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君からの告白を振ったあの日、私は君の家に連れ込まれた。抵抗虚しく拐われたわけだが、君は私を本当に愛しているのだろう。暴行、暴言などの私を傷つける行為は決してすることなく、衣食住が整い健康的な生活が約束されている毎日。ただし常に君の視線、言葉、感触が付き纏った。
最初は君が目を離すたびに逃げ出そうとした。食料の調達や外との連絡で君が部屋から出るたびに、外から出るヒントを探していた。天井の空調には届かなかった。外を見る天窓のようなものはあったが、物を投げて当てただけじゃびくともしない。多分防弾とか、そういう感じの強いやつ。ドアは君が行き来するところしかなく、君に気づかれず抜け出すことはできそうにない。どうしようもなかった。
あれから何日が経過しただろうか。いつの日か生活にも慣れ、すっかり君のしつこい愛に溶けてしまっていた。ご飯を一緒に食べ、お風呂から出ればドライヤーと櫛を通してもらい、そのまま一緒に同じベッドで眠る。君が酷いことをしないこともあって、今はとても快適でとても幸せでだ。
君となら、このまま一生を共にしても良いのかもしれないと思えてしまうくらいには、私の感覚は捻れてしまったようだ。