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目の前は真っ黒な森。さっきの魔族は居なかった。どうしよう,今でこんなに雑魚なのにいきなり魔族に遭遇しちゃったよ。
「スカイ~!」
私はスカイの名前を叫んだ。反応はない。スカイはここにはいないのだろうか。私は動かないほうがいいとは内心思っているが動かなかったときはその時で怖い。
「もうなんなの___え。」
何かを踏んだ。カチッという音が聞こえる。これは…やってしまったかもしれない。落とし穴だった。そのスイッチを押してしまった私はみるみる穴に落ちていく。
「きゃあああああ!!!!!」
あぁ,私ここで死ぬのかな。そう思い目をつむった。床に体が落ちて血まみれに…なってない?
「エアリス,大丈夫?」
横を向くとそこにはスカイが。なんでスカイがここに?それに…
「きゃあ,え,抱いてる?」
「あっ,これは違う,えっと…ごめん。」
急いで私はスカイの腕の中から降りた。こういうのは恋愛ものでするものであってこういう物語ではやらないのよふつうは。そんなことよりスカイってちゃんと男の子なのね。こんな大きな私を抱けるし,それに気づいて顔は赤くなってるし。
「で,なんで死んでないのよ。」
「え,死んでほしかったの?」
「違う。」
スカイはふう,とため息をして壁を指さした。そこには大きく穴が開いていた。もしかして…
「技連発してダメージを最小限に抑えたんだよ。その時に魔力使いすぎて…休憩してたらエアリスが降ってきた。」
「それは…ごめんなさい。」
本当に申し訳なかった。休憩してた時にまた体力使わせっちゃって。けどここに落ちなきゃスカイは見つけられなかったと思うし。
「じゃあ…進む?上は行けなさそうだし。」
「分かった。用心深くね。」
青白い松明だけが壁にところどころある。よくあるダンジョンに見えなくもない。しかし魔物の気配が一向にしないのはどうしてだろう。
「魔物,魔物,魔物…」
「あの,エアリス。なんかさっきから同じ景色なのは気のせいかな。」
同じ景色って言われても苔の生えた壁,青白い松明。何もかも同じすぎて区別なんかできないわ。
「じゃあ試しにこの…からのボトル,ここに置くよ。」
スカイはボトルを置き,前に進んでいく。私もまさかと思いまっすぐ進んだ。だが,数分も経たないうちにあのボトルが見えてきた。
「本当ね。でもどうして…曲がったりなんかしてないのに。」
「多分,何かの魔法がかかってるんだと思う。魔素がほんのりと感じれるから。」
「ねぇスカイ。この壁,魔素がちょっと強くないかしら。」
魔素は魔力を使うためには欠かせないもの。この魔素は空気中に多く存在するものでかなり便利なの。けどその反面,魔法を使うために魔素が多い場所にいると魔素中毒という病気になってしまうことがある。
「スカイ,この壁壊せる?」
「うん。…疾風斬!」
壁が壊れて煙が出てくる。それと同時に魔素が出てきた。その先にいたのは…
「え。」
何かの魔法を生み出している魔族がいた。私が会った魔族とは違って羽が生えていない。それになんだかチャラそうな見た目をしている。歯はとがっている。魔族の代表的な者だ。
「えっと…やっべ。」
「か,観念しなさい!この私,エアリス様はなんでもお見通しよ!」
この魔族は羽がないから上に飛ぶことができない。ということは逃げ場はないの…よ?
「はっ,これはまだ序章にすぎねぇ!じゃな!」
「えっ!?」
嘘ぉ,羽がなくても魔族って飛べるの?ちょっと飛んで消えた!?意味わかんないんですけど!スカイに話すため後ろを向き,再度前を向くとさっきのダンジョン?は跡形もなく消えていて,そこには今までいたいつもの,普通の森だった。コンパスも通常になっていた。
「スカイ,このことギルドに言うわよ。」
「う,うん。」
私は日が落ちかけている空を見てから,ノーアバリスまで急いだ。…スカイに何かをかけられたということは知らずに。
「あの人間,もしかしたら使えるかもしれないな。」
「だからあの魔法,かけてやったよ。」
天人魔界大戦争の勝利は俺たち魔族が勝ち取る。あの日の無念を晴らすのだ。魔王様の意思を俺たちが引いていく。
to be continued→