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ループの中で迎えた7月5日の夜。
6人は校舎の奥深くに隠された断片を求めて動いていたが、疲労と焦燥が徐々に心を蝕み始めていた。
「こんなに繰り返して、何の意味があるんだ…」海里が震える声で言う。
「諦めるなよ、まだ可能性はある」秋冬が励ますが、その目には不安が滲んでいた。
天音は皆の前に立ち、声を強めた。
「私たちは仲間だ。助け合わなきゃ、絶対にこの地獄から抜け出せない」
しかし、その言葉が響く前に、舞が突然立ち止まり、顔色を変えた。
「ちょっと待って…誰かいる」
廊下の影の中から、赤い人が現れた。
だが今回は違った。彼女の目は、いつもよりどこか悲しげで、叫びにも似た痛みを含んでいた。
「カラダ…探して…」その声は儚くも切実だった。
「助けが必要なのかも…」天音の心に新たな疑念が芽生えた。
その瞬間、断片の一つが突然光を放ち、6人の間で光の糸が繋がった。
「これが鍵かもしれない」敦司が言う。
しかし、喜びも束の間、赤い人の攻撃で海里が重傷を負った。
「逃げて!」天音は叫び、仲間を引き連れて逃走した。
逃げながら、天音は考えた。
「赤い人も救わなきゃならないのかもしれない」
だが、疲れと恐怖は友情の亀裂も生んでいた。
「お前、本当に信じてるのか?」秋冬と敦司が口論を始め、場の空気は険悪になった。
それでも天音は諦めなかった。
「みんなで力を合わせるしかないんだ」
閉ざされた校舎の中、彼らは決して一人じゃないと信じ、静かな約束を交わした。
「明日を迎えるために」
午前0時の鐘が再び鳴り響き、物語は新たな局面へと動き出す。