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Brkn想定
メランコリーキッチンリスペクト
原曲めっちゃ好きなので聞いて下さい
…
どうも彼の顔は整っていると、つくづく思う
時折、彼の横顔を見つめていれば教室に並んだ机のように
そこに当たり前に存在するものとして認識してしまう
無論、顔だけでなく髪色も、その顔に遜色ない色を醸し出すものだから
余計に僕は、彼に夢中になっている
彼はスーパーで買ってきたポテトチップスをかじりながら、少し味薄くない?なんて文句を垂れる
「ちょ、っぶるーく!泡吹き出してるって!」
その姿があまりにも自然だったもので、ふと見つめていれば
逆さに持っていた塩の瓶は永遠と鍋へ結晶を落とし続け
ずっと火にかけていたお湯は耐えきれないと言わんばかりに沸騰し
鍋の中で踊っていたパスタはふにゃふにゃに茹で上がっていて
焦ってパスタを上げるが、柔らかすぎて湯切りの間にどんどんと短くなっていった
試しに一本、とパスタを口に含めばあまりに多い塩分に咳き込んでしまった
どうも彼といると調子が狂うようで、今日は別々に寝ようとソファーに身を沈める
提案したのは自分なのに、どうも彼の温もりが淋しい
何度も身を捩って寝返りを打てば、僕はこんなに小さかっただろうかなんて邪に思考する
それがどうも嫌な気分がして
無駄に考えたくなくて、思考をシャットアウトするように目を瞑った
その夜はどうも、彼のことを夢に見た
くだらない言い争いで喧嘩をして
彼を不安にさせて泣かせてしまい
ふと笑わせてくれる優しい顔の彼を
目覚めたときはやけにその夢が鮮明に蘇った気がした
キッチンはいつまでも静寂で、僕の高ぶる思考までもが冷静になるような気はする
カーテンも揺れることはなく、まるでキッチンだけ時が止まっているように感じる
「えいっ」
それでも僕が風を送るとふわりふわりとなびいて、時間はどこも共通に動いている
いえないな
彼は一人で生きていけるよ
僕に縛られないで生きて、なんて
『僕、ずっときんさんと一緒にいるんだ〜!』
『あは、なにそれ。言われなくても一緒にいるって。』
僕らの未来について、思えば思うほど妄想が溢れて
きっと氷河期が来たとしても、僕らは僕らなりの愛でずっとそばにいるんだろうって
何度も笑って、笑って、笑い疲れるくらいに
僕らの世界はそうやって作り変わっていく
僕らの望む明るい未来のために
僕が感じていた余計な憂鬱も、彼はスープのように匙で掬っては咀嚼して
ごくんと飲み干してしまった。
何食わぬ顔で此方を見る彼
僕がきんさんに何回救われたのか、きっと彼は知らないから
明日彼と目があったら、そのときは素直に好きと、いえるだろうか
「⋯ん、なにかついてる?」
「ッえっ、あぁいや、なんでも⋯」
どうも彼の頬や鼻筋は整っていると、つくづく思う
まるで教室に当たり前に机が並んでいるように
彼の顔が当たり前にそこにいるように錯覚してしまう
そんな彼に見惚れて今日もいちにち過ごしていく
砂糖の分量を間違えて食べられる領域を超えてしまったチェリーボンボン
なれない手つきで無理やりオーブンに押し込んだ結果異臭を放ったタルトタタン
再度諦めずに手を動かす張り詰めたキッチンの端
限界の電池をはめ込んだタイマーは画面が薄くなっていく
いえないな
料理だけは好きになれなさそうだなんて
「きんさぁんもう僕できなぁい」
「ぶるーくならできるって、俺応援してるよ?」
僕らの思いについて、声を出して
次こそ恥ずかしがらないで、彼に好きだと言えるように
何度も笑って、笑って、笑い疲れるくらいに
やっと許容できた世界のような皿を抱えて
湯気を上げる皿の一口目を掬って
嬉しそうに息で冷ましては僕に差し出してくれるんだ
「⋯ん、おいしい」
「しゃあ俺にもあーんして。」
「いいよっ、まずいとか言わないでね?」
そんな優しい彼に僕が何回救われたのか、もしもきんさんが知っていたとしても
明日、明日も会えたらその時こそ、好きだと言葉にできたらいいな
「ん、美味しいよ。さすがぶるーく。」
「へへ、でしょーっ!」
もう一度
何度も笑って、笑って、笑い疲れるくらいに
僕らの世界はそうやって作り変わっていく
僕らの望む明るい未来のために
僕が感じていた余計な憂鬱も、彼はスープのように匙で掬っては咀嚼して
ごくんと飲み干してしまった。
「ッねぇきんさん!」
何食わぬ顔で此方を見る彼
僕がきんさんに何回救われたのか、きっと彼は知らないから
「どうしたのぶるーく、」
明日も会えたらその時は、
「僕、きんさんのことが