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【クラスメイト視点】
朝の教室はいつも騒がしい。
柊学園一年の俺……拓海(たくみ)は、友達の男子たちと一緒に、スマホの対戦ゲームで盛り上がっている。
「よっしゃー勝ったぁぁ!!これで連勝だ!」
「クッソォォ!さっきも負けたって!お前ほんと強いよなー」
俺はスマホを持って、ゲームで連勝したのを周りの男子たちの前で自慢する。
「いーなー」
「俺ボロ負けだったのに」
「今日はゲームの話?」
後ろから聞こえた、優しげで凛とした声に、俺たちは振り返った。
「おはよう、拓海くん達、今日も一日中頑張ろうね」
声の主は、学年関係なく人気な、生徒会長の翠(すい)。
彼女は、俺らと同じ中学一年生なのに生徒会長になった子だ。仕事は完璧だし、誰に対しても優しい。分からないとこがあったら、彼女に聞けば分かりやすく教えてくれる。俺だってこの間、理科の授業で分からなかったところを聞いた。その後の理科のテストは、学年6位以内に入ることができた(俺のテスト、良くて10点〜30点の間だから)
「おう、おはよう翠」
翠はにこっと笑って、自分の席に座った。するとドアがガラガラと開いて、
「おはよ〜、ねむ……」
めっちゃやる気なさそうな、明るい声。彼は眠そうに目をこすりながら翠の斜め後ろの席に座った。
「おはよう。七番くん、昨日の生徒会の書類提出してないでしょ?今出せる?」
「え?あー、そうだった、はいこれ」
バックから書類を出して翠に渡した、眠そうな男の子……七番は、俺ら中1のムードメーカーで、いつも細長いケースを背負っている生徒会副会長(仮)だ。七番は、生徒会に入る人がいなかったから、副会長の臨時をしている。ただ七番はちょっと……変というか……本人は生まれつきだと言っている、赤と青のオッドアイ。まるでルビーとサファイアみたいな綺麗な瞳だ。ついでに顔も整っているから女子から人気。多分学園の半分の女子が七番の隠れファン……だと思う。
七番はいつも明るけど、朝にはすげー弱くて、1時間目はすやすや寝てる。
「ありがとう、七番くん。そういえば、1時間目は絶対寝ないでね、七番くんすぐ寝て先生に怒られるんだから……」
「はーい……」
「わかったならいいけど……って、寝てるし!起きて七番くん!」
翠が七番の肩を揺らしながら起こしている。七番はもうぐっすりしてて起きる様子はない。
俺は2人の様子を微笑ましく見ながら、ふと思った。
そういえば、七番について何も知らないな。
あいつと会って数ヶ月は経ったけど、名前を知ってるだけで、七番の好きな事とか、好きなゲーム、誕生日…………知らない。
どうして?俺はもうほとんどのクラスメイトの誕生日とか覚えてるのに、七番だけ分からない。
俺は七番をじっと見る。
七番は、いつもの明るい顔で翠と話している。俺は、そんな七番を見て思う。
あんなに明るいあいつのことをどうして知らないんだろう。
なぜか寒気がしたのは気のせいだ、気のせい。
俺と七番が話している間に七番は色々言ってくれてて、俺が覚えてないだけだ、絶対。
なのに、なぜだろう。
七番と一瞬目があって、そのオッドアイの瞳に見つめられたとき。
こんなにも寒気がするのは。
コメント
5件
こういう学園ミステリー(?)的なの大好きです!フォロー失礼します!
わぁ、こういうミステリー、めっちゃ好きかも
読了したわ!七番くんのオッドアイの描写が綺麗で引き込まれたし、表面上は和やかな学園生活なのに、拓海の「何も知らない」感覚と寒気が不穏でいいスパイスになってるね。日常に潜むミステリーって感じで続きめっちゃ気になる!るいさん、この空気感ほんと好き🔥