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亮の部屋に入ると、机の上にはレポートや教科書が散らばっていた。
悠真はバッグを置き、椅子に腰を下ろす。
「で? 急に来たけど、課題でも手伝えってか?」
亮が缶コーヒーを投げてよこす。悠真は片手で受け取り、プルタブを開けた。
「いや、ちょっと顔出しただけだよ。……最近、あんまり来れてなかったし」
その言葉に、亮はじっと悠真を見た。
「……ふーん。なんか、妹(咲)のこと気にしてんじゃねえの?」
缶を口に運ぼうとした悠真の手が、わずかに止まった。
「……何言ってんだよ」
笑ってごまかそうとするけれど、胸の奥が妙にざわつく。
亮はそんな悠真の反応を見て、にやりと口角を上げた。