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……翌日……
今日も俺はいつも通り城外周辺を走ろうと、門に向かっていた。
辺りは少し霧が濃く、先が見えにくい状態だった。
ゾム「今日は少し霧が濃いな…」
ゾム「これは訓練に使えるんちゃうか?」
ゾム「今日、仕事は何もないから沢山時間あるし…」
ゾム「………ん?」
ゾム「何か人影が見える……」
ゾム「敵か…?」
俺は敵に気付かれないよう そーっと近づいて行った。
相手は2人組で、何か話していた。
ゾム(何て言ってるか聞き取れへんな)
ゾム(まあええや)
ゾム(相手はまだ気づいてへんし)
ゾム(仕掛けるなら今や!)
ダダダダッ…!!
2人組「…!?」
2人組の内の1人「ゾム!!」
ゾム「!!」
ゾム(シャオロン!?)
ゾム「~~っぶねぇぇ!!!」
ゾムの拳はシャオロンの顔をギリギリ避け、ゾムはバランスを崩し、横に流れていった。
–エミさん視点–
ゾム「~~っぶねえぇ!!!」
エーミール「…………。」
今、何が起こったのだろうか。
私は 何が起こったかをすぐには理解出来ず、ただ呆然と立ち尽くしていた。
ええっと…? まず、いきなり誰かが霧から 出て来たと思うとすぐ隣に居たシャオロンさんに襲いかかった。 そして、 シャオロンさんがゾム!と叫ぶとその人は身体を捻り、攻撃を反らした…。
ということは、ゾムさんがシャオロンさんを襲おうとした犯人……?
…どうして??
……何故そんなことをしたのだろうか?
シャオロンさんを襲おうとした理由は?
状況を把握していくと、私の頭には疑問ばかりが浮かんできた。
シャオロンさんも同じらしく、ただポカンとその場に立ち尽くしている。
ゾム「すまん!」
ゾム「他国の敵やと思って殴りかかってしもうた…」
ゾム「怪我してないか?」
ゾムさんが申し訳なさそうにシャオロンさんを見つめている。
ゾムさんの声で意識を取り戻したのか、シャオロンさんが「大丈夫やで」と声をかけた。
その言葉を聞き、ゾムさんは安堵した様子を見せた。
エーミール(今日は霧が濃いし、誰か見分けがつかなかったんか…)
私も、ゾムさんが意図的にシャオロンさんを襲ったわけではないと知り、安堵した。
シャオロン「それにしてもゾム、昨日夜に仕事行ったんやろ?」
シャオロン「何でここにおんねん?」
シャオロン「もう、終わったんか?」
ゾム「殺すだけやったし、すぐ終わったで」
シャオロン「殺すだけいうても暗殺やろ?」
シャオロン「ほんま凄いなw」
ゾム「……そんな凄いことやないで」
シャオロン「そんな謙遜すんなよ~w」
ゾム「してへんよ…」
ゾム「………。」
エーミール(……?)
エーミール(怪訝そうな顔しとる…)
エーミール(何でやろう?)
エーミール(せっかく褒められてるのに)
シャオロン「ゾムはここに何しに来たん? 」
エーミール「確かに!どこかへ行かれるんですか?」
エーミール(夜の仕事もあったのに、休息とらんくてええんやろうか?)
エーミール(やったら、前の礼したいし、一緒に街に誘いたいな……)
ゾム「…俺は走りに来ただけや」
シャオロン「えっ!走るの!?」(大声)
シャオロン「こんな朝早くに!?」(大声)
ゾム「………お、おん」
ゾムさんは少し困惑したように返事をした。
エーミール(凄いな…戦闘のトップはこんな朝早くから起きて訓練しとるんか…)
ゾム「シャオロン達は今日は街に行くんやろ?」
シャオロン「せやで!」
シャオロン「そうだ!ゾムも一緒に街に行かへん?」
ゾム「えっ!?」
ゾムさんは驚いた顔をして、チラッと私の方を見た。
エーミール「一緒に行きましょうゾムさん!」
ゾム「お、俺もええの…?」
エーミール「…?」
エーミール「はい、この間のお礼もしたいですし、一緒に行きませんか?」
ゾム「!」
シャオロン「エミさんもこう言ってるし行こうや!」
ゾム「分かった…」
シャオロン「よっしゃ!」