テラーノベル
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❤️「柔、…?」
❤️「柔、柔っっ、!」
教室いっぱいに広がる血の匂い。
目の前には、酷い姿で 完全に意識を失っている柔。
🤍「………、」
❤️「……?」
❤️「柔、?」
柔の指が少し動く。
すると瞼もゆっくりと開く。
🤍「……しゅ、ん………」
❤️「っ柔、!」
❤️「とりあえず、病院行かな、」
🤍「…しゅん、」
❤️「ん?…どうしたん?」
🤍「お、れ……がん…ばった、よ…?」
❤️「っっ、」
🤍「……ほめ…て、?」
❤️「うん、うん。偉い。ほんっとうに偉い。柔は世界一偉いよ。」
❤️「よく頑張ったな、本当に。」
🤍「ぇ、へへ…」
か細くて、今にも消えそうな声だけど、
それでも心は芯がある。
我慢強くて、ひとりで抱え込む。
そんな彼を、俺は強く優しく、抱きしめた。
❤️「…柔?」
🤍「…………」
❤️「っっ、」
褒めて貰えて満足したのか、そのまま柔はまた意識を落とした。
❤️「なに、褒めてもらうために目覚ましたん、?」
❤️「こんな時まで、欲に真っ直ぐなんやな笑」
❤️「これからは、俺が絶対守るから。」
ん、ここは…?
どこ、なにここ、、
なにもなくて、ほんとになにもないとこ。
『おや、久しぶりの客だ。』
🤍「?…だれ?」
『私は、…______』
🤍「え、?ごめ、聞こえなかっ」
『聞こえなくて良いこともあるのさ。』
🤍「え?」
『ところで、君は今、どんな状況かわかる?』
🤍「え、えーっ…と、」
なぜだか上手く思い出せない。
思い出せるのは、自分の大切な人の存在だけ。
『君はαにいじめられたΩ。生死をさまよっていたんだ。』
🤍「…は?」
🤍「おれ、死ぬの……?」
『勝手に決めつけないでおくれよ。』
『ついさっきまで、君は生死をさまよっていた。』
『だが、一人の者が君を救ってくれた。』
🤍「それって…」
『君の”番”。』
🤍「っ!…しゅん!?」
『そう。”番”は特別な力を持っているからね。』
『普通、あれぐらいなら致命傷ではあるが死の可能性はなかったんだよ。』
『だけど、君、”番”とまともに話してなかったでしょ。』
🤍「っそれは…っ!」
『それで少しずつ身体も弱っていって、追い打ちをかけるように暴力が注がれた。』
『もし、あの時彼が来ていなかったら、君はほぼ確定で死んでいた。』
『あの時来たのが、彼じゃなかったとしても。』
🤍「……。」
『それは、君の”番”も一緒。』
🤍「…ぇ?」
『君と話してないことで、彼も気付かぬうちに少しずつ弱っていってる。』
🤍「っっそんな、!!」
『それにここ最近は君が目を覚まさないから、余計にストレスが溜まって悪化しているんじゃないかな。』
🤍「うそ…、しゅん、おれの、せい、っ」
『まあまあ、そんな気負いすぎないで』
『あともう少ししたら君は目を覚ます。』
『その時には、彼にちゃんと感謝を伝えて。』
『そして、たっくさん愛して、愛されるんだよ。』
🤍「…うん。わかってる。」
『そうじゃないと、これまでで弱ってきた君らの身体は治らないからね。』
『それじゃあ、行っておいで。』
🤍「あっ、ねえ!」
『ん?』
🤍「やっぱり気になる。君は何者なの、?」
🤍「おれ、今現実では意識がないんだよね?」
🤍「君は人間、?」
『……。』
『…Ωの始祖。』
🤍「……………ぇ、」
『人類初のΩだ。』
『Ωっていうのは、すーぐこうやって酷い扱いをされて死にかける。』
『身分が低いから仕方ないけど。』
🤍「…っっっ、」
『だから始祖である私が、こうやって生死をさまようΩを助けてあげるのだよ。』
🤍「じゃあ、君も生まれた時からΩだったの、?」
『私は普通の生まれ方をしていないからね。その過程でΩになったのかもしれない。』
🤍「じゃあ…君が居たせいで、俺は……」
🤍「……ぁっ、ごめ…っ」
