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はい、どうも
久し振りにアメイギに沼り始めました
結構前から好きなんですけど、最近はイギインに沼りまくってたんですよね
で、改めてアメイギを書こうと思うと、めっちゃ暗くなるっていうね
いやぁ、なんでだろうなぁ…
ということで、報われないアメイギです
注意点
・政治的意図はございません
・史実はありはしますが、BL風にはしてるのでちょっと違うかな
・アメイギですが、イギアメ感もあるかも
・最終バドエンです
・もう一個入れてるCPあるから、気をつけてね
・ちょっとアメリカがヤンデレっぽいかも?
それでは…どうぞ
「なあ、父さん!俺、独立したんだぜ!」
最初はそんな自慢だった
スーツはあんまり好きじゃないのにわざわざ着た頃の話だ
あの時は父さんを助けたい!って想いだけで、独立した
「わぁ…すごいですね。うれしいですよ、こんなに、立派で…」
あの時、父さんは泣いてくれたよね
さすがにそれは焦ったけど、それくらい喜んでくれるのがすっごく嬉しかった
俺だけが父さんの全てを担ってる気がして
期待に答えないとって胸を踊らせていた
それで、父さんの手伝いをしようと、アジアの島国に開国を申した
そこで可愛い子も見つけたけど、父さんよりは綺麗じゃなかったな
やっぱり、俺は父さんが好きだったから
…でもね
弟のカナダからこんなことを聞いた
その島国の開国を俺が先にやったから、英帝…祖父が怒ってたんだって
そんなの別にどうでもいいだろうにね
でも、それが父さんに向いたって聞いた時、色々思い出しちゃった
それで、怖くて、分かんなくなって、泣いちゃった
カナダは俺のせいじゃないってきっぱりと言ってくれたよ
でも、どうしても自分のせいだとしか思えないんだ
…昔、父さんをその祖父と一緒に傷つけたことがあった
あの時はただ心の抑揚に任せてやっちゃってたけど、今思えば、罪悪感で苦しい
それと同じ感覚が疼いて、嫌われたかなって不安になって、しばらく泣いてた
不思議なんだ
ずっとずっと、ぼろぼろしずくがこぼれてきて、溢れ出て、仕方ないんだ
それで、自慢の息子で居たいなって思うんだ
…もう無駄かもしれないのにね
まぁ、そんなこともあったよ、俺には
それが過ぎて過ぎて、もうどれくらい経ったか分からないけど、久し振りに親父と会ったんだ
後ろ姿だけで分かった
まったく変わってないように思えた
背は低くて、体も細くて、脆くて、すぐ壊れそうで…正直、触るのをためらうくらいほどに
でも、見つけた瞬間、すぐ駆け寄って、手をぎゅっと柔らかく掴んだ
なにか言わないとって口を開いたけど、いいセリフだなんて出てこなかった
なにを言えばいいか分からなかったから
だから、出てきたのは、こんなこと
「…このあと、カフェでも行かないか?」
ほぼ口説き文句ともいえるセリフだ
でも、きっと思いは伝わると信じてた
なのに…
振り返って、聞こえたのは、見えたのは、ちょっと違ってた
「ふふ、馬鹿らしいセリフですね。まだ初心で子供のようで…」
にこやかに意地悪く笑って、そんなことを親父は言っていた
…明らかに、祖父みたいだった
…間違えただろうか?でも、顔からして、明らかに親父のはずだ
「…親父?」
ちょっと不安になって、そう聞く
「えぇ、イギリスですが?どうかしました?」
うっすらと笑みはあるものの、声には抑揚が無くて、機械とでも話してるみたいだった
それに、涙が溢れてきた
…なんで、泣いてるのかは分からないけど、親父に見せたくなくて、手を握ってない方の手で顔を隠す
「悪い、人違いで…」
そんなよく分からない言い訳をして、手を離して、去ろうとする
でも、親父が手を握ってきた
「あなた、アメリカでしょう…。私の息子以外のなんなんですか、まったく…」
少し呆れたような表情を親父は見せた
ほんの少しだけだけど、それだけでもう嬉しかった
「…カフェ、行くんですよね?」
親父がそう言ってきて、虚を突かれる
てっきり、行かないとでも思っていたから
「えっ…あ、あぁ」
「曖昧な返事ですねぇ。約束したのは、あなたなんですから」
…えっ、これ、責任取れって言われてる?
