*第八話* . 居なくならないで _ 。
征四郎はなぜ僕に背中を向けているのだろう
なぜジュノを連れてきたのだろう
… 征四郎は何を望んでいるのだろう …… ?
僕が考え事をしているうちに征四郎は僕の部屋を出ようとした
すかさず “ 待ってよ征四郎 ” と声をかけたが
そのまま部屋を出て行った
僕 、 何かしたかな … ?
征四郎のことは忘れてないよ ?
ジュノのことを忘れていたのがショックだったの ?
僕がおかしくなっていくから悲しいの ?
征四郎は … 、 何を思っているの …… ?
僕はジュノに “ なぜここへ来たの ” と問いかけた
するとジュノは …
「渡海先生が僕に泣きながら “ 来い ” と言ったんです 。
なんのことか分かりませんでしたけど 、 天城先生を見て 、 渡海先生が泣いている理由も理解ができました 。
渡海先生 、 きっと心配しているんです 。 」
ジュノはなんていい子なんだ …
僕はそんないい子を忘れていたなんて … 。
征四郎は僕のことを心配しているんだね
僕は心配されても 、 どうもできないのだけどね … (苦笑
僕は逆に 、 征四郎のことが心配だ 。
征四郎は何かと一人で抱え込むからね 。
仮眠室とやらに征四郎は居るのだろうか ?
今は一人にしておいた方がいいのかな …
早く行かないと 、 また忘れてしまうね 。
ジュノと向かうとしよう。
部屋を出ようとする僕の足をジュノは止めた
「天城先生 、 もう少しあとで行きましょう 。 今はきっと 、 ダメなんです 。 」
やはり今はダメなんだね … 。
泣いているところを見られたくないのだろうか … ?
“ もう少しあとに ” … 、 僕は覚えているのかな 。
征四郎 … 、 我慢しないでね …… 。
僕も 、 最善を尽くすから … 。
居なくならないで …… 、