『ふふ、いいのだよ。』
『こんなの言われ慣れてきたさ。』
🤍「ね、αの始祖は?」
『………。少し前に、どこかへ行ってしまったよ。』
🤍「…?」
『もしかしたら、君の近くにいるかもね?』
🤍「どういう…」
『例えば、君の”番”であるαくんとか。』
🤍「………は!?!?」
🤍「…ん、?」
❤️「……、柔?」
🤍「あ、舜っ!」
❤️「柔っ!!!!!!」
強く抱きしめられる。
🤍「わっ、」
❤️「もぉぉぉぉほんっっと心配したんやでぇぇぇぇぇぇ」(泣泣
🤍「ちょ、ちょ、泣いてる!?」
❤️「泣くやろこんなん!ずっと目覚まさんくて、寂しくて、心配で、…っ」
🤍「……ごめんね。」
❤️「謝らんといて、柔は…っ、悪くないから……」
🤍「……おれ、何日寝てた?」
❤️「1ヶ月弱。ほんま長かったで」
🤍「え、1ヶ月…!?!?、!」
❤️「でももう目覚ましてくれたからええの!」
🤍「勉強追いつけるかなぁ、舜教えてね」
❤️「当たり前やん!」
🤍「…………あ、あの、…さ」
❤️「…?、どしたん」
🤍「その、舜は、どこまで、知って…」
❤️「……うん。全部。」
❤️「…この話題になると随分顔色悪くなってまうなぁ、」
❤️「元々顔色あんま良くないのに…、冷や汗も止まらんやん、、」
そう言って俺の頬を舜が優しく触る。
🤍「…っ、」
❤️「ま、無理もない、よな……」
❤️「あいつ、退学したで。」
🤍「……ぇ、っ!?」
🤍「舜が言ってくれたの、?」
❤️「うん。元々知っとったしな、」
🤍「え、何を…」
❤️「柔が放課後、殴られてたこと。」
🤍「え、いつ、から」
❤️「様子おかしいなって気づき始めた日やから…、屋上で、話しかけないで欲しいって言われた日からやな。」
🤍「!?、は、はや…」
❤️「あっ、知ってて助けんかった訳じゃないからな!?」
❤️「情報収集しとった。」
🤍「情報、収集、…?」
❤️「あいつのことぜんっぶ調べて、いっその事今までの悪事全部警察に突きつけてやろ思って。」
🤍「でも、なんでその子だってわかって…」
❤️「言っとったやん。『その子の恋を応援したいから』って。」
❤️「あいつ、俺のこと好きなんやろなぁって薄々気づいとった。」
❤️「それに、自分の恋の邪魔者を消そうとすることも。」
🤍「っっ、」
🤍「じゃま、もの…」
❤️「俺にとっては生きがいなのにな。」
❤️「おかしいよなーーーー」
そう言ってまた俺を強く抱きしめる。
ただ、彼の目は笑っていなかった。
❤️「柔を傷つける奴はこの世にいらん。」
❤️「しかも年齢詐称して在学してたから今務所やで。笑笑」
🤍「え、年齢詐称…?」
❤️「そう。とっくに成人済みだったみたい。」
🤍「や、やば…っ」
❤️「メッセージとかめっちゃ来てたから俺未読無視してた。電話来た時は焦ったけどな。」
🤍「え、あの既読早い舜が…?」
❤️「それ、柔だけよ。笑」
🤍「ええ…!?」
❤️「とにかく!今学校に柔を汚す不届き者はおりません!なので安心してください!」
🤍「……うん。ありがと、」
そう言って俺がにっこり笑うと、舜は驚いたような顔をした。
🤍「舜?」
❤️「いや、柔の笑顔、久しぶりに見れたなぁって。」
❤️「嬉しく、なってしもて…っ」
🤍「あ、え、ちょ、…え、?」
🤍「今泣く!?!?」
❤️「うぅ〜〜っ、だって…」
🤍「あーよしよし、泣きやめ〜〜っ」
🤍「……、これからは、俺きっともっと笑顔になるよ。」
❤️「!!」
🤍「舜がいるからね。笑」
❤️「うぅ〜〜〜〜っっ!」
🤍「ええちょ、ごめんって!!!」
❤️「ぜったい、っ!約束よ!!!!」
❤️「もう俺の言葉無視したりせんといてなっ!?」
🤍「……っ、しない。しないよ。絶対しない。」
🤍「舜、大好き。」
🤍「え、しゅん、寝た?」
寝顔…可愛い。
子犬みたい、笑
そうやって舜のことをまじまじと見てると、あることに気づいた。
舜、ちょっと痩せた、?
