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カイが彼氏だったら…
「」me
『』カイ
心の中
休日の朝。
カーテンの隙間から差し込む日差しが部屋を明るく照らしている。
それでも私は布団を頭までかぶって、あと少しだけ眠ろうとしていた。
すると玄関の鍵が開く音がした。
合鍵を持っているのは、一人だけ。
『……まだ寝てる。』
聞き慣れた少し低めの優しい声。
私は薄く目を開けたけど、眠気には勝てなくてまた布団に潜った。
コツ、コツ。
ゆっくり近づいてくる足音。
ベッドの横に座った気配がした。
『おはよう。』
「……んー。」
『それ返事?』
「……おはよぉ。」
『まだ寝る気でしょ。』
「うん……。」
小さく笑う声が聞こえた。
『やっぱり。』
頭を優しくぽんぽんとなでられる。
その手があったかくて、余計に眠くなる。
『今日はデートって言ったの誰だっけ?』
「……私。」
『そうだよね。』
少し意地悪そうに笑う。
『じゃあ起きようか、お姫様。』
「あと5分だけぇ……。」
『昨日もそれ言って20分寝てたよね?』
「今回はほんとに5分。」
『信用ないなぁ。』
そう言いながらも、カイはスマホを見て時間を確認した。
『じゃあ本当に5分。5分経ったら起こす。』
「約束?」
『約束。』
私は安心して目を閉じた。
……
『5分。』
「……。」
『起きる時間。』
「あと1分。」
『増えてるじゃん。』
「お願い。」
『ダメ。』
布団を少しだけめくられる。
「やだぁ。」
『ほら。朝ごはん買ってきた。』
「え?」
『好きなパンとカフェラテ。』
その言葉で勢いよく起きる私。
『……食べ物には勝てないんだ。』
「えへへ。」
『現金。』
そう言いながら笑っているカイ。
結局怒るどころか、私が起きたことを嬉しそうにしていた。
支度をして外へ出る。
『今日は暑いね。』
サラ
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「うん。」
歩き始めると、人がどんどん増えてきた。
私は少し人混みが苦手。
すると何も言わず、カイが手を差し出した。
私は首をかしげる。
『ほら。』
「え?」
『人多いから。』
「大丈夫だよ?」
『いや、大丈夫じゃない。』
「え?」
『迷子になったら困る。』
「子どもじゃないもん。」
『知ってる。でも俺が困る。』
そう言って少し照れたように笑う。
私はその手を握った。
『……うん。』
少しだけ嬉しそうな表情。
『ちゃんとつかまってて。』
「離さない?」
『離さない。』
その一言だけで胸がいっぱいになる。
信号待ち。
カイは自然に車道側へ移動した。
「またそっち歩くの?」
『当たり前。』
「いつもそうだよね。」
『癖かな。』
「危ないじゃん。」
『危ない思いするなら俺でいい。』
「そんなこと言わないで。」
私が少し不安そうな顔をすると、カイは困ったように笑った。
『大丈夫。ちゃんと守るから。』
その言葉は冗談じゃない。
真っ直ぐで、優しかった。
ショッピングモールに着くと、かわいいアクセサリーのお店を見つけた。
「かわいい!」
『見てくる?』
「いいの?」
『もちろん。』
私は夢中でアクセサリーを見ていた。
すると店員さんが話しかけてきた。
「彼氏さん、とても優しそうですね。」
私は少し照れて笑う。
その横でカイは、
『そんなことないですよ。』
と言いながらも、少し照れていた。
私があるネックレスを見つめていると、
『気になる?』
「ううん、見てるだけ。」
『ほんと?』
「うん。」
『欲しいなら言えばいいのに。』
「高いし……。」
『値段で諦める顔、好きじゃない。』
「でも……。」
『これ、似合う。』
そう言って店員さんから受け取ると、私の首につけてくれた。
鏡を見る。
すごくかわいい。
『ほら。』
「でも高い。」
『俺がプレゼントしたい。』
「いいよ。」
『いいの。』
「でも…。」
『彼女が嬉しそうに笑う顔を見るほうが価値あるから。』
その言葉に胸が熱くなる。
帰り道。
急に雨が降り始めた。
「うわっ!」
『こっち。』
腕を引かれて屋根のある場所へ。
『濡れた?』
「ちょっと。」
『風邪ひく。』
そう言うと、自分のパーカーを脱いで私に着せた。
「カイが寒いよ。」
『俺は平気。』
「平気じゃないでしょ。」
『……心配しすぎ。』
「だって彼氏だもん。」
その瞬間。
カイは少し黙ってから笑った。
『その言い方ずるい。』
「え?」
『そんなこと言われたら断れないじゃん。』
私は笑う。
カイは私の前髪についた雨を優しく払って、
『顔、冷たい。』
と心配そうに見つめた。
『今日はこのまま帰ろう。』
「まだ遊べるよ?」
『無理しなくていい。』
「でも…。」
『デートって長く遊ぶことじゃない。』
「え?」
『笑って帰れること。』
私は思わず立ち止まる。
『だから今日はここまで。』
「……うん。」
『その代わり。』
「?」
『来週もデート。』
「ほんと?」
『約束。』
「やった!」
嬉しくて思わず抱きつくと、
『……急だな。』
口ではそう言うのに、腕はちゃんと抱き返してくれる。
『そんなに嬉しい?』
「うん。」
『かわいい。』
「え?」
『……今の聞かなかったことにして。』
「ちゃんと聞こえた!」
『忘れて。』
「やだ。」
『……ほんと調子狂う。』
耳を赤くしながら目をそらすカイ。
ツンデレなのに、大事な言葉はちゃんと伝えてくれる。
帰り道も手は離さず、駅に着くまでずっと隣を歩いてくれた。
改札の前。
『着いたら連絡。』
「うん。」
『家帰ったらちゃんとご飯食べる。』
「うん。」
『お風呂入って、髪乾かして、夜更かししない。』
「お母さんみたい。」
『誰のせいだと思ってるの。』
「えへへ。」
少し笑ったあと、カイは私の額を軽く指でつついた。
『また来週。』
「寂しい。」
その一言に、カイは少し困ったように笑ってから、私の頭を優しくなでる。
『俺も。』
その短い言葉だけで十分だった。
『だから次会うまで、ちゃんと元気でいて。』
「約束。」
『約束。……じゃあ、またね。』
最後まで優しく笑うその姿は、本当に王子様みたいで。
少しツンデレなのに、誰よりも大切に想ってくれて、どんな時もそっと守ってくれる。
そんな彼と過ごす毎日は、何気ない一日でさえ、特別な思い出になっていくのだった。
最後まで読んでくれてありがとう!
このままスクロールして帰るのもアリ?
でも♡を押してくれたら、作者が画面の向こうでガッツポーズしますw
次も読みに来てねーーー
コメント
1件
うわあ、尊い……! 読み終わってしばらく放心してました。ツンデレで優しくて、でもデレるときはちゃんと甘やかしてくれるカイ、理想的すぎますね。 特に「笑って帰れること」って言ったシーン、胸にきました。長く遊ぶより、一緒に笑って帰れる方を選ぶ大人の余裕と誠実さ。車道側を歩く癖とか、雨の日にパーカーを貸す流れも、無理がなくて「このカイは本当にこういう人なんだ」と納得させられました。 あと店員さんに「彼氏さん」って言われてちょっと照れてる二人が可愛くて仕方なかったです。5話でこれだけ愛情が詰まってるの、すごいと思います。連載続きが気になります!