テラーノベル
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「こんな装置持ってたんだな、本部って」
「僕漫画でしか見たことないよ」
ライとカゲツがガラスに手をつき眺めている
そこには電話ボックスくらいの大きさのガラスで出来たカプセルの中で溶液にフワフワと浸かっている小柳君が居た
何十本のチューブに繋がれて‥‥
「カゲツも少しの間入ったんでしょ?」
「入ったけど寝てたから覚えてないよ。でもこの中だと怪我の治るスピードがめっちゃ早かった」
「カゲツ‥‥‥‥」
「あ‥‥ごめん‥‥星導」
カゲツも内臓などをやられ、この中で2日過ごした
そしてライはこの中に入るのを嫌がり、足にギブスを嵌めて車椅子で過ごしている
カゲツは2日で完治した
でも小柳君はもう2週間この中に居る
鉄筋が刺さっていた腹は完全に塞がり、見た目は何もなかった様だ
頭だってそうだ
それなのに小柳君は目を覚さない
「星導、俺達帰るけど‥‥今日もまだここに泊まるのか?」
「‥‥ん、まだここにいます」
「お前顔色悪いよ?たまには外に出たら?」
「そうですね。そうします」
ライ達が帰って俺は本部にある仮眠室に向かった
窓も何もない
ベッドと机だけが置かれた部屋
俺はあの日から小柳君の夢を見る
壁に叩きつけられ血を流しているのに助けられないという夢
せめて夢ならば助けられたら良いのに
夢でも現実を見せられている
「‥‥なぅ」
「オトモ‥‥お前出て来たのか?」
あの日以来キューブになったままずっと姿を現さなかった
「お前怪我とかしてないか?」
「にゃっ‥‥」
「元気そうだね。もしかしてキューブになってたら怪我が治るとか?」
「にゃう‥‥にゃーっ」
「‥‥小柳君とは違って何言ってんのかわかんないや」
「‥‥なーぅ」
「それにしてもちょっと汚いか?お風呂入れてあげますよ」
あの日のまま砂埃が着いた体だ
そして足元は赤黒く毛が固まっている
これは小柳君の血だろう
「どう?さっぱりしましたか?」
「なーぅ」
「喜んでるのかな‥‥やっぱりわかりませんね」
ドライヤー仕立てのもふもふの毛をペロペロと舐めている
そしてピョコンと床に降りると扉を爪で引っ掻き始めた
「なんですか?猫って散歩とか必要でしたっけ?」
「にゃっ‥‥にゃう‥‥」
「もしかして小柳君の所に行きたいんですか?」
「なーぅ」
「少しだけですよ。みなさん仕事してますからね」
俺はオトモを連れて小柳君の元に向かった
オトモはガラスの前で立ち上がり、覗き込む様に鳴いている
そのオトモをそっと抱え上げ、小柳君の顔へ近づけた
「なーぅ‥‥にゃぁ‥‥」
何度もガラスに手をついている
まるで起こそうとしているみたい
「お前のご主人様はまだ寝てるみたい。元気になるまで一緒に待ちましょう」
「みゃぁ‥‥みゃぅ‥‥」
「そんな悲しい声出さないで下さいよ。俺と毎日ここに会いに来ましょう」
俺はオトモを連れて部屋に戻った
そしてその日は小柳君のオトモと一緒にベッドに入った
その体は温かくて気持ち良い
だからなのか
今日の夢はなんだかふわふわしていた
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コメント
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/ こや~目覚まして、るべ が待ってるよ... るべ も こや の オトモ も こや の事めっちゃ大事なんだなって思えるカゲツやライも裏で泣いてそう、 続き待ってます!