本当にわずかだが、前より少し細くなった気がする。
目にもうっすら隈。
そこで、ある言葉を思い出した。
『君の”番”も、君と話せなかったことで少しずつ弱っていってるんだよ。』
ひとつ思い出すと、パンパンだった箱の蓋が空いたかのように、たくさんの言葉が蘇ってくる。
“αの始祖。”
🤍「舜が、αの、始祖……」
❤️「……ん、」
❤️「あれ、…おれ、……寝てた、?」
🤍「爆睡してたよ」
❤️「まじかーごめん!」
❤️「最近なかなか疲れ取れんくて、、笑」
🤍「……」
🤍「…ねえ、舜がαの始祖って、ほんと?」
❤️「……え、?」
思い切って聞いてみたが、やっぱり聞かないほうがよかったかなとか、場違いだったかなとか考えてしまう。
❤️「………誰から聞いたん、」
🤍「……Ωの、始祖の人、、」
❤️「…………そっか、」
❤️「どうやらそうらしいんよ、俺、αの始祖の生まれ変わりらしくて、笑」
❤️「ほんとは、1ヶ月話せないとか、それくらいで”番”の相手は体調崩したりせんのやけど、」
❤️「始祖とか、最初の方の人って、敏感らしくてな、、」
❤️「生まれ変わりだから、αが強くて、」
❤️「柔が倒れて、病院行った時から、ずっと体調良くなかったんよ、」
🤍「え、、」
❤️「なんなら、柔とまともに話さなくなってから。」
❤️「おれが話しかけてるといえど、返事はもらえんし、目も合わない、」
❤️「苦しかった」
🤍「……っっ、」
❤️「柔の方がよっぽど辛いのにな、笑
何言うてんのやろ、俺。」
🤍「そんなことっっ、」
❤️「俺、元々そういうの敏感やし繊細なんよ、」
❤️「それにαが重なって、さらに重くなった。」
❤️「勉強も、集中できへんくなったし、」
❤️「学校は何とか保ったけど、家で倒れることとか何回かあってな、笑」
🤍「……っっ、」
そんな、、
おれ、、なんかより、
おれなんかより、、
しゅんのほうが、よっぽど……、
ごめんなさい。
あ
3,604
はる☻
37,846
コメント
3件
うわあ……第6話、めちゃくちゃ切なくて、でも温かくなれる回だった……🥺 まず、柔が目を覚ましたシーン、ほんとによかった。 「おれ、がんばったよ…? ほめて…?」って、あの声がもう耳に残ってる。 自分を犠牲にしてでも耐えてた柔が、やっと舜に甘えられたんだね。 あと、Ωの始祖が教えてくれたこと、すごく重かった。 「君の番も弱ってる」って言葉が、あとで舜の体調不良の話に繋がって、胸がぎゅってなったよ。 舜もずっと無理してたんだな……。 それでも、最後に「大好き」って言える二人が、本当に尊いです。 はるかさん、この優しい世界をありがとうございます😢🤍