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/ᐠ。ꞈ。ᐟ\ノ
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.·⟡零花⟡.·((みさ))
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ああ、もう、イギリスの意地っ張りっぷりが辛すぎるわ……!39度8分の熱で「武者震いだ」って、そんなの誰が信じるんだよ!でも、大英帝国としての責任感がそうさせるんだろうな。アメリカとフランスが慌てて看病する姿にグッときたし、フランスの「朝から様子がおかしいと思ってた」って後悔の言葉がズシリと来た。次は素直に頼ってほしいなあ、この頑固紳士には。
「まだだ……これくらい、どうということはない……」
重い頭を無理やり振って、イギリスはデスクに山積みになった書類へペンを走らせた。
視界は焦点を結ばず、文字がまるで黒い虫のように歪んで蠢いている。体内を灼けるような熱が駆け巡り、関節の一つひとつがギシギシと悲鳴を上げていた。額から流れる冷や汗が、ポタリと手元の用紙に落ちて滲む。
(倒れるわけにはいかない……。僕が滞らせれば、世界会議の進行全体に影響が出る……!)
大英帝国としての変なプライドと責任感が、逃げ道を塞いでいた。
「おい、イギリス。さっき渡した資料のチェック、終わって……って、お前すごい汗だぞ?」
声をかけてきたアメリカに、イギリスはすかさず書類で顔を半分隠し、できる限り平然を装った声を絞り出した。
「……フン、大げさな奴だな。ただの部屋の空調のせいだ。資料ならとっくに目を通した。次をくれ」
「え? でも、手……めちゃくちゃ震えてるぞ?」
「……ただの武者震いだよ。君の雑な書類に呆れているだけだ」
強がりを吐き捨て、イギリスは無理やり立ち上がろうとした。
だが、その瞬間に猛烈な眩暈が襲いかかる。世界がぐにゃりと反転し、視界の端から急速に黒い闇が広がっていった。
「あ……くっ……」
壁に手を突いてなんとか耐えようとしたが、膝の力が完全に抜け、身体が崩れ落ちる。
「おい、イギリス!!」
寸前でアメリカが伸ばした腕に倒れ込むようにして、イギリスの意識はプツリと途絶えたのだった。
「おい! しっかりしろ、イギリス!!」
抱き留めた身体の異常な熱さに、アメリカは息をのんだ。服の上からでもはっきりとわかるほど、イギリスの体温は跳ね上がっている。荒い息を吐きながら、イギリスの意識は完全に途絶えていた。
「フランス! 救急箱! いや、それよりベッドだ!!」
アメリカの大声に驚いて部屋に駆け込んできたフランスは、倒れ込む二人を見て即座に状況を理解した。普段の軽口は一切封印し、素早くイギリスの首元を緩める。
「やっぱり……! 朝から様子がおかしいと思ってたんだよ、あの分からず屋!」
二人は協力してイギリスを応接セットのソファへと横たえさせた。アメリカは急いで氷嚢を作り、フランスは冷たい水で濡らしたタオルをイギリスの額に当てる。
「熱、何度あるんだ……? めちゃくちゃ熱いぞ……」
「さっき体温計で測ったら39度8分だったよ。……まったく、あんな状態になるまで我慢して仕事なんて、相変わらずバカなんだから」
氷の冷たさに、イギリスはうなされるように眉間にシワを寄せ、「……う、……まだ……書類……」と途切れ途切れに呟いた。
「もう仕事のことはいいから寝てろ!」
アメリカは呆れと心配が混ざったような声を出しながら、倒れ込む直前までイギリスが握りしめていたペンを優しく手から取り外した。その手は熱で真っ赤になり、かすかに震えている。
「僕たちに頼るのが、そんなに嫌なのかな……」
「今更でしょ。あいつの意地っぱりは今に始まったことじゃないよ」
フランスは溜め息をつきながらも、手際よくイギリスの掛け布団を整えた。
「……でも、倒れるまで一人で耐えさせる前に、僕たちが気づいて無理にでも止めなきゃいけなかったね」
静まり返った部屋に、イギリスの苦しげな寝息だけが響く。
世界を背負ってきた頑固な紳士が完全に折れてしまう前に、二人は彼の側を離れず、静かに看病を続けるのだった。