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「……何言ってんだよ」
悠真はわざと気の抜けた声で笑い、視線を逸らした。
亮は机に腕を投げ出しながら、にやにやと続ける。
「図星だろ? 夏祭りん時から、なんか雰囲気変わったしな」
「……あの子はまだ受験生だぞ」
ようやく返した声は、思っていたよりも硬かった。
「俺がそんなふうに考えるわけないだろ」
亮は肩をすくめて、「まあな」とだけ言った。
だが、その表情はどこか面白がっているようでもあった。
悠真は缶コーヒーを握りしめる手に力を込めた。
(……違う。違うはずなのに)
胸の奥に芽生え始めている感情を、必死に押し殺そうとした。