そうやってドキドキしてると、親父は手を引いて、歩いていく
それに、されるがままで、俺はカフェに親父と一緒に行くことになった
意外と手を繋がれてたのは一瞬で気づけば、カフェについていて、たったさっき、注文が終わった
「で、どうしたんです?ただ、カフェに誘っただけじゃないでしょう」
向かい合う形になって、座ってるからかもしれないが、親父が腕を組んでると、尋問されてるように感じれて、少し緊張する
はやく、ドリンク来ないかな…
そう思ってても、仕方なくて、とりあえず、ずっと聞きたいことを聞くことにした
「その、すっげー直球に聞くけどさ、親父って俺のこと嫌い?」
あんまり聞きたくもないが、気になってうだうだして、へこんでるよりはまだいいと思っていたから、素直に聞いた
それに対する親父の返答はというと…
「はぁ…質問に質問で返さないでくださいよ」
ため息を吐いて、失望したかのようにそうやって言われて、体がつい縮こまる
「…ごめん」
下を向いて、俯いてると、続けて、親父がこう言った
「で、嫌いか、ですか。…別に、どちらでもないですね」
…ということは、半分嫌いで、半分好きってこと?
「…俺の、どこがダメ?」
完全に自信を失くしきりながら、小さくそう呟く
ほぼ、聞かれてなかったらいいなくらいで
「…ダメなところなんてないと思いますよ」
「…えっ」
そうやって親父に言われて、バッと顔をあげる
「これ、ドリンクで…」
そんな店員の声が聞こえた気がしたけど、それよりもよく聞こえた
「お父様を超えた時点であなたはもう既に立派ですし、子供っぽいところも愛嬌があっていいですし、これといって思いあたりませんよ」
…ならっ
ガタンッとテーブルを揺らして、立ち上がってこう言う
「親父、俺のこと好き?」
それに親父は、見向きもしないで、店員の方を向いていた
「すみません、紅茶とコーヒーですよね。ここに置いといてください」
それで、つい親父の手を握って、顔をムニッて掴んで、こっちに向かせる
「だからっ、親父はっ、俺のこと好きなのっ?」
「あ、そうです。そこら辺に置いといてください。はい、すみませんね、本当に」
親父は結局、店員と話してる
目線までわざわざ、あっちに向けて
やっぱ、俺のこと嫌いなのかな…?
あんなに褒めてくれてたのに…?
「…まったく、なんであんなにギャンギャンあなたは喚けるんですかね?店員さん困らせてましたけど」
そうやって、親父は平然と言うから、そのまま、答えてくれるかなって思ったけど、俺の手に手を重ねてきた
「…で、恥さらして満足じゃないんです?恋人みたいなことしてないで、さっさと離してくださいよ」
「答えるまで離さないっ」
もう一回頬をムニッてして、親父に顔を近づける
…このままキスしよっかな?
でも、答えを聞いてからが…
「…好きか、でしたっけ。別にどちらでもありませんけど?」
じゃあ、半分好きってことだな
でも、半分嫌いってことでもある
だから、キスはおあずけにした
もう二度とすることもないと思うけど
ぱっと親父から手を離して、座った
「ちぇ、残念」
「舌打ちはやめなさい」
珍しく、親父に注意される
…親父、変わったなぁ
つい、顔がゆるむ
「はーい」
「返事は短めですよ」
「はいっ!」
…これだけなら良かったのにな
もうこれで親父のことは諦めたよ
代わりに開国した時の島国で見つけた子を気に入って、今は追いかけ回してた
親父のことは助けたかったよ
でも、もう無駄だった
手遅れだったんだ
俺がいなくなってから、なにがあったのかは知らないけれど、親父は変わった
また、カナダに色々聞いてみたけどさ
結局は分からずじまいだよ
なんで親父が変わったかってのは
ただ俺が言いたいのは…
「親父にとって、俺は立派な息子でいれた?」
…銃で、撃ち抜いた俺が