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『愛重恋愛-アイジュウ レンアイ-』〜愛が彼を狂わせる〜
第2話 彼の嫉妬は可愛い
『ふふっ。新しい茶葉が手に入りました。早速主様に召し上がって頂きましょう♪』
ルンルンで主様の部屋に行った時だった。
ガチャッ。
『主さ――。』
『これバスティンがつくったの!?』
『あぁ。自信作だ。ムーの巨大バージョンの木彫りだ。』
『そっくりです!』
バスティン君とムーちゃんと主様が楽しそうに話していた。
『あ、主様。』
『あ、ベリアン!見てこれバスティンが作ったムーちゃんの木彫り!巨大バージョン!』
『可愛いですよね!』
『え、えぇ。とてもよく作られていますね。』
『これは主様の部屋に飾っておく。では俺はここで失礼する。』
バスティンはムーを抱えて部屋を後にする。
バタンっ。
『バスティンってホント器用だなぁ…。それで、ベリアン私に何か用?』
『あ、は、はい。新しい茶葉が手に入りましたので主様に召し上がって頂きたくて…。』
『やったぁ!ベリアンの選ぶ紅茶はどれも美味しいから楽しみ!』
『そ、それは良かったです。』
(どうしたんでしょう私、胸のモヤモヤが収まりません…。こう、締め付けられるような…。)
『お待たせしました。』
『甘い香り…いただきます。』
『ゴクッ。美味しい…。』
『それは良かったです。ご一緒にマドレーヌもどうぞ。』
『ありがとうベリアン。』
『はい。』
(きっとバスティン君との距離が近かったからモヤモヤしているだけです。でも…っ。)
『あのねベリアンさっきバスティンと話してたことなんだけど、本当にあのムー凄いよね。』
『え?あ、は、はい。確かに凄いですね。』
やめて下さい。
『私もあんな風に器用になりたいな〜。バスティンに教わろうかな。』
嫌です。
『今度一緒に……』
あなたは私だけのものなのに――!
欲望が溢れて気付けば主様をベットに押し倒していた。
ドサッ!
『っ…。ベリアン…っ?』
『……。』
私は主様を見下ろす。
『主様が好きなのは……私ですよね?』
『そうだよ。』
私とベリアンは恋仲の関係。それは当然のことだ。
『良かったです。私も主様のこと大好きですよ。愛してます。』
『ありがとう…。』
(ベリアン急にどうしたんだろう。)
嫉妬してるのかな…?私は可愛いなって思ってた。だけど……。
次の日。
ジャラッ
『え…?』
『これから私と過ごしてもらいます。』
ガチャンっ。
ベリアンは私の手首に手錠をつける。
『これでいつ何時も主様と一緒に居られますね♪』
『あの、ベリアン……ここまでしなくても私――。』
『怖いんです!!』
『!!』
『貴方が居なくなったら、他の人に目移りしたら……!考えるだけで気がおかしくなりそうなんです!!だからこうするしかないんですよ、分かってれますよね?』
『ベリアン…。分かった。気が済むまでこうしてよう。』
『ふふっ♪』
その日から――ベリアンは少しずつおかしくなっていったのだ。
次回
第3話 ズレてゆく何か