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nagi.
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李和
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2018年2月25日
「ふむ…」
自分に宣言された刑を聞いてもそれくらいの反応しかしない篝を見て俺はこいつは頭がおかしい、と思った
普通死刑と聞いたら慌てふためくだろう
だがこいつは一切そんな素振りを見せない
生への執着が無いのか或いは…
「ごめんな弁護士サン」
いつの間にか隣に立っていた篝秀一は俺に向かって謝罪をしてくる
「…なんのことですか」
驚きは顔に出さず尋ねる
「いやだって弁護士サン僕の証言とか聞いてめっちゃムカついてたやん」
「…いえ別にそんなことは………」
だったらなんで改善しないのか。そんな本音を抑えてメガネを押し上げる
あれ?今『僕』と言ったか?
いつも話をする時は『俺』だったのに
「そうや僕、控訴はせーへんわ」
「は?」
死刑が決まったのに?いやこいつならあり得なくもない
「っちゅーワケで、これでお別れやな。2年?くらいの付き合いやったけど、ありがとうな」
そう言って足早に去っていく
「あ、おいちょっと待って!」
その声は届かなかった
2016年8月13日
「はい。殺しましたよ」
本当に殺したのか。ただの愉快犯じゃないのか。という問いに対しての答え。
あまりにもあっさり認める。潔さだけは一番だと思った
「うーん…14年前から?仕事なので」
「いや、理由もなにも、言ったじゃないですか、仕事だって」
「俺だけですよ。賭けてもいい」
「あの4人?さあ、皆目見当もつかないですね。俺は興味ないので」
「え?そんなことも聞かれるんですかア?恥っずかしー」
いつから人を殺しているのか、なぜ殺したのか、ほかに協力者はいるのか、身元不明の4人との接点は、何人殺したのか
何を聞いても手応えがない回答しかない
「はあ…まあ防犯カメラは見ましたので事実だということは分かっています」
「うん。じゃあ減刑しかないですね。心神喪失が良い。」
「しんしんそーしつ?なんですかそれ」
惚けたような、わざとらしいような声音で聞いてくる
「…精神がおかしい状態で人を殺したということです。これで無罪になったケースもありますよ」
メガネを押さえながら答える
「へー、でも、僕は心神喪失じゃないですよ!」
なぜか胸を張って答える
「はあ…あとは自分がやっておくのでもう二度と口聞ないでください」
そう吐き捨てて自分の部屋から追い出す
本当は事務所から追い出したかったがそれこそ通報されそうなのでやめた
はア、暇やなア
何時間景色が変わってないんやろう
外が見たい…
ああ、来世は…鳥がいいな
空を飛ぶ自由な鳥
ああ憧れるなア
こんなせっまいところやなくて
「おい。いつまでボケっとしてんだ」
唐突に呼ばれる。いつもの看守だった
「ああ、ええっと名前なんやったっけ」
「お前に名前で呼ばれる筋合いはねえよ」
「ああそう、まだ点呼まで早いけどなんの用?」
「今日は好きなモン食わせてくれるんだとよ。良かったな」
「最後の晩餐ってヤツ?テンション上がる~」
「なんだ知ってたのか」
「うん。そりゃモチロン。ホントにあるんだね~」
「ああ。で?何が食いてえんだ」
「うーン。今日はホールケーキが食べたい気分んだなア」
「へえ、処刑台ってこんなんなんだア」
「おい、黙って歩けねえのか」
「ごめんなさあい」
「ちっ…」
愉快な会話をしながら訪れた場所は処刑台であった
「あ、そうや、あれ届けてくれた?」
「おい…いい加減黙れ」
「あはっ怒られた」
「………」
なんやみんな、つれへんなあ
と思っている間に目隠しを付けられる
「最期になにかありますか?」
「無いね」
「では」
数秒、もしくは数分の沈黙
浮遊感と窒息感
最期に感じたのはそれだけだった
空を、飛んでいる
青い、澄み切った空。
──自由だな
刹那に見た走馬灯はあの時みた鳥だった
この物語はすべてフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切関係ありません
コメント
11件
弁護士にすら呆れられる男……あまりにも正直すぎる つまり???「興味がない」ってのは嘘なんですか篝さん…というか協力者…いるんですね…結局4人がやられた理由が分からなかったのでそこと関係…あるんですか?
ある意味救われたのだろうか……
篝はウソを吐くときだけ「俺」を使ってます つまり???