ」
コメント
1件
ほぁぁぁあ✨ 感動すぎる mtk、wkiおめでとう👏お疲れさま😌💓