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次の日,私はいつも以上に早く起きた。スカイはまだ寝ている。日もまだ出ていなかった。
「…私がエルフじゃなかったら何になるんだろ。」
唯一風属性が合わなかった私。もしエルフじゃなかったら…人間かな。ふふ,人間になったら何をしてみたいかしら。まずは…まずは…。
「なにニヤニヤしてるの?」
「え。」
ごほん,スカイに見られていたのはさておきホテルを出ようと思う。スカイも準備ができているみたいだし。中央のエントランスに部屋の鍵を置き,私たちはホテルを出た。
「本当に寒いね。」
「えぇ,ここはよく冷えるから防寒具は必須ね。指定されたギルドがある場所はもっと冷えるわ。」
スカイは息で手を温めていた。それほど寒いとは思わないけど,これも人間とエルフの違い?
「えっと…コンパスはあっち,北を指しているわ。」
これは方角を教えてくれる特別なコンパス。このコンパスに行きたい場所をセットするとその場所がある方角を教えてくれる。これはどこにでも売っているから無くしても潰しても大丈夫ってわけ。
「本当にこのコンパス…便利だな。」
「えぇそうでしょ。」
町を出て私たちは北へ進み続けた。何時間も進むにつれて景色がどんどん木だけになってくる。歩くのに少し疲れてしまった私は鞄の中から水入りボトルを出した。
「ふぅ。…スカイもいる?」
「すみません,じゃあ貰います。」
幸い二本ボトルがあったから一本はスカイのものにした。スカイは地面に座りこんで水を飲み始めた。私は近くに何か食べることができるものがないか偵察した。数分辺りを見渡していると赤いキノコを発見した。
「ねぇスカイ。これ食べてみてよ。何かあったら回復してあげるから。」
「やだよ。」
はぁ,それぐらいやってくれてもいいじゃない。そう思いながら私はキノコを一口食べた。…ちょっとひりひりするかな。人間が食べたら死ぬことは間違いなさそうね。
「スカイ,絶対これ食べちゃだめよ。」
「いやさっき食わせようとしたのはエアリスだろ。」
「ふふ。」
まぁこのキノコが食べれないとしても違う種類のキノコがあるし,食べれる草もあるでしょう。生き物だっているはずよ。
「…よく食べれるな。」
「しゅかい…こえおいしいわお。」
見た目は変な青いキノコと黒い野草。これがすごくおいしい。スカイもきっと気に入ってくれるわ。…これをどこで手に入れたかって?青いキノコは沼地,野草は洞窟に生えていたわ。見た目で判断するのはよくないわね。
「…美味い。」
「でほ?」
「…そんなことよりエルフの概念がぶっつぶれた。」
なによ概念って。人間にも個性があるようにエルフにもあるのよ。全員のエルフが聖女のような美人だと思わないで頂戴。
「さて,食べ物も集まったことだし出発しましょうか。」
「分かったよ。その前に水だけ汲んでくる。」
「早く帰ってきて頂戴ね。」
スカイは水場があったほうに向かって走っていった。
「遅い。」
あれから数分がたった。スカイはいまだに帰ってこない。
「まさか魔物に襲われてるんじゃ…。」
そう思いスカイが行った方角へ向かった。水場があった場所ははじめいた場所から2分もかからない程度で着く。もしかしたら迷子になったかとは思ったがこの森は道が整備されている。迷うほどではない。
「スカイ~。いたら返事して。」
返事はない。それよりもこの森,静かすぎる。スカイと話していたからわからなかったけど風の音も,鳥のさえずりも聞こえない。それどころかこの森,植物がキノコと野草しかない?こんな森初めて。
「…!コンパスが回転してる?」
コンパスが狂ってしまった。これではコンパスの意味がない。
「ふふ,初めましてエルフ。」
「誰!」
後ろから声が聞こえた。後ろを振り向くとそこには誰もいない。
「ふふ,上ですよ。上。」
上?入れた通り上を向くとそこには羽の生えた人間…魔族がいた。どうして魔族が…?人間界に魔族が…魔界からやってきた。
「人間界の者よ,私たちは怒りに満ちておる。」
「どうして。」
「私たちが何をした。なぜおまえらは私たちを攻撃するのだ。」
先に攻撃してくるのはいつも魔族。だから私たちは魔族を攻撃する。この天人魔界大戦争の始まりも魔族が原因。その魔族が被害者面するのはおかしいと思うわ。
「あなたたちのせいでしょ。知らないわよ。」
「そうか,そうか。では…異空間,展開。」
「くっ!」
魔族の攻撃…?何かを唱えると目の前の景色は森ではなくなった。私,どうなっちゃうの!
to be continued→