jmside
帰り道、最近移動に使うようになった車を運転しながら、
なぜか胸騒ぎがした
今日は少し危なっかしいことも起きて肝が冷えたから、そのせいだろうと気を紛らせ、
でもやっぱり少し不安で、スピードを上げて家に向かう
家にたどり着くと、僕が毎日閉めてから行っているはずの外の門が、少し開いていた
それを見て僕の胸騒ぎは再熱し、確信に変わった
🐣「グガ、、、大丈夫だろうな?」
グクが散歩に出かけたのだろうと、後で少し叱らなきゃと、
救いを求めるように思考を苦し紛れにいい方へと変える
玄関の扉に手をかけると、、
ドアの鍵が開いていて、すっと開いてしまう
🐣「グガっっっ!!!!」
たちまち乱暴に開き、後ろ手に鍵を閉め、
家の中へ飛び込んだ僕の目に映ったのは
🐰「·····」
ぐったり倒れて身動きしないグクの上で、その頭を押さえつけ、
ゆっくりと、その首筋に噛み付こうとしているゾンビの姿だった
パンッ💥 パンッ💥
間髪入れず、銃を取り出して、ゾンビの頭を2発撃ち抜く
頭に残る、嫌なうめき声を上げて奴は、グガの上にばたりと倒れる
🐰「う”、、、、」
潰されてしまったグクが微かな声を上げた
それがあのゾンビの声と重なる気がして不安が募る
🐣「グガ、すぐ戻るから、、待ってて、、、」
もう首を噛まれているかもしれない、グクがゾンビになってしまうかもしれない、、
そんな不安で泣きそうになりながら、グガの上から死んだゾンビをどかし家の外へと引っ張り出す
もう慣れきったはずの処理作業が、焦りと恐怖で手が震え、ままならない
🐣「お願い、、お願いだから無事で、、」
震える足で必死にグガの元へ戻ると、まだうつ伏せにぱたりと倒れたままだった
🐣「グガ、、グガ、、、泣」
傍らに膝まづいて、恐る恐る体に触れると、ぴくりと小さく反応した
もしゾンビになっていても自分はこの子を撃てないと分かりながら、
でもグクの頭に銃を突きつけながら、肩を引っ張ってこちらに体を向かす
🐰「ん、、、う、、、、、」
その顔は真っ青になって血の気が引いていた
でもまだ浅い息をしていることに少し安心して、銃を軽く離す
上半身をゆっくり抱き起こして首に噛み跡がないか隅々まで確認した
🐣「ああ、、、、ない、、、泣」
一気に安堵して、僕の大事な愛おしい子を、ぎゅっと力の限り抱きしめた
🐣「よかった、、、、ぐすっ、、泣」
何年ぶりか分からないが、涙がこぼれた
🐰「ひょ、、、、ん、、、、?」
抱きしめる力を感じたのか体がぴくっと動き、グクが薄目を開く、
🐣「ぐが、、、、泣」
焦点があってきたその目が、僕の存在を認めた瞬間、
🐣「ぉわっ、、ちょ、、」
ばっと自分で起き上がったかと思えば、僕が後ろに倒れ込む勢いで飛びついてきて、
大きな声を上げて泣き出した
🐰「うわぁぁぁあん泣ヒョンごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい、泣泣」
僕は廊下の壁にもたれ掛かり、泣きわめくその体を優しく包み込んで、背中をトントンと撫でた
🐣「よかった、、ほんとに良かったよ、、ぐがが無事ならいいんだよ、、、もう大丈夫だからね、、」
どれくらいそうしていただろうか、
🐰「ぐすん、、ぐすん、、ヒック、、」
泣き疲れたのだろう、僕の服をぎゅっと握ったままこてんと肩に額をあててもたれかかってきた
でも、寝落ちできるような余裕はないらしく、
顔をそっと伺うと、怯えの色を含んだ目をしっかり開いていて、体は小刻みに震えていた
🐣「グガ、リビング行くか、?」
ふるふると首を振るグク
🐰「立てない、、力入んない、、泣」
🐣「いいよ運んでくから、、よいっしょっ」
グクの温かい体温に改めて安堵して、
ソファに抱えたまま腰掛ける
🐣「今日はもうお前から離れられんわ、、、
いい?」
🐰「ん、、、、離れないで、、泣」
お互いもう食欲もなく、だからといってあんなことが起きたあとで、灯りを消して寝られる訳もなく、
ただ静かに、お互いが生きていることを、一緒にいることを確かめるように、ひたすら抱き合っていた
そのままお互いの息使いだけが響く、静かな時間が経ったあと、
🐰「あのね、ヒョン ··········」
少し震えの治まったグガが、なにがあったのかを話し出してくれた
どうやらあのゾンビは、鍵の開いた玄関から忍び込み、人が戻ってくるのを、暗闇で息を潜め待ち伏せしていたらしい
しばらく抗っていたものの、案の定、グクの方が、体力の限界を迎えてしまい
頭を床に押し付けられて、本当になにひとつ動けなくなったのだという
そして、ゾンビの息が首にかかり、恐怖でグクの意識が飛んだ、、、その瞬間に、僕が家に入った、という訳だ。
本当にギリギリのことで、グクが助かったのは奇跡だった
🐰「··········。
だから僕が全部悪い、、ごめんなさい、、泣」
訓練を始めていた事になにも気づかなかった自分にも、
外に出るなときつく言っておかなかった自分にも、後悔と苛立ちしか浮かばなかったが、
十分すぎるほど怖い思いをしただろうし、ごめんなさいとまた泣き出す様子を見て
グガを叱る気にはさらさらなれなかった
もう一度強く抱きしめて、耳元で囁く
🐣「いいよ、ぐがが生きてるからもうそれだけでいい、、」
それが、疑いようのない本心だった
🐣「あと少し遅かったらどうなってたか、、、」
この大切な存在を失っていたことや、
なにより、この手でこの子を殺さなければならなかったことを想像すると、
無意識に身震いが起きて、グクを抱きしめる手に力が入る
🐰「なんで、、怒ってよ、、泣、ヒョン、、僕悪いことしたのに、、泣」
怒るとかそんなことより、自分が持っている、この子への愛情の大きさを改めて自覚して、
理性が効かなくなってきていた僕は、少し考えてこう答えた
🐣「分かった、、、グク、、
お仕置きね、もう僕我慢できない、」
『お前が愛おしすぎて』の言葉は隠して、ひょいっと身体を抱いたまま立ち上がると、
僕の純粋で可愛い子は、うさぎのような顔できょとんとしている
🐰「おしおき、、?がまん、、?」
🐣「そ、お仕置き」
それ以上は言わずに、グクを薄暗い寝室に運び、
そっとベッドに寝かせた
🐰「ひょん、、、?ここで寝るの?」
🐣「ううん、今日は寝かせないよ、」
ますますはてな顔になった愛しいその子に、
ゆっくりと覆いかぶさり、顔を囲うように腕をついて可愛い顔を見つめる
🐣「ごめんね、、、お前は僕のものって身体で証明しないと不安で耐えられない、、」
コメント
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おーーーーーー🫣 とうとう🐥ちゃん♥