3、好きと嫌い
私は相田みゆのことが好きではなくなってきたのかもしれない。好きというのは恋愛感情のことではなく友情という意味だ。きっかけはきっと部活の大会で電車に乗った時だろう。
それは帰りの時だった。
私の住んでいるところは田舎で電車は1時間に1本。2両しかない電車も多い。私たちはボックス席に向かい合うのように座っていた。
私は大会で疲れて眠ってしまっていた。ふと目を開けると相田みゆと隣に彼氏がいた。
「え?」
私は寝起きで状況が理解できなかったため困惑した声しか出すことができなかった。また寝ようと思ったが目が覚めてしまって寝ることも叶わなかった。前の2人を見ないように外を見たり、目を瞑ったいたりした。だけど視界に入ってくる2人が気になってしょうがなかった。顔を限界まで近づけ喋っていて、彼氏は相田みゆが買ったお菓子を貪り食っていた。相田みゆの足に手に着いたカスを落としていたのを見て心の中で最悪などと思いながらいた。相田みゆはこんなことも愛おしいと思っているのか何も言わずに手で振り払っていた。
彼氏とは同じクラスでクラスの半分ぐらいの人達から嫌われていた。理由はあっちが嫌うからだ。私も何故か嫌われている。私は何もしてこないから嫌いではなかった。好きでもないけど。ただ今のこれを見て嫌いになった。付き合っているからといってなんでもしていいわけが無い。非常識だろと思ってしまった。自分の足に落とすならまだいいとして、他人の足にカスを落とすなど常識があったらやらない。
この後、駅に着いてそこで解散となった。私は親に車で迎えに来てもらっていた。
車の中でスマホを確認すると相田みゆからLINEが来ていた。
『急にごめんよ。申し訳ねぇです』
と来ていた。時間的には電車に乗っているときに来ていたらしい。きっと彼氏が自分が元々座っていたところに戻った時だろう。私は謝るぐらいなら最初からやるなよと思ったがそれは心の奥にしまって、『いいよ』と送った。
『ぐっすり寝てたね笑』
相田みゆがそう送ってきた。
『うん笑』
『みゆは寝てなかったね』
『他の学校がいるようなところであんま寝ようと思わんかった。』
『最後の方限界で寝ちゃった笑』
他の学校がいるようなところで寝たくないのにイチャイチャはできるのかと思ってしまった。
私はこの時から相田みゆのことが友達として好きからあまり好きではないに変わってしまったのかもしれない。これを読んだ人で彼氏とイチャイチャしていて嫉妬していると感じる人もいるかもしれないが、公共の場でイチャイチャをしているのを見て迷惑だと感じるのは普通ではないかと思う。それも目の前で。
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