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めっちゃ面白いです これからも頑張ってください
無名の君との約束
俺:奏多
君:沙耶
今日は高校の卒業式だ
(あー、俺は告白出来ないのかな)
そう考えながら、校長の話を聞く
俺は高一からずっと君が好き
君はみんなに好かれていた
君との接点は委員会だけだった
友達 「おーい、もう卒業式終わったぞー
早く行くぞー 」
俺「ごめん、考え事してた」
友達「おー、沙耶ちゃんのことか〜?笑」
俺「うるせぇよ」
友達「告白しろよ、後悔するぞ?」
俺「うーん、」
友達「最後くらい勇気出したらどーだ?」
俺「うん!そうする、告白するよ!
沙耶のこと探してくる」
友達「おう、頑張れよ」
教室には君の姿がなかった
ふと、外を見た
君が上向いて桜を見ているのが見えた
俺は走った、君のところへ
沙耶「どうしたの?そんなに走って」
俺「沙耶、俺は沙耶が好き、高一からずっと」
顔を見ると君は笑っていた
俺は笑った顔を見て愛おしいと思った
少し悲しい表情もともにしていたことに気づかないくらい愛おしかった
沙耶「私も好きだよ、でも付き合うことはできないかな、」
俺「どうして?」
沙耶「ねえ、約束してくれる?5年後またここにきてもう一度私を好きって言ってくれる? 」
俺「うん、約束する、絶対行く待っててね」
そして、俺は沙耶とお別れをした
今はすごく後悔してる
無理にでも一緒にいたいとそばにいたいと伝えれば良かった…
5年後……
俺は今、桜の木の下にいる、あの日同じ場所だ
俺「ねえ沙耶、約束覚えてる?俺、ちゃんとい るよ」
「ねえ、何か言ってよ」
そう言って俺は笑ってる君を見つめる
俺は後悔している、笑ってる君は俺の手のひらくらいの大きさのスマホの中にいる
なんで教えてくれなかったのだろう、病気だったのならなんであの約束をしたんだろうか
あの時のように君が上を見て笑っていたように俺も上を見あげた
俺「紙?何か挟まってる?」
俺は桜の木の間に挟まっているものをとった
俺「これは、手紙?」
その手紙には俺の名前が書いてあった
この字、見たことがある
それはいつも君が真剣にノートに写している字にそっくりいや、君が書いた字だ
君からだとすぐにわかったよ
ずっと、ずっと真剣に授業を受けていた君、友達と話して笑っていた顔、色んな君を見ていたんだから、
俺はそっと手紙を開いた
奏多へ
本当は渡そうと思ったの、でも言えなかった
だから、最後に奏多とあった桜の木に隠しておくね
私ね、病気だったんだ
医者には、治らないって言われたの
約束するつもりはなかったのでも、好きだったから、大好きだったから、あなたとたくさん笑ってあなたと結婚して子どももいて幸せな家族になりたかったの
だから、少しでも長く生きられるように治療して約束の場所に行けるように頑張ったんだよ
でも、約束守れないから手紙を書いたの
ごめんね、約束、守れなくて
ごめんね、悲しい思いをさせて
ごめんね、言えなくて
手紙はここまでだった、俺は泣いていた
きっと君も泣いていたんだよね
だって、手紙には君の涙で名前が消えていて誰が書いたかわからないから
俺「これじゃあ、、誰が書いたか分からないじゃん 」
無名の君へ
俺はずっと君が好きだよ、ありがとう
待っててね、俺がたくさん生きて最後まで生きて楽しいこと幸せだと思ったこと悲しかったこと、たくさん覚えておくからその時は笑って話聞いてね、またね
初めてで長くなってしまいました、すみません